シルバーバーチの交霊会は1920年代から始まり、霊媒モーリス・バーバネルが亡くなる1981年まで、実に50年以上にもわたって行われました。そこで語られたシルバーバーチの霊言は、ぼう大な量に及んでいます。交霊会での通信内容は点字速記によって書き留められ、定期的に“サイキック・ニューズ”紙や“ツー・ワールズ”誌に掲載され、大きな反響を呼びました。その後、シルバーバーチの霊言はハンネン・スワッファー・ホームサークルのメンバーらによって編集され、『シルバーバーチの霊訓』として広く出版されるようになりました。
『シルバーバーチの霊訓』は、数千回にも及ぶ交霊会での霊言の中から、それぞれの編者が掲げたテーマごとに適切なものを選び出し一冊にまとめています。英語版は20冊ほど出版されていますが、そのほとんどが日本語に翻訳されています(*日本では、17冊の原書が翻訳されています)。世界的に見て、これほど多くの『シルバーバーチの霊訓』が揃っているのは非常に稀であり、まさに日本は「シルバーバーチ大国」であると言えます。
日本で出版されている『シルバーバーチの霊訓』を原書の年号順に並べると、次のようになります。
『シルバーバーチの霊訓』の一覧を見ると、ある時期を境に二分されていることが分かります。霊媒モーリス・バーバネルの死亡を機に、それ以前に出版されたものと、それ以降に出版されたものとでは明らかに違っています。バーバネルが生きていた頃に出版された『シルバーバーチの霊訓』は、さまざまな編者によって個々の視点で編集され、一冊一冊に編者の個性が表れています。
一方、バーバネルが亡くなった後に出版されたものは、そのほとんどがトニー・オーツセンの編集となっています。トニー・オーツセンが、ぼう大な霊言の中からまだ世の中に出ていない重要な内容を掘り起こし、編纂しています。トニー・オーツセンの「シルバーバーチの霊訓を余すところなく人々に伝えたい!」という崇高な使命感によって、さらに深い真理の理解を得ることができるようになりました。
日本では、潮文社出版の『シルバーバーチの霊訓』のシリーズがよく知られ、第一巻をスピリチュアリズムの入門書として捉えている方が多くいらっしゃいます。しかし英国では、これは8番目に出版されたものであり、『シルバーバーチの霊訓』として最初に出版されたのは『Teachings of Silver Birch』(*日本語版は『シルバーバーチの教え』)です。
この『Teachings of Silver Birch』は、「広範にわたるシルバーバーチの思想をできるかぎり伝えたい!」という編者(A.W.オースティン)の意図が反映されていて、高次元の霊的知識を幅広く理解することができるようになっています。そのため当サークルでは、これを「スピリチュアリズムの入門書」としてお薦めしています。