これって浪漫?(違


休み時間。
する事も無くぼーっとしていると、
北川が何かの漫画を読んでいた。

祐一「ん・・・なんで今ごろ読んでるんだ?」

よくよく見れば、それは某ネコ型ロボットの漫画だった。

北川「なぁ、俺は最近気付いたんだが・・・」
祐一「・・・何に?」
北川「ド〇ミちゃんいるだろ?」
祐一「ああ・・・」
北川「アンドロイドだよな?」
祐一「まあ、そうとも言うな・・・」

実際はロボットと言った方が良いのだが。

北川「で、ネコ型だろ?」
祐一「まあな」
北川「そして、何より『妹』・・・」
祐一「・・・北川・・・」

俺は不意に北川が遠い人のように思えた。

北川「これって・・・『浪漫』じゃないか?」
祐一「絶対違う」
北川「どうして!」
祐一「無茶言うな。
   この絵で浪漫も何もあるか!」
北川「これでもか?」

北川が手渡した一冊の薄いB5の本。
同人誌だ。
それをパラパラとめくると・・・

祐一「・・・ぐはっ」

明らかに違う漫画だった。
第一、見た目が丸いロボでなく完全に人型で、
しかもド〇ミちゃんにはリボンじゃなくてネコミミが・・・
ちなみに成人指定はお約束と言う事で。

北川「・・・どうだ?」
祐一「北川・・・」

俺達に言葉は必要無かった。
熱い握手を交わし、
最高の笑顔で応えた。

北川「浪漫だな」
祐一「ああ・・・浪漫だ」



それを冷ややかに見つめる少女が一人。

香里「・・・馬鹿ばっか」