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LUNATIC GOLD 第二部 6
 

 
第二部 月は無慈悲な夜の王
  6 グッバイ・ガール

 夏休み前、最後の日曜日だった。
 明るいブルーの空に白い雲がぽっかり浮かんでいる。降り注ぐ陽光が熱いアスファルトを目映い白一色に眩ませる。
 だが、この夢の国は色とりどりの色彩で溢れていた。
 ここは、ウォルターランド。大人も子どもに還る、ピーターパンやシンデレラの住むおとぎの国──ネバーランド。
 そんなおとぎの国のシンボルになっている、シンデレラ城の入口近くに小柄な少女が立っていた。
 ゆらゆら揺れる明るいウェーヴのかかった髪を涼しげなポニーテールに結い上げている。流行の薄手のワンピースにサンダル姿の彼女は道ゆく男性たちの目を惹いた。彼女はそのままCMに出てきそうな美少女だったのである。
 彼女は落ち着かなげにゲートのほうへ目をやってから、手首の腕時計を見た。十時二分前。待ち人はまだ現れない。
 どうしよう。まだ来ないんなら、化粧室に行っちゃおうか。
 シンデレラ城の美少女──赤里はきょろきょろとあたりを見回した。
 さっきから、みんな見てる。やっぱり、ヘアスタイルが変なのかな。慣れないポニーテールなんか、するんじゃなかった。
 少しでも、後白河ましろとの違いを出してみたくて、今朝は自分の頭と格闘してしまったのだ。
 だから女の格好なんかイヤなんだ。ああ、腕がだるいったらない。あの人のためじゃなきゃ、誰がこんな格好するもんか。
 この夏の流行だからと、ブティックの店員に勧められたワンピースの丈はひざより少し上で、ふだんスカートをはき慣れていない赤里は、ちょっと風が吹いただけでもすそが気になってしょうがなかった。
 あの人の……ルナのためじゃなかったら。
 その時、ふいに上から声がかかった。
「あっ、あの……」
 彼だ──はっとして赤里が顔をあげた。
 だが、そこにいたのは。

  …………え? 高見沢、令?
「えっと……」
 転校してきたばかりの、なんだかマヌケな、隣の席の男、高見沢令が顔を真っ赤にして自分を見おろしていた。
「あっ、あのー、今日は来てくれてありがとう。オレ……」
「人違いなんじゃない?」
 赤里は可愛い顔に似合わない仏頂面で令を見あげた。
「へっ?」
「あたし、〈白〉の姫によく似てるけど、別人なんだ」
 そう言って赤里は小さなあごをツンと反らせた。
 まさか、こいつも今日、後白河の姫と約束してたとは。
「ちっ、違うよ、あか……」
 言いかけて、自分を避けようとする赤里の腕を令がとった、その時。
 パシィーッ!
 赤里の平手が令の頬にとんだ。
「しつっこいんだよっ! 人違いだって言ってるだろ?」
「いててててーっ! 誤解だってば、赤里ちゃん」
 ……赤里?
「なんで、あんたがあたしの名前、知ってんの?」
 令はあたりをきょろきょろ見回した。音も高らかに平手をくらったせいで、すでに人の目を集めてしまっている。
「だから、オレが今日、君とここで約束した相手なんだってば! ……コンサート会場でチケット渡しただろ?」
 赤里は目をぱちぱちさせてから、令を凝視した。
「……まさか、あんたが……ル……」
「わーっ! あっち、あっち。あっち行って話そっ」
 そう叫んだ令は、また赤里の手をとって走り出した。赤里は呆然としたまま、ほんの少し前を走る令の横顔を見つめていた。汗をかいた耳まで真っ赤な顔。陽に灼けた肌。短めの髪。たしかに、かなり整ってはいるけれど、ありがちな高校生のプロフィール。
 この人が……ルナ?

