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(2)永遠の霊性進化の道

私たちは、人間が永遠的存在として造られ死後も存続すること、そして地上は死後の世界(霊界)への準備をする場所であることを、真理を通して学びました。しかし正直なところ、「人間は永遠的存在である」「地上人生は霊界での生活の準備期間である」という言葉の深い意味を、今日まで実感することなくきたのではないでしょうか。

ここではもう一度、私たちが永遠の存在であること、そして地上人生はその中のほんの一瞬の出来事であることを確認していきます。

1)永遠の個的存在として造られた人間

人間だけが死後も存続する

神は“霊の大海”から一滴を取り出し、ミニチュアの神・分霊とされました。それが私たち人間です。そしていったん個別性を与えられた人間は、その後、永遠に生き続けることになります。

地球上には約200万種もの生命体が存在しますが、その中で人間のように、死後も個性を持ったまま永遠に生き続ける存在は他にはありません。何と驚くべきことでしょうか。無数ともいえる生命体の中で、人間だけに永遠性が与えられているという事実は、宇宙最大の謎であり神秘です。私たちが人間として生まれたということは、神のすべての創造の業の中で、きわめて特別な出来事と言えます。

神はこれからも永遠に、私たち一人一人を自分の子供として愛してくださるのです。それを思うと、言葉に言い表せないほどの感動の思いが湧き上がってきます。

永遠に生き続ける人間

ここで、私たちの想像力を最大限に働かせてみましょう。今地上で生きている私たちは、いつか必ず死を迎えることになります。ある人にとってそれは20年後のことかもしれませんし、別の人にとってはわずか数年後のことかもしれません。大半の地上人は、霊界があることを知らないために“死”を最大の不幸・最大の悲劇と考えます。そして少しでも死を先送りにしたいと必死になっています。しかしどのような人間も、やがて死を迎え霊界入りすることになります。

さて、肝心なのはそこからです。私たちは、霊界でどのくらい生き続けるのでしょうか。100年、200年だけではないことは、スピリチュアリストなら誰でも知っています。1000年、2000年で私たちの魂が消滅するようなこともありません。それどころか1万年後も10万年後も100万年後も、さらには1億年後も私たちは霊界で存在しているのです。そして、その後もずっと生き続けます。“死”という終わりは永遠にやってこないのです。これが――「人間は永遠的存在として創造された」ということの意味なのです。

永遠の霊的進化の法則

ここで重要な点は、人間はただ「永久に生き続ける」というだけでなく、同時に「霊的成長をなしていく」ということです。つまり人間は、進化、進化の果てしない道をどこまでも歩んでいくのです。これが先に述べた――「永遠の霊的進化の法則」です。人間に関する神の第一法則・根源的摂理です。

今、地球の年齢は46億年、宇宙の年齢は137億年と言われていますが、私たち人間は、今後それよりもずっと長く存在することになります。そして遠い将来、地球が滅び、宇宙が収縮・消滅するようなことがあったとしても、いったん「神の子供」として造られた私たちは、永遠に霊的進化の道を歩み続けることになります。そんな悠久の時の流れを考えると頭がくらくらしてきますが、これは紛れもない事実なのです。

「人間は霊的に成長することを目的として、この世に生まれてくるのです。成長また成長と、いつまでたっても成長の連続です。それはこちらへきてからも同じです。」

『シルバーバーチは語る』(スピリチュアリズム普及会)  p.348〜349

2)一瞬の地上人生

ここでは、これから私たちが歩んでいく「永遠の道程(みちのり)」を基準として、今私たちが生きている地上人生を眺めてみることにします。1000万年先、1億年先には、私たちは間違いなく霊界に住んでいますが、その遠い未来から、21世紀の地上人生を振り返ってみましょう。私たちの前には、これまで歩んできた何百万年、何千万年の永い永い霊的進化の足跡が残されています。

