食料給付



「ああ、おなかすいたなぁ…」

彼は河馬雄(仮名)。
容姿もさる事ながら独特の人間性で人気者(?)である。
もっとも、人気者…というより排除のターゲットに好都合だったのかもしれない。
彼は今非常に飢えていた。
世を儚んで樹海に入って3日目。
幻覚すら見えそうな精神状態で未だにさまよっている彼は、
空から何かが飛んでくるのが見えた。



その風貌は異様としか例えようが無かった。
子供でも付けないようなマントにいかにも怪しい服。
なにより、顔がパンのようなものでできていた。
その謎の人物は彼を一瞥すると、さも面倒そうに徐に自分の頭をちぎり、
彼の足元に投げた。
中には黒い餡のようなものが詰まっていた。






「食えよ。飢えてるんだろう?」