いたづら秋子さん うさぎさんです



外伝書いて三発目です。
果たして他人様のSSで何をやっているかと気にはなりますが気のせいですね(ぉ









いつもの昼下がり、
私はお買い物を済ませて家路を急いでいました
実は、洋品店のディスプレイに気を取られて少し遅くなってしまったのです
祐一さんや名雪に夕御飯を待たせるのは悪いですからね

「あら、水瀬さん」
「あ、前坂さん、こんにちわ」

その道すがら前坂さんの奥さんとばったり会いました
もっとも今いるのは前坂さんのお宅の前なのですが
前坂さんはふくよかな体格でとても気さくな方です

「買い物の帰り?
「ええ、そうですよ」 
「食べ盛りの子が二人じゃ大変じゃないの?」
「いえ、かえって作りがいがありますよ」
「そう?
 そうかもしれないわねぇ」

からからと豪快に笑う前坂さん



「あ、そうそう」
「なんですか?」
「ちょっとここで待っててもらえるかしら?」
「はい、構いませんが?」

そう言うと前坂さんは家の中に戻ると、

ドスン!

バタン!

めきめきめきっ!

凄い音をたてています
中で何が起こってるんでしょう?



その音が止んで少しすると、
何かの袋を持った前坂さんが現れました

「これ、服みたいなものなんだけど水瀬さんにあげるわ」
「え、でもいいんですか?」
「勢いに任せて買っちゃったのはいいんだけど、
 あたしにはちょっときつかったみたいでね」
「そうですか…
 では頂きますね」
「その代わり、
 後であたしに料理教えてね。
 水瀬さんの料理は絶品だから」
「ふふ、ありがとうございます
 それでは」
「またね」



思わぬ荷物が増えてしまいましたが、
中身は何なのでしょう?



家に帰り着き、貰った袋はいったん足元に置いて夕食の準備です
今日は相変わらず名雪が部活だからお腹を空かせて帰ってくるでしょう
早速準備にとりかかります

とんとんとん

じゅううう

ぐつぐつぐつ…



…これでよしですね
今日はシチューなので、
あとは二人が帰ってきたら温めなおすだけで大丈夫です



「ただいま」

まずは祐一さんが帰ってきたようです

「ん、今日はシチューですか?」
「分かりますか?」
「ええ、何となく匂いで」

そう言って祐一さんははにかみました



はにかんだ祐一さんはなんだかかわいらしくて、
その表情に私はどきどきして祐一さんの虜



違います



そんな事を考えている間に祐一さんは自分の部屋へ行ってしまいました
つれないですね
でもそれが祐一さんの好きな所



だから違います



夕御飯の支度は済んだのでできる範囲の後片付けをしていると、

「ただいまー」

名雪が帰ってきたようです

「うー、お腹空いたよ…」
「あらあら」

帰ってくるなり情けない声をあげています

「じゃあ、すぐに御飯にするわね」
「うん…」



今日はクリームシチューです
ほくほくのじゃがいもが熱いけれどもとても美味しいです

「熱っ!」
「祐一、気をつけないと駄目だよ」
「分かってる…」

若い二人は中睦まじくて微笑ましいですね。
って、それじゃあ私が若くないみたいじゃないですか!
私はまだ花の乙女…
ではないですけど



はふはふ

じゃがいもは中まで熱いので食べるのには気をつけないといけません

つー

あら、口の端からシチューが零れてしまいました
嫌だわはしたない



「ぶはっ」
「ど、どうしたの祐一!?」
「何も聞くな…」

祐一さんが何か悶えてる様です
じゃがいもの塊でも食べてしまったんでしょうか?



「ごちそうさま〜」
「御馳走様でした」

二人が食べ終え、私は後片付けをします

じゃー

ごしごし

きゅきゅきゅ



あらかた終り、仕上げをしていると

がさっ


何かがふと足に当たります
足元を見ると、前坂さんに貰って足元に置きっぱなしだった袋がありました
なんなのでしょう?
お部屋に戻って開けてみましょう



がさがさ



はじめに白い長いものがついたヘアバンドのようなものが出てきます



ごそごそ



これは…黒い網状の…タイツでしょうか?



ばーん



そして真っ赤な…なんでしょう?

とりあえず全部出して観察してみます
うーん、試しに並べてみます

一番上は…ヘアバンドでしょうからこの白いものを
次は…真っ赤な…服かなにかでしょうか
下に…タイツみたいなものを並べてみると

どこかで見たことありますね
そうか、ばにーすーつですね

って











バニースーツですかっ!?



改めてよく見ると、
真っ赤な露出度の高い服…というかボンテージに、
白いうさぎの耳としっぽ、
そして真っ黒な網タイツ…

ぼっ

こ、これを着るんですか?

ああん


恥ずかしいです



でもこれを着たら祐一さんどんな顔をするでしょうか

これで迫ったら祐一さんもいちころ



違います



お部屋を出て少し深呼吸して落ちつきます
そういえばなんとなくのどが乾きました

あら、台所に飲み物の入ったコップがあります
きっと料理中にのどが乾いて少し飲んでそのままだったんですね
とりあえず中身を飲み干してコップを洗います

ふらっ

なんだか少し気分がいいです
頭もこころなしかぼーっとして
そこで思い出しました
あれはシチューの隠し味のワインの残りでした

とりあえずお部屋に戻ります

するとバニースーツが床においてあります



ぴかーん



いい事思いついちゃいました

このバニースーツを着て祐一さんにいたづらしに行きましょう
服を脱いで下着姿になります
バニースーツのデザインを見ると肩が開いているのでブラジャーはできないですね
というわけでブラジャーも外します