さて、ここで再び想像力を大いに働かせてみましょう。私たちの地上人生の100年間を1センチと想定することにします。するとシルバーバーチがこれまで霊界で過ごした3000年間は30センチの地点になります。私たちがこれから歩む1万年の道程は100センチ(1メートル)、100万年は100メートル、1000万年は1000メートル(1キロメートル)、1億年は10キロメートルの地点になります。

私たちの地上人生の100年間を1センチの高さで表すとするなら、1億年後の私たちは、何と10キロメートルの高さエベレストより高い)に至ることになります。これは単なる推測ではなく、「人間が永遠の生命体として造られている」という事実から導き出される確実な結論なのです。

そうした広い視野から眺めると、大半の人々がとかくすべてだと思い込んでいる地上人生は、本当に微々たるものであることを実感します。地上人生は、これほどまでに短い期間なのです。まさに地上人生は、線香花火のごとく一瞬の出来事にすぎません。今私たちは、その一瞬の地上人生の真っ只中にいるのです。

3)再生人生と地上圏霊界

地上人のこれまでの霊的人生の歩みは、どのくらいか?

ところで私たちは、神によって個別の霊的存在として造られてから、どのくらいの期間がたっているのでしょうか。おそらく多くの人々は、現在“再生人生”を歩んでいると思われます。そうなると神の子供として独立してから、かなり長いあいだ霊的進化の道を歩んできたということになります。過去にも地上体験があり、そして霊界での待機期間類魂としての生活)があり、今回の地上人生を迎えたことになるからです。

では「具体的にはどのくらいか?」ということになりますが、結論を言えば、数百年から、長くても数千年ということになります。なかには、自分は何百万年も霊的進化の道を歩んだ高級霊の再生者であると主張する人がいるかもしれませんが、実際にはそうしたことはあり得ません。

なぜなら「地球に誕生した」という事実が、大した霊性進化のレベルには至っていないということを証明しているからです。私たちが最高の高級霊として考えるシルバーバーチでさえ、地上に生まれてからわずか3000年しかたっていないのです。そのシルバーバーチも、地上への数回の再生を経て現在に至っています。そして、やっと地上に再生する必要のないレベルにまでたどり着いたのです。

霊的進化の道程(みちのり)

地上圏霊界は、物質世界での体験が必要な霊性レベル

地上に再生するということは、地球という物質的世界での体験が必要な霊性レベルにあることを示しています。それは同時に、私たちが霊的進化の道の全くの初心者であることを意味しています。肉体という物質をまとって地球人として生まれたということは――「物質次元の霊的レベルをいまだに卒業していない」ということなのです。

イエスのように高級天使が受肉した場合、地上の使命を終えると直ちに地上圏霊界を素通りして、高い霊界へと至ることになります。その後、地上へ再生することはありません。これは万が一にも存在しない、きわめて特殊なケースなのです。イエスの特別な使命ゆえに実現したことなのです。

一方、地球以外の天体には、すでに何十万年、何百万年、何千万年もの霊的進化の歩みを果たした人間が存在しています。こうした地球人とは比較にならないほど進化した人間が、あえて地球という低い物質界に再生することはありません。また、誰もが自らの責任において霊的成長を成し遂げなければならない以上自己責任の法則)、他の天体の住人がわざわざ地球に出向いて働きかけるようなこともありません。

地球の救いは、少なくとも地球上に生を享(う)けたことのある霊たちによって進められなければならないのです。地球に関わる霊たちが一丸となって取り組むというのが「神の摂理」に一致したあり方なのです。宇宙には私たちが知っている宇宙の他に、まだ知られていない未知の宇宙が存在します。そうした宇宙については、今後の科学が明らかにしていくでしょう。)

地上圏霊界は、霊的進化の初歩的段階

私たちの「霊性」は地上圏レベルにあります。地球という物質世界の体験を通じて、霊的成長の基礎をつくる初歩的段階を歩んでいます。霊界では私たちは「類魂」の中に入りますが、その類魂も地上圏霊界に所属します。類魂は地上圏霊界を通過するための共同成長のシステムなのです。無事に地上圏霊界を卒業すると、類魂を通じての共同体験も再生も不要となり、類魂から抜け出すことになります。