 たくさんあるカフェ風の店のひとつに令と赤里は飛び込んだ。
「ちょっと待ってて。飲み物買ってくるけど、なにがいい?」
「……え? オレンジジュース……」
 赤里は上の空で応えた。
 買い物に走る令の後ろ姿を眺めながら、赤里はまだ信じられなかった。
 あの高見沢令が……ルナ?
 たしかに。それなら、いきなり選抜クラスに転校してきたのも、妙に御三家と仲がいいのも納得がいく。高見沢が〈中央本家〉なら。だけど、ルナと高見沢じゃイメージが違いすぎる。
 あたふたと令が戻ってくる。真っ白なTシャツにジーンズ。背が高く、ちょこんと乗った小さな顔。すっきり伸びた腕と脚。
 それなりに、今風の格好いい男の子ではある。
「アイスも買っちゃった。食べられるだろ?」
 そう言って、赤里の前にオレンジジュースを置き、すとんと座ってから、アイスクリームのコーンを差し出した。
「ありがと。いくらだった?」
「いいって。今日はオレのおごり」
 令はうれしそうに微笑った。
 ……ホントだ。ルナとおなじ綺麗な微笑み。
「ダメだよ、ワリカン。あたし、そういう借りつくるのやだから」
「いいじゃん。オレ、初デートはおごりって決めてたんだ」
「また、そーゆーこと言って」
 言いながら、赤里がストローをくわえた。
「え? なに? そーゆーことって」
「あんたが、初デートのわけ、ないじゃない」
 令はきょとんと赤里の顔を見た。
「なんで?」
「なんで……って、ルナなんでしょ」
 赤里はこそっと言った。
「ルナだって、初デートなんだから、しょーがないじゃん」
 ちょっとムッとして令がアイスにぱくついた。
 そんな令を赤里は不思議そうに見つめた。
「なに?」
「前に外人じゃないって言ってたの、ホントだったんだなって思って。それが、ふだんの格好なんだ?」
 言われて、令は照れたように微笑う。
「やっぱ、イメージ、違う?」
「うん」
「そっかー。でもさ、オレ、フツーの格好で赤里ちゃんと会いたかったんだ」
 令はぽりぽりと頭をかいた。
「それに、きっと、あの格好だと落ち着いて遊べないし」
「言えてる。あっというまに人だかり」
 赤里がくすくす笑うとポニーテールが揺れる。
「その頭、可愛いね」
 令がぽそっと言った。
「えっ?」
 令は口の中でなにかもぞもぞ言って、あわてて案内図をテーブルに広げた。
「どれに乗る?」

 お天気の日曜日ということで、人気のアトラクションはどれも二時間以上の行列待ちができていた。
「ごめん。こんなに混んでるなんて知らなくて」
「いいよ、ここって、夏はいつもこんなもんらしいから」
 ジェットコースタータイプの行列に並びながら、わびる令を見あげて赤里は笑った。本当は夏向きの水の上をすべり落ちるタイプにしたかったのだが、そちらは三時間並んでも乗れそうもなかったので諦めたのだ。
 もともと、ウォルターランドを高見沢に勧めたのは自分なんだから、しかたがない。
 いま、ふたりが並んでいるアトラクションは、アメリカ西部の鉱山を模したジェットコースタータイプのもので、やはり屋外まで長蛇の列ができていた。
「こうやってる間にごはんの場所、決めちゃおうぜ。なに食べたい?」
「さっき食べたばっかじゃない」
「さっきのはアイス。メシだよ、昼メシ。あっちのカレー屋がいいかな。クマのショーが見られるらしいよ。あ、それとも、ピザ屋がいい? おっ、このチュロスってなんだろ?」
 満面に笑みをたたえて、楽しそうに食べ物屋を物色している令を見て、赤里が訝しげに訊いた。
「ホントにあんた、ご本家さまなの?」
「だって、オレ、つい最近まで自分が一族だなんて知らなかったんだ」
 令はあさってのほうを向いて言った。
「えっ?」
「だから、まえに〈赤〉のこと知らないって言ったの、全然悪気はなかったんだ。オレ、一族のことなんて、なんにも知らなくて……ごめん」
 そう言って、令がうつむいた時、先頭で乗り換えがあったのか、行列が数十人ほど前にぞろぞろと移動した。赤里のすぐ横に立っていた令も一緒に動いた。
 そのとたん、赤里の目にふいに陽光が射し込んだ。眩しい、と思ったがすぐにまた日陰になる。
 ……あれ?
 見上げると太陽を背にして令が立っている。逆光で表情はよくわからないが、長い首筋に汗が光るのが見えた。
 ──日陰、つくっててくれたのか?
 風がそよりと吹いて、令の長めの前髪をゆらした。
「おっ、いい風じゃん」
 言って令は微笑った。
「あっ、あの……」
「ん? なに? 赤里ちゃん?」
 自分でもなにが言いたいのかよくわからない。
「あの……あんた……」
 そこまで言って、はっとした。
「あんたのこと、なんて呼んだらいい?」
「あ、いけね。まだ本名言ってなかったっけ?」
 本当はもう知っている。でも、それは言えない。
「高見沢令。令でいいよ」
 そう言って、令はまた微笑った。