するっ
ぱさっ

もしこのまま祐一さんのところに押しかけたら



ぽっ



違います
まずはタイツを

うんしょ
うんしょ

よっこらせ

…なんて言いませんけど

ううん
足が変な感じです

次に真っ赤な服…みたいなものを着ちゃいます

うきゃ

ちょっとひんやりしています
でもなんだかサイズは合ってるみたいです
そして最後に耳付きヘアバンドをつけます

これで完了です

ちょっと鏡にポーズしちゃいます

うん

いけます

それではいざ出撃、です




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「ふう…」


夕飯を食べ終えた俺は部屋に戻り暫くCDを聴いていた。
秋子さんのシチューは確かに美味かったけど、
それだけだと何か小腹が空いてきた。
キッチンの冷蔵庫に何かあるかな…

そう思って部屋を出ようとすると…



がちゃ



ドアを開けて誰かが入ってきた。
名雪は寝てるだろうからきっと秋子さんだろう。



「はやぁ、祐一さぁ〜ん♪」

「何ぃっ!」



俺の目の前には、
真っ赤なバニースーツを着て、
うさみみをつけて、
黒い網タイツをはいた秋子さんがいた。

「な、なんて格好してるんですか!」
「ふみ?なにか変ですかぁ?」

可愛らしい声をあげる秋子さん。

「似合ってます?」

くるりと一回転する秋子さん。
後ろにしっぽがついているあたり芸が細かい…
もとい。



可愛らしいミミ、
スーツから見える谷間、
大胆な切れ込み、
そして網タイツに彩られてむっちりとした足。



「……」

とんとんとん

思わず首の後ろを叩く。



「みぅ、どうしたんですかぁ、祐一さん?」
「何でもないです…」
「あっ、見つけましたよぉ」

秋子さんは俺が以前テスト前に夜食を持ってきたときに使ってそのままのお盆を手のひらに乗せ、

「ここかな〜?」

見事に俺が酒を隠していた所を探し当てて、缶をお盆の上に乗せた。
実はこの間の秋子さんが酔っ払った時から飲ませるのはまずいと思って一人で飲むことにして、
秋子さんに見つからないように部屋に隠してこっそりと飲んでたのだが…

目の前でお盆を持って微笑んでる秋子さん、
その様は見事にバニーガールだった。



「どうぞ〜、祐一さん♪」
「で、でも俺未青年…」
「細かい事は気にしないんですよぉ」
「はい…」

まあ酒を飲むくらい別にどうって事無い。

ぐいっ



一気に缶のサワーを飲む。

「わあっ、豪快ですね〜」



さっきから秋子さんは甘ったるい間延びしたような声だ。
よく見ると、顔がほんのり赤い。
…酔ってるな、確実に。
ということは…

…えらい事になる予感が。

そんな事を考えてると…



「どうしたんですか、祐一さん?」

「いや、なんでも…のはっ」



俺の顔を覗き込む秋子さん。
それ自体は問題ないが、

除き込むという事は前かがみになってるわけで・・・
そうすると自然に腕で谷間を寄せて開いた胸元をより強調するようなポーズに…

そんなこんなで俺がのた打ち回っていると、



「ゆ〜いちさぁ〜ん(はぁと)」

ぼふっ

「ぐはっ!」

いきなり俺は秋子さんに抱きつかれる。



むにぃ



柔らかい感触が俺の胸板に押し付けられる。
バニースーツ独特の質感がなんとも言えない。
しかも当然普段着よりも薄着なわけで余計に密着感が…

「あ、秋子さん、ストップ…」

なんとか理性が残っている間に秋子さんを離す。



「どうして離れるんですかぁ?
 もしかして、秋子の事嫌い?」
「そんな事…」
「ううん、きっと嫌いなんだ。
 ぐすっ…ふぇぇ…」

いきなり泣き出してしまう。

「あ、秋子さん、泣かないで下さい」
「うぅ、だって…」
「俺は秋子さんの事嫌いだなんて言ってません!」
「ほんと?」
「はい」
「じゃあ…好き?」
「…はい?」

間。

「やっぱり嫌いなの?」

じわっと秋子さんの目に涙がたまる。

「いえ、好きです!好きですとも!」
「よかった♪」

今度はころっと笑顔になる。

「じゃあね…
 キスして」
「ぶっ!」

唐突な申し出に驚く。

「ね?」
「う…」

上目遣いで迫る秋子さん。



…秋子さんが言ってるんだし、大丈夫だよな…

既に秋子さんは目を瞑っていた。
俺も腹を決めて、秋子さんの素肌の晒された肩を掴んでこっちに顔を寄せる。
秋子さんに顔を近づけた時。



がちゃっ



「……」
「……」



目が座ってる名雪がいた。

「な…ゆき…」
「……」

無言。
秋子さんは名雪に気付かない様だ。



やがて名雪が口を開いた。



「…うさぎさんだおー」
「…はい?」

そう言ってふらふらとどこかへ行ってしまった。
どうやら目が座ってたのは寝ぼけてたかららしい。



一安心して、秋子さんの方を向く。

「秋子さん…」
「……」

秋子さんはまだ目を瞑ったままだ。



俺は意を決して唇を…

「…すぅ」
「…はい?」

この台詞、今日で何度目だろう。

秋子さんは気持ち良さそうに眠っていた。



大人の女性に対しては失礼かもしれないが、
その寝顔が可愛らしくて、思わず笑顔になってしまう。

「秋子さん、自分のベッドで寝ましょうね」
「…ひゃい…」

寝ながらも答えるあたりがおかしかった。



翌日はバニースーツで目覚めた秋子さんと、
それを目撃した名雪で大騒ぎになった。






懲りずに書いてしまった(ぉ
よく見ると…
Σ( ̄□ ̄; バニー描写少なっ!(死