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−映画− 「夏物語」 監督 脚本 エリック・ロメール(1995)
フランスのヴァカンスというのは、いったいどれほどのアヴァンチュールをうむのでしょう。女とみれば手当たり次第、といってもロメール作品に出てくるダメ男には、しかしなにか気品のようなものがあります。(この作品では、徹底的に優柔不断だからでしょうか)
概要
彼女を追って島にやってきたミュージシャン志望のガスパールは、知的でキュートなマルゴ、セクシーで気の強いソレーヌ、気まぐれで傲慢な元彼女のレナ、対照的な三人の娘に惹かれ、しかし一人にしぼりきれず、右往左往します。一人がダメそうになるとすぐ別口へ「やっぱりきみが好きだ」「やっばりきみに惹かれる」「やっぱりぼくのことを理解してくれているのはきみだけだ」。などと真剣かつ手前勝手なセリフで彼女たちをつなぎとめるものの、結局はニッチもサッチもいかなくなり破綻します。そして彼は「やっぱりおれにとって大切なのは音楽」つぶやきながら島を後にします。胸迫る一夏の輝きに恍惚となって……。
※写真はクライマックスの一場面。潮風が吹き上げる崖、人影のない草むらに座って、ガスパールの心理分析をしはじめる民俗学者の卵「マルゴ」。心理分析なんざどうでもよく、とにかくキスをしたい「ガスパール」。マルゴの健康美、バックの自然のきらめきに、ガスパールの健やかな欲望がつたわって、心がふるえます。(ああ、マルゴにしとけよ。マルゴ最高じゃねぇか)そう思わずにはいられませんでした、余談ですが。
※この作品は、ロメールの「四季シリーズ」の夏編で、冬バージョン「冬物語」と色彩、構成ともにシンメトリックなつくりになっていて、ロメールファンには興味深い。
※「マルゴ」役の「アマンダ・ラングレ」は、「海辺のポーリーヌ」(ロメール監督)でも主役で出演していてイキイキとした演技を披露しています。こちらの方がビデオ屋に置いてあるようです。「海辺のポーリーヌ」もオススメ。
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−小説− 「行き暮れて雪」 著 野坂昭如
概要
焼け跡の浮浪児から一夜にして新潟県副知事の次男となる運命の激変。旧制新潟高校での放蕩無頼の学生生活、神戸への出奔、人妻との恋愛、飯場生活、禅寺での修行。そして悠二はいま、降りしきる雪の中、早稲田の居酒屋で酔いつぶれていた。原稿用紙3000枚弱、猥雑と抒情の季節を描いて、直木賞受賞作品「火垂るの墓」以降の自伝的作品を集大成する力作長編。
※日本の天才作家といえば、安岡でもなく、井伏、梶井でもなく、まず筆頭に野坂昭如がくるのではないでしょうか。天才。デビュー作「エロ事師」で三島由紀夫に絶賛された「日本文学史上類をみない悪文」は、ことごとく実感があり、その怒濤のリズムはジェットコースターにのせられているような快感さえ味わわせてくれます。安岡より小心、野坂先生の描く非行少年は、時に安岡のリアリティさえしのぎます。これは天性の才能なんだろうなぁ。
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−音楽− 「Aquarela Do Brasil」 Toots Thielesmans
& Eris resina
これを聴いていると「夏物語」の草上のシーンが浮かびあがってきます。
※名プロデューサーToots ThielesmansがEris
resinaの哀愁の美声を最大限ひきだした名盤。
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