「なに見てんの?」
 うしろから声をかけられ赤里が振り返ると、驚くほど間近に令の顔があった。慌てて、また前を向く。
「馬車?」
 そんな赤里の様子にまったく気づいた風もなく、令が目の前のそれを指さした。それは、ガラスの馬車だった。
 ふたりは、シンデレラ城の一階にあるガラス細工専門のみやげ物屋をながめていたのである。シンデレラにちなんだガラスの靴や、今にも動き出しそうなキャラクターたちの小さなガラス細工が、キラキラと輝きながらところ狭しと陳列されている。この店では、職人の実演も公開されていて、赤里はちょうどガラスの馬車がつくられるさまを驚嘆の目で見つめていたところだった。
「人がなにかつくってるとこ見るの、好きなんだ」
 赤里は職人の目を見つめたまま、言った。
「うん。すごく、うまいよな」
 ふたりの会話などに少しも頓着せず、大柄な欧州人の職人は柔らかくなったガラスを細くしなやかに曲げて、あっというまにキラキラ光る繊細な作品を仕上げてしまった。
 ──シンデレラの馬車、か。
 赤里は間近にいる令にさえ聞こえないくらい、小さく呟いた。
「赤里ちゃん、ここ、ここ」
 令がガイドブックを見て、どうしても行きたいところがあると言いだした。どこなのかと、赤里が訊いてもにこにこ笑って「ナイショ」と言う。いま、赤里はその場所のまえにいる。
「フォトスタジオ?」
 首をかしげる赤里の手をとって、令はさっさと中に入った。
「彼女、お姫さまにしてください」
 お姫さまァーっ?
「はい、お客様はなんにいたしましょう?」
 いかにも、ウォルターランドらしい明るいノリの店員がにっこり笑った。
「オレ? 彼女にあうのでいいや」
「ちょっ、ちょっと、令?」
 呆気にとられたまま、赤里はあっというまにレースのついた赤いロングドレスの中世の姫君の格好にさせられた。どうやら、ここは客の仮装を写真に撮ってくれるところらしい。
「あら、とっても可愛い」
 店員が赤里を見てにっこり笑った。
 鏡の中には、我ながら結構かわいいなと思えるお姫さまがいた。金髪の巻き毛のウィッグがちょっと恥ずかしい。
 これじゃ、ホントにシンデレラじゃないか。
 赤里はいつもの自分の姿を思いだして赤くなった。令はあたしが赤津哲也だなんて、知らない。
 更衣室を出ると、外にはすでに令が待ちかまえていた。
「かわいいじゃん」
 そういう令は赤里にあわせて王子の仮装をしていると思いきや。
「どう? オレ、赤里ちゃんをさらう海賊だぞー」
 海賊とはいっても、頭目の派手な衣装は令が着るとまるで貴族のように見えた。片目にアイパッチなどして、一応それらしくはしているが、どうしたって悪党には見えない。
「全然、こわくない」
「そうか? でも、かっこいいだろ?」
 本人はかなり気に入っているようで、胸を反らせてふんぞりかえって見せた。
「ぷっ」
 赤里は思わず吹いてしまう。まるで、子どもだ。
「そんなに笑わなくたっていいじゃんか」
「はーい、お姫さまと海賊さん、撮りますよォ」
 係員がくすくす笑いながら声をかけた。

