いたづら秋子さん 首輪です

 

 

このSSを原作者であり、師匠でもあるF.coolさんに捧げます。

捧げていいものかどうか怪しいですが(苦笑)


 

 

 

 

 

 

ふぅ・・・

 

 

 

暇です。

 

 

 

お昼は私以外誰もいないので、時間が余っちゃいます。

祐一さんにいたづらしたくてうづうづ・・・

 

違います

 

これじゃ私がイヂワルな人みたいです。

 

 

 

う〜ん・・・やっぱり暇です。

ワイドショーもマンネリで、何か奇抜なものはないでしょうか・・・

 

 

 

ぴんぽ〜ん

 

 

 

あら?

誰か来たみたいです。

 

 

 

「は〜い」

「どうも〜、お届け物です」

「ご苦労様です」

「いえいえ。あ、はんこお願いします」

「ここですか?」

「はい、そこです」

 

ぺたっ。

 

「それでは、確かにお届けしました」

そう言って宅配に人は行ってしまいました。

 

 

 

一体なんでしょうか?

とりあえずリビングで開けてみます。

テープをはがして・・・

 

 

 

がさがさ・・・

 

 

 

「こ、これは・・・!」

 

 

 

首輪

 

 

 

何度見ても、どこから見ても、やっぱり首輪です。

ご丁寧に鎖までついてます。

何でこんなものが・・・

 

 

そういえば・・・

 

 

この間、隣の奥さんと冗談でレディースコミックの懸賞を出したことがありました。

で、でも、当たるなんて期待してませんでしたよ!

そんな、着けてみたいなんて・・・

 

 

 

着けて・・・

 

 

 

「祐一さん、いえ、御主人様・・・私は貴方の・・・」

 

 

 

 

 

 

違いますっ!

 

 

そんな恥ずかしいこと、できる訳ないですっ!

 

 

 

・・・でも、祐一さん驚くでしょうね・・・

 

 

 

一回だけなら・・・

 

 

 

だ、だめですっ!

やっぱりできません!

これは、早く処分して・・・

 

 

 

かちっ

 

 

 

え?

なんの音ですか?

それになんだか首の周りが・・・

 

 

 

って、首輪がついてるじゃないですかぁっ!

 

知らない間に自分でつけてしまったんでしょうか?

 

 

 

「ただいま〜」

 

な、名雪が帰ってきちゃいました。

早くはずさないと・・・

 

「雪が降り出す前で助かった・・・」

 

祐一さんも一緒みたいです。

 

は、早く・・・

 

 

がちっ

 

 

あ、あら?

 

 

がちっ、がちっ

 

 

は、外れないですっ!

 

 

 

「ただいま〜、おかあさ・・・」

私を見た名雪が固まってしまいます。

 

 

 

「わ、私、何も見てないよっ」

そう言って名雪は走り去ってしまいました。

 

「ち、違うのよっ、名雪っ」

急いで名雪を追いかけます。

 

 

「秋子さん、どうかしたんで・・・」

祐一さんと鉢合わせしてしまいました。

 

「・・・」

「・・・」

 

目があったまま動けません。

祐一さんの視線がだんだん首に・・・

 

「あ、あ、あ、秋子さんっ!!?」

「ゆ、ゆ、祐一さん、これは違うんですようっ!」

「ぐはっ」

 

祐一さんがのけぞってしまいました。

 

 

 

ああ、もうっ!

 

こうなったらなるようになれですっ!

 

「ゆ、祐一さん・・・」

首輪に付いていた鎖を手にとります。

 

 

 

「こ、これを・・・」

それをおずおずと祐一さんに差し出します。

 

 

 

それを虚ろな目で受け取った祐一さんは・・・

 

 

 

どさっ

 

 

 

え?

何ですか?

 

天井が見えます。

それと、祐一さんが・・・

 

 

 

あ、なるほど。

私、押し倒されたんですね。

えええええええっっっ!!?

 

 

 

お、押し倒されたんですかっ!?

そ、そんな、祐一さん、恥ずかしいですっ!

でも、祐一さんだったら・・・

 

 

 

ひぅん

 

違いますよおっ!

 

 

 

どきどき

 

心臓の音が祐一さんに聞こえちゃいそうです。

 

 

 

ゆらっ

 

祐一さんの顔が近づいてきます。

思わず目をつぶってしまいます。

私っ、私っ・・・!

 

 

 

こてっ

 

 

 

あら?

 

祐一さんの頭は私の横に倒れました。

よくよく見ると、気を失っているみたいです。

何だかうわごとで、

 

「萌え・・・」

 

とか呟いています。

 

 

 

・・・萌えってなんでしょうか?

 

 

 

そこに、おそるおそるといった様子で名雪が顔を出します。

 

「・・・お母さん?何でそんなの着けて・・・」

「わ、私、祐一がお父さんでも大丈夫だよっ」

そう言ってまた逃げ出してしまいました。

「な、名雪、待って・・・」

名雪を追いかけようとしましたが、祐一さんの下敷きで動けません。

 

 

 

この後、二人の誤解を解くのに三日かかってしまいました。

 

 

 

・・・くすんっ

 

 

 

 

 


 

・・・かなり問題のありそうなネタだったんですが、
意外と好評みたいです。
気分を害されたなら申し訳ありませんでしたm(_ _)m