さて今回は「AVALON」なんだが…

タイトルを知らない人も多いんじゃないですか?

押井守、甲殻機動隊の監督が監督した映画だな。
ちなみにロケ地はポーランドらしいぞ。

ポーランド…なんだか素敵な感じですね。

…言葉の響きだけでそう思ってるだろ

にゃっ…そんな事ナイデスヨッ

じゃあポーランドってどこにある?

う…
ヨーロッパの辺り…?

んなもん誰でも知っとるわゴルァ!

あうっ…

ポーランドはドイツの隣にある国で、
ナチスドイツの時にユダヤ人の虐殺が行われた場所でもあるな。
素敵か?ユダヤ人虐殺がロマンチックか?

…意地悪ですね。

まあ前置きはそんくらいにして映画の紹介をしないとな。
ポーランドでロケが行われたわけだが、かなりクセのある映画だな。

クセがあるというと…?

全体的に、しかいいようがないな。
まず、始まって20分くらい経っても数えるほどしか台詞が出ない。
というか主人公であるアッシュ以外の人物が出るまでにも時間がかかるしな。

静かな感じの映画なんですか?

そうだな。
でも静かなのは現実パートで、
もう片方のヴァーチャルパートは戦闘がメインだからな。
舞台は近未来で、荒廃した世界に嫌気がさした若者は違法ネットゲーの
『AVALON』にのめり込んでいるんだ。
アッシュはそのAVALONでの有名パーティー『ウィザード』のメンバーだった。

『だった』?

ウィザードは全滅がもとで解散したんだ。
そしてその後メンバーだったマーフィーは『ロスト』した。

『ロスト』というのはゲーム中に脳に影響を受けて、
ゲームから帰ってこれない『未帰還者』になることですね。
現実世界では廃人…重度のゲーマーという意味じゃなくて、
本当の廃人になっちゃんですよね。

そうだな。
それともうひとつ、AVALONには噂があったんだ。
AVALONには通常設定されているクラス…難易度だな。
普通はAまでしかないんだが、幻の『SA』ってのがあって、
そこはリセット不能な代わりに得るものも桁違いだという場所だ。

ロストしたマーフィーもそこにいるんじゃないかって…?

そんな感じだな。
そして最近の『ロスト』に常にある男が関わっていたことが分かる。
それがビショップと言われる謎の男だ。
こいつは最初、アッシュのプレイを真似て、
さらにアッシュ以上のスコアを出して挑発してきたんだ。

この人のデータを調べてもほとんどが不明だったんですよね。

だな。
だけどビショップがアッシュにコンタクトを取ってきて、
さらに再会したウィザードの元メンバーのスタンナも加わり、
幻の『SA』へ向かう事になるんだが…

その先は見てのお楽しみって事ですね♪

そういう事だ。
ちなみに最初からずっとセピア色での映像で、
古いヨーロッパ映画と錯覚するような感覚なんだが、ある時からカラーになる。
それがまたある種の衝撃かもな。

セピア…ですか。
確かに昔の白黒みたいでレトロな感じがしますね。

あと、実写ともアニメともつかない奇妙な映像美なんだ。
普通は見ればどっちかはっきり分かるんだが、
実写なのにアニメのような手法を使ってるのか、そういう感覚に捕われるんだ。
あとは…見てるとなんというか、ズンっと重い感じの映画だな。

言葉で説明しづらい映画ではありますね。
好みはかなり分かれるんじゃ?

だろうな。
ハリウッドみたいにシンプルイズベストじゃないからな。
映画はスパっと明快なのがいい、って人には向かないな。
しかし押井守って言っても日本じゃ「誰?」って言われるみたいだな…

世界的には有名…なはずなんですけどね。

まあ日本人ってアニメ=子供の見る娯楽っていう認識だからな。
ジブリだけは除外するクセにな。

とりあえず見てみることはオススメ、ですか?

うむ。
クセがあるけど、
売れたから出しちゃいましたみたいな電脳世界ネタの第二段や、
お得意の大衆扇動映画よりは断然オススメだな。

○リウッドには辛口ですね…

制作費任せだしな。



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