なに考えてんにゃ Showchan


コンチキチン」で知る夏の訪れ

 
7月にはいると京都の商店街やスーパーマーケットでは
BGMが祗園囃子になる。
「コンチキチン」一ヶ月にわたる祗園祭の訪れだ。
 鉦(かね)、太鼓、笛の三種類の楽器を使い演奏される
祗園囃子は、もちろん実際に7月のはじめ「町家」の二階で
「二階囃子」として練習され、「山鉾建て」のあと駒形提灯に
灯が点ると山鉾の上で宵山まで演奏される。
 夏の一番暑い夕方、浴衣姿で山鉾町をそぞろ歩くと
鉾や山によって独自のメロディーをもつ祗園囃子は
下駄の音とあいまって涼しげな何とも言えない風情を醸し出す
音色となる。
 クライマックスの山鉾巡行では辻回しなど巡行にあわせた曲目で
「鉾車」と呼ばれる車輪の「ギッーギッー」ときしむ音との
競演になる。
 子どもの頃から祗園囃子で夏の訪れを感じ、山鉾巡行が終わり、
囃子が聞こえなくなると梅雨が明け本格的な暑い夏となる。
 京都に住む僕たちはこの季節を「祗園囃子」で感じている。



産経新聞(06.7.22掲載分)へ


戻る