One's daily life 

*** わたくし入院しちゃったのよ〜編 ***

              6月17日 (月) 

             2月に子宮筋腫が発覚して以来、4ヶ月の時を経て、

             やっとこさっとこの入院である。

             朝から付き添いのKei-1-1さんや、

             スノとポレの預け先のあんとすさんが来てくれたりと、

             てんやわんやの忙しさだった。

             そして午後1時半、

             武蔵野日赤病院にて、入院手続きを完了。

             しかし病人とは名前ばかりの、

             付き添いに間違われる程の、

             元気の良いわたくし。

             こんなんで入院などしてよいのだろうか。。。

 

             この日の夜は、付き添いのkei-1-1さん、

             夕方にろずまり、夜にはラビさんとCathyさん、

             そしてMさんも来て下さり、

             まるで手術前夜祭のような賑やかさであったが、

             この賑やかさとは裏腹の、

             恐ろしい手術の足音は、

             私の背後に確実に、

             ヒタヒタと忍び寄っていたのである。。

 

              6月18日 (火) 

             同室の30代後半の女性が第一陣の手術、

             第二陣が私だ。

             (執刀ドクターは同じ)

             この女性は、卵巣膿腫に子宮筋腫摘出で、

             おへその穴から腹腔鏡を入れ、

             まずは卵巣膿腫を摘出し、更にお腹に穴を開け、

             筋腫摘出予定である。

             しかし、筋腫が大きければ、

             そのまま開腹手術となる可能性も大なので、

             「開腹になるのは、いやだ。」と落ち着かない様子。

             しかし、そんな彼女も午前9時半にストレッチャーに乗って、

             「そいじゃ、がんばるわ〜」と行ってしまった。

             それから待つこと4時間半・・・。

             本来ならば、私の手術予定時間は11時半であったが、

             看護婦さんから、

             「はい、それでは行きますよ」

             と言われたのが、午後2時。

             前の手術にずいぶんと時間がかかっていたようである。

             ストレッチャーに乗っかり、

             7Fの病室から、3Fの手術室へ。

             到着すると仰向けになっている私に、

             看護婦さんたちが、

             「わたくしが手術担当の○○です。」

             と次から次へと名乗ってゆく。

             「眠っている間にすぐ終わりますからね。」

             などと言われたりして、

             ああ、なんだかまるでドラマの世界のよう。

             手術室の細長いベッドに寝かされた私は、

             心電図を身体に取り付けられ、

             全身麻酔をするための、人工呼吸器のマスクで口を塞がれ、

             麻酔医の、「すぐに眠くなりますからね。」

             との言葉通り、意識はありつつも、

             身体は金縛り状態に陥る。

             「○○さ〜ん、○○さ〜ん」

             名前を連呼され、身体を揺さぶられるが、

             「はい」との返事も出来ず、

             身体はどんどん死体へと化していった。

             そこまでは覚えている。

             が、そこまでであった。

 

             気がついたのは、手術室。

             覚醒した途端、すさまじい吐き気が襲ってきた。

             そして尋常ではない痛み。

             それから更に、ものすごい尿意。

             第一声は、

             「気持ち悪い! 痛い! 痛い! トイレ行きたい!!!」

             痛み止めが効くのは、それから数分後であったが、

             痛みの他に、膀胱にカテーテルを入れられ、

             その異物感が痛みと連動して、

             強制的に排尿させられているのにもかかわらず、

             ものすごい尿意をもよおす。

             病室に戻るまでの間、

             「痛い! 痛い! トイレ行きたい! トイレ行きたいのよ!!」

             と怒鳴りまくっていたらしい。

             しかし、痛み止めが効き始め、

             スッと楽になった途端、尿意もウソのように引いていった。

             そして再びの、深い眠りへと。。。

             

              6月19日 (水) 

             午前中に、膀胱に入れられたカテーテルを抜かれる。

             手術後1回目のトイレは、看護婦さんに付き添ってもらってだ。

             身体の自由がきかないので、ベッドから降りるのも一苦労。

             おまけに左手には点滴が・・・

             そんな時、あまちゃんがお見舞いに来てくれた。

             それで、看護婦さんとあまちゃんが初トイレに付き添ってくれた。

             ついでにあまちゃんは、バッグからヘアブラシを取り出し、

             「これ使う?」と聞いてきた。

             どうやら私の姿は、山の中の一軒家に住む、

             髪を振り乱した人食いババアの姿に近かったらしい・・

 

             この日も、kei-1-1さんが付き添ってくれ、

             実際に手術で摘出された筋腫を見ているので、

             それを細かく説明してくれた。 

             昨日、今日とMさんも来てくれた。           

             

              6月20日 (木) 

             点滴が本日で終了。

             痛み止めは、すでに昨日の午前中から使用していないが、

             身体を動かさなければ、特にひどい痛みは走らない。

             トイレが近くて、1時間おきに行っている。

 

              6月21日 (金) 

