昼間の天体観測の難しさ  内山茂男
〜 水星太陽面通過反省文? 〜
 
 5月7日(水)、水星太陽面通過。この現象を見るのは久しぶりだし、今までの2回は11月の通過で5月は初めてです。11月と5月では水星の見える大きさが違うので、ちょっと注目していました。それなのに・・・。
 
 天体観測と言うと、通常は夜間ですが、今回の現象は平日の昼間です。ということで、いつもとは違ったデメリットがあることを痛感しました。それは、「観測地をどこにするか?」です。当日は仕事があるので、観測をするとしてもギリギリまでは仕事をしなければなりません。また、私は娘2人の保育園への送迎もしているので、帰りの時刻には迎えに行かなければなりません。必然的に、観測地は勤務先付近か保育園付近、またはその間にしかないのです。でも、道端で望遠鏡を出すのって勇気がいりますよね。
 以前は、職場の屋上をよく使っていました。屋上は視界良好で、通行人もいない最高の場所です。でも、現在の勤務先は5階建てでエレベーターなしですから、屋上に重い観測機材を運び上げるのはとっても大変。車の隣で観測できれば、どれだけ楽なことか。やっぱり、人通りのちょっと少なめの道端しかないかなと思っていました。
 
 さて、当日が近づくと、天気予報が気になります。でも、今回は予報が悪いままで変わりません。当日の予報も最後まで"曇"。インターネットでいろいろ見てもとにかく"曇"。"曇り時々晴れ"なんてまったくありません。ひまわりの映像も雲だらけ。朝の天候もドン曇り。
 相手がとっても明るい太陽ですから、曇っていても"雲の薄いところ"があれば写真だって撮れるものです。幸い、現象の時間は長いのでチャンスはあります。でも、想像して下さい。「曇っているのに道端で望遠鏡を出しているおじさん」を。
 晴れていて、日食のようなわかりやすい現象なられば、望遠鏡を出していても怖いものはありません。でも、この現象は一般の方にわかりにくいかもしれないし、さらに曇っていて見えそうもない状況です。その上、太陽が低くなって望遠鏡が低い方を向くようになると、マンションもあるので新たな誤解を受けそうです。
 
 ということで、どうせ晴れないだろうと判断し、観測機材の準備をまったくせずに出勤してしまいました。ところが、なんということでしょう。水星が太陽面にかかり始めた頃から青空が見え出し、急速に晴れて行きます。まったく予想外の晴天です。ここしばらく見た事がないほどのすんだ青い空です。くやしいので、職場で双眼鏡を見つけ、白い紙に投影し、黒くて丸いシルエットは確認しました。でも、まがたま用の写真は撮れませんでした。
 
 来年の金星太陽面通過の時には、どんな天気予報でも休暇を取っておくぞ、と心に誓ったのでした。