人間とは異なり、物質世界での体験を全く必要とせずに霊的進化の道を歩む生命体がいます。それが霊界にいる“天使”です。人間が進化の歩みを物質界からスタートするのに対し、天使は霊界で生まれ、霊界で成長のプロセスを歩みます。宇宙が造られた137億年以前から、霊界にはすでに多くの天使が存在し、進化の道をたどっていました。

天使も神の法則の支配のもとで、低いレベルから高いレベルへと進化していきます。その中にはとてつもなく高いレベルにまで進化した者もいました。イエスもこうした天使の一人だったのです。

再生人生の真っ只中にある私たち地球人は、死後しばらくの間「類魂」としての共通体験・共同体験を通じて地上圏霊界をたどっていきます。その地上圏霊界を卒業する期間は、シルバーバーチやインペレーターの経歴から推測すると、長くても数千年ということになります。

その数千年は、先ほど示した図に照らしてみるなら、地上世界からわずか数十センチ程度の領域ということになります。このように考えると、地球人類は霊的人生のほんの一歩、ごく初歩の段階を踏み出したにすぎないことが理解できます。

永遠に霊的進化の道をたどる

4)下から2番目の霊性レベルの地球とスピリチュアリズム

こうしたことを考えると、シルバーバーチの――「地球はすべての惑星の中で、下から2番目の進化のレベルにある惑星です」という言葉が、実感をともなって迫ってきます。何百メートル、何キロメートルの高度で生活する他の惑星の住人から見れば、たかだか数センチ、数十センチの所でひしめき合っている地球は、いかに低い天体であるかということです。超高級霊であるシルバーバーチでさえ、わずか30センチの所にいる霊なのです。

こうした霊性レベルの低い地球における最大の出来事が“スピリチュアリズム”なのです。スピリチュアリズムは、地球に関係する霊たちが総力を挙げて、その環境を霊的進化をなすにふさわしいものへつくり替えようとするプロジェクトなのです。何百メートル、何キロメートルの高さにいる他の惑星の住人のことを考えると、私たちの地球で行われている大プロジェクトもかすんで見えます。しかし私たち地球の住人にとっては、スピリチュアリズムによる霊的浄化は、どうしてもクリアしなければならない必須条件なのです。地球に生まれたことのあるすべての霊たちが、これからの地球人のために全力を挙げて取り組んでいる救済活動なのです。

それは21世紀の地球にとって、最も重要な出来事であることは言うまでもありません。今霊界では、こうした歴史的なプロジェクトが着々と進められ、それによって地球は確実に霊的進化の道を歩んでいるのです。

5)ほんの一瞬だけれど、大切な地上人生

現在、地球上に生活する私たちは、霊性進化のプロセスの第一歩を踏み出したところです。今後しばらくは「類魂」としての共同成長の歩みを通じて、地上圏霊界を少しずつ上昇していきます。どのくらいで地上圏霊界を卒業することができるのかは、今後の一人一人の努力にかかっています。何回か再生人生を歩んでも霊的成長のチャンスを活かすことができなければ、いつまでも地上圏に留まることになります。わざわざ遠回りをして(カルマをつくり)、霊的成長の道を自ら閉ざしてしまうこともあります。何千年もの長い間“地縛霊”として霊的成長をストップさせたままの霊もいます。

地上人生は、霊界での生活の準備をする期間であり、地球は魂のトレーニングセンターです。人間にとって必要な霊的成長の基礎を築く所として、神が地球という環境を造られたのです。残念なことにそれほど大切な地上生活を、あまりにも多くの人々が無駄に過ごしています。その最大の原因は、霊的知識に対する無知にあります。霊的知識がないために、死ねばすべてが終わりだと錯覚し、生きている間にできるだけ物質的快楽を求めなければ損だと考えるようになるのです。そうした「物質中心主義」が必然的に「利己主義」を生み出し、その結果、地球上に戦争や貧困・飢餓といった地獄さながらの状況を現出させることになっています。