 夕暮れになると、人々は名物のパレードの場所取りでざわめきはじめた。軽やかな音楽に乗って、カラフルにライティングされたキャラクターたちがドラマを演じながらパレードするそのアトラクションを少しでもいい場所で観ようと、客たちは先を争って道沿いに陣取っていた。
「赤里ちゃん、これ、観たことあるんだろ?」
「う、うん」
 たしかに観たことは、ある。ただ、あの時は哲也と朱鷺の組み合わせだったので色気もくそもなかったが。
「ふーん……じゃ、ちょっと違う角度から観よっか」
 そう言うと、令は赤里の手をとって、人気(ひとけ)のない場所へと歩いてゆく。そして、職員に見とがめられないように、するりと建物と建物の隙間に入った。
「ちょっと、目つぶってて」
 ……え?
 言われるままに赤里が目を閉じると、両方の手を握りしめられるのがわかった。
 もしかして……。
 胸の鼓動が速くなる。
 その瞬間、身体がずれるような感覚が赤里を襲った。
「なに……」
 思わず、赤里は声をあげたが、みなまで発することはできなかった。身体が消えてしまったような、嫌な感じがする。
「……ごめん。やっぱ、手だけじゃ安定悪いや」
 ふいに、令の声が耳に飛び込んできた。身体の喪失感はすでになくなっている。赤里が目をあけると、目の前にあったのは真っ白な──令のTシャツの胸だった。はっと気がつくと、令にしっかり抱きついている格好だ。
「やっ、やだ……」
 あわてて身体をもぎ離そうとしたが、目眩がしてうまくゆかない。
 胸がドキドキしている。
「大丈夫? 赤里ちゃん?」
 自分の名を呼ぶ声が、さっきまでと少しだけ違うような気がして、顔をあげると、そこに立っていたのは──。
「……ルナ」
 そう呼ばれて、彼は照れくさそうに微笑った。
 強い風に黄金色の髪が舞っている。ワインカラーの夕暮れに、夢のように端正な顔が仄白く浮かび上がる。そして、淡い琥珀色の瞳──。
「テレポートって、やっぱ得意じゃないや」
 そう言いながらルナが指さすほうに目を向けると、眼下におもちゃ箱の中味をきれいにならべたような風景が広がっていた。パステルカラーで飾られたカラフルな家並み。SFみたいなメタルの建物。ウェスタン風の赤茶けた小さな山と木造の家々──。今、赤里はピーターパンのようにおとぎの国を見下ろしていた。
 そこは──シンデレラ城の屋上だったのである。
 どちらからともなく、ふたりは石造りの柵のうえに腰をおろし、おもちゃのような家並みを眺めていた。
「あの……さ」
 ルナが家並みに視線を向けたまま、手にしていた小さな包みを赤里に差し出した。
「え?」
「よかったら、もらって」
 赤里がラッピングを丁寧にあけると、小さな箱のなか、やわらかな中紙にくるまれて、きらりと光るものが見えた。
「これ……」
 いつのまに買ったのか、それは、あのガラスの馬車だった。
「これ、高かったんじゃ……」
 ルナは小さく首を横にふって微笑んだ。
 思いのほか、間近に東京湾が見える。そのせいか、頬を掠める強い風は湿っていて海の匂いがした。
 ふいに、まるで呟くようにルナが歌いはじめた。
  それは、この季節によくラジオから流れるラブソング。静かで透明な声が、しだいに熱を孕んだ真夏の吐息になる。ルナの声は──とろけるように甘い。
 いつのまにか、唇がかさなっていた。
 つつみこまれ、ふわりと舞い上がるような心地よい浮遊感。
 優しい腕に抱き寄せられ、赤里はためらいがちにルナの広い背中に手を回した。Tシャツ越しにぬくもりを感じる。ぼうっと身体が熱くなった。
 ──これは、夢だ。
 夢の中で、ルナの歌が聴こえる。
 空が黄昏色から闇色に変わって、華やかなパレードがはじまっても、ふたりは夢の中にいた。
 パレードの最後に花火が打ち上げられ、夜空に大輪の花を咲かせても、恋人たちはまだ、くちづけの余韻の中にいた──。

