O.R.E.〜Mission『AYU』〜
「・・・・」 体が動かない。 別に金縛りとかそう言う訳じゃない。 昨日、天野に〇獄殺をくらったので体中がきしむんだ。 だが、案ずることはない。 ここに秋子さんのジャムがある。 コレを・・・喰う!! 「ぐはっ」 満身創痍の俺にとってコレは凄まじい。 だが、 シュウウウウウウ・・・・・ ・・・傷が治っていく。 実は、ジャムの中には「ノッホソ」とかいう物質が入ってるらしい。 それが漢の魂と反応して傷を治すのだ。 と言うわけで、あっと言う間に傷が完治した俺は、 まず飯を食うために下に降りた。 「・・・で、何でお前がここにいるんだ」 下にはあゆがいた。 「秋子さんが呼んでくれたんだよ」 「で、その秋子さんは何処へ行った」 「仕事って言ってたよ」 「そうか・・・」 まあ、こんな所で言い合っても仕方ないので、大人しく朝飯を食うことにした。 「あ、祐一君、ちょっと待って!」 「え?」 「今日は、僕が祐一君のご飯を作るよ」 「却下」 「うぐぅ・・・」 あゆは泣きそうな雰囲気だった。 「・・・わかった、作ってくれ」 「ほんと?」 あゆはすぐに笑顔に戻った。 ったく、人の朝飯作って楽しいのか?(しかも炭) 「もう炭を俺に食わすなよ」 「うぐぅ・・・分かってるよ」 「じゃあ、炭だったら罰ゲームな」 「どんな?」 「コスプレ」 「・・・こすぷれってなに?」 ・・・そうか。あゆは「人海戦術」も知らないくらいだからな。 「つまり、着替えるって事だ」 「・・・よく分からないけど、それくらいだったらいいよ」 「よし、じゃあ作ってくれ」 「うん!」 あゆは元気に台所へ向かっていった・・・ −30分後− 「・・・で、何ですか、コレは?」 俺は〇八先生風に言ってやった。 「うぐぅ・・・」 今、俺の目の前に並んでいる物は・・・ 「茶碗に入った炭(おそらく御飯)」 「味噌汁(具は炭)」 「炭焼き(形状からして鮭)」 そして、唯一炭でない物・・・ 「鯛焼き」 「うがあああああああっっっ!!」 俺はブチ切れた。 「うわあああっっ!!」 あゆは驚いている。 驚きたいのは俺の方だ。 何が悲しくて炭と鯛焼きを食わねばならんのだ。 「罰ゲーム決定」 「うぐぅ・・・」 「と言うわけで、コレを着ろ」 「わかったよ・・・」 「祐一君・・・」 「お、着替えたか?」 「うん・・・」 俺は振り返る。 「ぐはっ」 あゆの格好・・・ それは、究極の漢の浪漫(主観)、 「裸エプロン」だ。 「うぐぅ・・・恥ずかしいよぅ・・・」 「しかも、小さいし・・・」 そう、俺の特製エプロンはギリギリ見えないように極限まで小さくしてあるのだ。 「我慢だ」 「うぐぅ」 あゆは涙目めでこっちをみる。 「ぐはあっ」 た、たまらん・・・おもわずおやぢ化しってしまいそうだ・・・ 「じゃあ、例のヤツ、頼むぞ」 「う、うん・・・」 そう言って、俺は玄関を出る。 「ゆ、祐一君っ」 「ボク、本当はすっっっっっっごく恥ずかしいけど・・・」 「でも、祐一君だから・・・」 「だから、やってみるよ」 あゆは、とても嬉しいことを言ってくれる。 「あゆ・・・」 俺が振り返ると、あゆは真っ赤になって奥に入っていく。 状況を整理しよう。 あゆは、今、「裸エプロン」である。 そして、後ろを向いて奥に入っていく。 当然、俺の目の前に桃源郷が・・・ 「ぐばあっ」 あゆ・・・極上だぜ。 真琴の時も同じ事を思った気がするが、あえて気にしない。 そう思いつつ、俺は玄関を出た。 1分程たった後、俺は再び家に入った。 「お帰りなさい、えっと・・・」 「・・・あなた」 「ああ、ただいま」 そう言って俺は、時価100万ドルの笑顔をあゆにむけた。 勿論あゆは「裸エプロン」だ。 「御飯にする?それともお風呂?」 定番の台詞だ。だが、その中には 「漢の浪漫」がぎっしりと詰まっているのだああっっ!!(力説) 「それとも・・・」 あゆは顔を真っ赤にして俯きながら、 「・・・ボクにする?」 「相沢祐一、暴走しています!!」 「凄い・・・漢の浪漫度、400%突破しています!!」 「あゆぅぅぅぅぅーーーーー!!!!」 「うぐぅぅぅぅぅぅっっっっ!!!」 「そこまでだ、相沢君」 「な・・・誰だ!!」 「くっくっくっ、僕の顔を忘れたかい?」 「お、お前は・・・」 祐一の前に現れたのは誰なのか!? 一体何が起こるのか!? 次回、「O・R・E」シリーズ疾風怒濤の最終回!! お楽しみに!!