ツミヲオカシタモノタチヘ
8月。
蒸し暑い不快な季節に、
更に人を不快にさせる記事が地方紙に載せられた。
「レイプ被害者の女性、自殺」
記事によれば、
彼女は複数の男から暴行を受け、
その時に妊娠したらしい。
5ヶ月目でもはや中絶はできない状態で、
彼女はもう1人の被害者の女性に電話で一言残して自殺したそうだ。
その後、捜査によって主犯格と思われる男が逮捕されたが、
証拠不十分で釈放されることとなった。
この話は、そんな彼の物語である。
ブォォォォォ・・・
時速計のメーターは既に120を超える所だった。
だが、それでもアクセルを踏む足は離れることはない。
「畜生・・・」
彼は21歳の大学生。
端から見ればなんてことはないように見える感じだ。
だが、彼は憔悴しきっていた。
ここ数日、悪夢に悩まされていたのだ。
「何で、俺が・・・」
彼は暴行事件の主犯の男。
証拠不十分で釈放されたその晩から夢は始まった。
「最初についてきたのはあいつらじゃねえか・・・」
被害者の二人の女性をカラオケに誘った所が始まりだった。
皆で盛り上がっていた所で最初の夢は終わった。
次の日。
再び夢を見た。
薬入りのジュースを飲ませ、
服を脱がせる。
女性のうち1人は3人が連れて行った。
残るは1人。
仲間たちと笑みを浮かべたそこで夢は終わった。
この日、彼は仲間達から同じ夢を見た事を聞かされる。
3日目。
『嫌ァァァッ!』
女性の泣き叫ぶ声から始まった。
男達は、代わる代わる女性を犯す。
何度も。
何度も。
この日に、夢の内容に恐怖を覚えた仲間達から相談される。
4日目。
そこは裁判所だった。
自分に無罪の判決が言い渡される。
俯き、黙り込む被害者。
何事かを叫ぶその両親。
それらを尻目に、男は勝利に微笑みすら浮かべていた。
この日彼が聞いた知らせは、仲間の悲報だった。
加害者だった1人が、ノイローゼから飛び降り自殺したのだ。
次の日。
この日もまた仲間の死の知らせを受ける。
やはりノイロ−ゼらしく、首吊り自殺だった。
二人の共通点は彼と同じ女性・・・
つまり、自殺した女性を犯したことだった。
その日の夜、また夢を見た。
暗闇だった。
何も見えない。
が、一箇所だけぼうっと浮き上がってきた。
それは、彼女だった。
姿ははっきりとは見えないが、
周りの空気が冷えていくのが感じ取れた。
『後は、あなただけよ・・・』
夢はそれだけだった。
彼は、全身びっしょりと汗をかき、
最悪の気分で目覚めた。
そのまま車に乗り、高速に入って今に至る。
「畜生っ・・・!」
今日何度目だか分からない台詞を吐く。
時速は140を超えようとしていた。
ふと、バックミラーが気になり覗き込んだ。
そこには、
「・・・・・・!!!」
自分の車の座席に、
血まみれの赤子と思われる塊を抱え、
やはり血まみれの女性が座っていた。
『あなたなの・・・?』
「か・・・は・・・」
男は恐怖のあまり声も満足に出せなかった。
まともに彼女の姿を見て、そこから視線が動かせなかった。
『この子の父親は、あなたなの・・・?』
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
キキキィィィィィィッ
グシャァッ!
車は急ハンドルを切り、中央分離帯に激突。
原型など、とどめてはいなかった。
『クスクスクス・・・』
この事故は、目撃者の証言から、
スピードを出しすぎていた際のハンドルミスということで処理された。
全てを知るものは・・・いない。
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こんなのを書いてみました。
今日、友達からあるページのアドレスを教えられてアクセスしたら、
チェーンメールの内容と思われるものが書き出されたページでした。
そこに書かれていた事は、
女性が集団レイプされ、妊娠し、
それを苦に自殺したという内容でした。
そのメールを受信した人間は3日以内に14人にこのメールを出さないと、
「このこの父親はあなたなの?」
と尋ねる女性が現れ、首をしめられ殺されるという事でした。
もっとも、僕が見たのはHPなので、メールではありませんが。
だけど、正直寒気がしました。
「怖い」
と感じたのです。
もし、僕がこのメールを受けたなら誰かに送っていたかも知れません。
だけど、疑問に思いました。
なぜ、チェーンメールだったのでしょう。
もちろん、悪質な悪戯の可能性は十分あります。
だけど、事実だったのなら、
このような恐怖を伝播させる方法ではなく、
もっと強く訴えかける方法でやって欲しかった。
そんなことを考えた一日でした。