             この日から、もうシャワーを浴びてOKだ。

             シャワールームの前に、予約表がかけてあるので、

             自分の好きな時間に予約を入れる。

             ただし使用できる時間は、たったの20分。

             モタモタしていると、あっという間に20分経ってしまうから、

             お腹の傷を気にしつつも、速効で身体と髪を洗う。

             夜、ラビさんが来訪。

 

              6月22日 (土) 

             昼間から普通食に。

             普通の真っ白いゴハンがおいしいのよ〜

             縫い傷の上を、更にホチキスの針状のもので止めあるが、

             これがツレて、痛いのなんのって。

             咳やくしゃみをしても、飛び上がらんばかりの痛さ。

             ベッドから起き上がる時も、右向きはダメ。

             歩きながら、「いてぇー、いてぇー」とわめく。

 

              6月23日 (日) 

             昼間は、お見舞いの友人も来ず、

             一日中、ウダウダ。

             大人しく寝ているのにも、かなり飽きてきた。

             夜7時ごろに、かたぼんが来訪。

             会うのは、今年に入ってから初めてだったので、

             共に再会を喜ぶ(?)。

             

              6月24日 (月) 

             午後、「はち」パパさんが、

             わたくしのような「かわいい花」を持って、お見舞いに来て下さった。

             「はち」パパさんは、小学4年から6年生までの同級生で、

             「DEAR SNOWY」を経営していた時も、よくいらして下さった。

             現在は、柴犬「はち」ちゃんに親バカぶりを発揮している。

             (人のことは言えんが・・)

             ラウンジへ行き、おしゃべりしていたら、ろずまりが来訪。

             しばらくしたら、ノエママさんが来訪。

             またしばらくしたら、ペットシッターのあんとすさんが来訪。

             実はあんとすさん、

             病院の駐車場までスノとポレを連れて来てくれていたのだ。

             もちろん大喜びの私。

             あんとすさんがまずスノから降ろし、こちらまで連れてきた。

             すわ感動の再会、と思いきや、

             スノは私を無視、見事なくらいのシカト。

             目さえ合わそうとせず、ナデナデしようにも、スッとすり抜ける。

             おまけに止めてある、あんとすさんの車に戻ろうとするのだ。

             「ハハーン、ポレを置いて来ているから、それが気になるのね」

             と、今度はポレを連れて来てもらう。

             ポレはポレで、「ここはドコ?」とキョロキョロ落ち着かない、

             挙動不審な態度。

             飼い主が目の前にいても、分かっているのかいないのか・・

             しばらく、「ポレ、ポレ」と呼んだら、

             「あ゛っ゛、お゛か゛あ゛さ゛〜ん゛

             そ゛ん゛な゛と゛こ゛に゛い゛た゛ん゛です゛か゛?゛」

             と、やっと気づく始末であった。

             いと悲し。

 

             どうやらスノはふてくされ、ポレは状況があまり分からず、

             てな、ことだったらしい。

             ちっとも感動的でない再会は終了し、

             ろずさん、ノエママ共に病棟に戻り、今しばらくおしゃべりに興じた。

             夜、kei-1-1さん、Mさんが来てくれる。

             

              6月25日 (火) 

             午前中に、お腹の傷を止めているホチキスの針を抜いてもらう。

             垂直に刺さっているので、抜く時もまったく痛みを感じない。

             この針のために、今までツレて痛かったので、

             取れてせいせいした感じだ。

             夜、ラビさんが来訪。

 

              6月26日 (水) 

             いよいよ明日退院。

             ショップの店長、派遣会社の社長、同じサモエド仲間のニシムラさん、

             ファミレスバイト仲間のKさん、

             最後の一日に怒濤の如く、お見舞客がなだれ込んだ感じ。

             しかし、たくさんの方々にご心配していただき、

             そしてお見舞いに来ていただき、心の底から感謝である。

             夜8時過ぎに退院診察があり、無事OK。

             (私の他に2人いたが、2人ともまだ退院出来ないと言われていた)

             お世話になった優しいドクターに、摘出した筋腫の写真を貰う。

             感無量・・

 

              6月27日 (金) 

             大雨の中、退院。

             Mさんが付き添いで来てくれる。

             大荷物を持って、タクシーに乗り込み無事帰宅。

             夕方、スノとポレもご帰還。

             病院で会った時とは、うって変わったような大喜びの態度。

             ポレなど、大好きなリンゴのボールをくわえて、

             家の中を何周も走り回っていた。

             Mさんも夕方までいてくれ、

             夜は夜で、kei-1-1さんが夕食持参で退院祝いをしてくれた。

             毎日のように来て下さったMさん、

             さんざんご迷惑をおけかしたkei-1-1さん、

             そしてご心配をして下さったすべての皆さん、

             本当に、本当に、ありがとうございました。

             無事に生きて退院できた、ああ、この喜び。

             決してオーバーではなく。

             (筑波のメディカルセンターで、卵巣脳腫の手術を受けた20代女性が、

                手術ミスでお亡くなりになったニュースは、人事とは思えましぇんでした)

                                                  おわり