 おとぎの国を出て、駅までの綺麗なモザイクで舗装された広い道を、ふだんの姿に戻った令と赤里は口数も少なく歩いていた。
「あの、さ」
 令がぽつりと口をひらく。
「今度、いつ、逢える?」
 ふいに赤里が立ち止まる。
「赤里ちゃん?」
 赤里はそのままうつむいた。
「どうしたの?」
「……ごめん」
 街灯の下で赤里はたしかにふるえていた。
「寒い?」
 令が心配そうに赤里の肩に触れる。赤里の肩がびくりとふるえた。
「……逢えない。もう」
 消え入りそうに言う。
「……え?」
「今日だけだったんだ」
 一日だけの、シンデレラ。一度だけでいいから、あなたとデートしてみたかった。
 令はちょっとまばたきした。肩に置いた手に力がこもる。
「あたし……ダメなんだ」
「ダメって……なにが?」
「令と、つきあえない」
 ──あのひとを、義父を、裏切れないから。
「どうして?」
「決まった人が、いる……んだ」
 考えに考えぬいた、嘘。バカみたいな、嘘。
「あの、黒豹?」
 令がまたぽつりと言う。
「……うん」
「好きなの? オレより?」
 令は赤里の肩に置いた手をするりと退けた。
「あいつ、幼なじみなんだ。比べられない」
「そっ、か」
 言ったきり、無言のまま、令は歩きはじめた。その背中に赤里が小さく言った。
「あたし、今日のことは忘れないから」
「……うん」
 令がかすかにうなずく。
「それから……あたしを捜さないで」
 この人が本気になれば、哲也が赤里だなんてすぐにわかる。わかってしまう。それだけは、嫌だ。この人にとっては、赤里は赤里のままでいたい。
「うん、捜さない」
 令は赤里に背を向けたまま、言った。
「今までも、これからも、捜さないよ」
 苦さをにじませたその声に、赤里ははっとなる。
「……オレ、人が隠してることを無理につきとめたり、しないから。安心していいよ」
「そんなつもりじゃ……」
 駅のすぐ前まできていた。
 令は振り向き、小さく笑んで、言った。
「さよなら」
 赤里はなにも言えずに立ちすくんだ。そしてやっとの思いで「さよなら」と言うと、令の横をすり抜けて駅まで走った。
 気がつくと、走りはじめた上り列車のドアの近くに立っていた。どうやって列車に乗ったのか、まるで覚えていない。
 もう、逢えない。
 それだけが、頭の中をぐるぐる回っていた。
 もう、あの人に、赤里は逢えない。
 涙があふれた。
 もう、あの人が赤里に微笑むことはない。二度と、決して──赤里があの人を傷つけたから。
 窓に映る自分の顔が見たくなくて、赤里はかたく目をとじた。ルナの歌が終わらない歌のように、赤里の心に流れていた。
 


第6話 End
To be continued

2006.10.29 rewrited

Written by Mai. Shizaka


Copyright(C) Mai. SHIZAKA. All rights reserved.

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