「何のために地球上に生まれたのか?」――その答えは簡単です。霊的成長を達成して、霊界での生活に備えるためです。シルバーバーチは次のように述べています――「人生の究極の目的は、地上も死後も、霊性を開発することにあります。物質界に誕生してくるのもそのためです」『シルバーバーチの霊訓 霊的新時代の到来』(スピリチュアリズム普及会)  p.113)。しかし、この単純でありながら最も重大なことを、現在の大半の地上人は知らずにいます。霊界に入ってゼロからやり直さなければならないような人間があまりにも多すぎて、それが霊界の人々に甚大な負担を負わせてきました。

そこで霊界の高級霊たちが協議して、地上に「霊的真理」をもたらし、地上人を救済する計画を立案したのです。言うまでもなくそれが“スピリチュアリズム”です。私たちスピリチュアリストは、その救済計画の恩恵を真っ先に手にした最も幸運な地球人なのです。

「それが地上での存在の理由のすべてなのです。なのに現実は、大多数の人間が身につけるべきものをロクに身につけようともせずに地上を素通りしております。ですから、イザこちらの世界へきた時は何の備えもできていないか、さもなければ、一から学び直さなければならないほど誤った思想・信仰によってぎゅうぎゅう詰めになっております。本来そうしたものは地上の方が遥かに学びやすく、その方が自然なのです。」

『シルバーバーチの霊訓(1)』(潮文社)  p.162

6)未来の地球と地球人

今後、地球と地球人は、何千年、何万年、何十万年と歩んでいく中で少しずつ霊的進化の道をたどっていきます。そうした永い時間の観点からすれば、今地球上で生じている問題は、いずれ消滅していくものばかりなのです。戦争・貧困・飢餓・テロ・環境問題・人種差別・核問題・経済問題――そのどれもが時間とともに解決されていきます。

しかし肉体に閉じ込められ、肉体生命だけがすべてと思い込んでいる人々においては、数年から数十年のスパンでしか物事を判断することができません。そして「たいへんなことになった、世も終わりだ」と右往左往しうろたえることになります。たかだか数十年の肉体の寿命を基準とした視野には、現在の地球は絶望的状況としか映りません。地球の将来、地球人の未来は、果してどのようになっていくのかと不安に駆られるようになります。

実際には何百年か後には、今私たちを悩ませ不安に陥れている地球上の諸問題は、見事なまでに消え去っていることでしょう。シルバーバーチは「何も心配はいりません」と繰り返し述べていますが、その通りになっていくのです。とは言っても将来の地球上には、問題や悩み事がいっさいなくなるということではありません。現在、地球人を悩ませている無用の問題に代わって、別の問題が生じることになります。物質界ならではの問題や困難が必ず生じ、それに全力で取り組む中で霊的成長を達成していくのが地上人の宿命なのです。どれほど霊的に進化しても物質界にいる以上、さまざまな問題に直面することは避けられません。

ただ、はっきり言えることは、未来の地球においては今よりもっと高次元の内面的な問題が大半の人々の課題となるということです。たとえ何百年、何千年たっても、地球人類に要求される努力内容は変わりません。それは、これまでスピリチュアリズムで提示されてきた「霊主肉従の闘い」と「利他愛の実践」に集約されます。

それほど遠くない将来において、現在地球上に存在する大半の宗教は姿を消し、スピリチュアリズムという「神」と「神の摂理」を信仰対象とする宗教だけになっていきます。霊界には一つの宗教しかないように、「霊的真理」にそった一つの信仰形態が地上人の常識となるのです。

私たちは地上世界に住み、肉体を持っているために、どうしても物質(肉体)を中心として考えてしまいます。しかし「霊的真理」という永遠の視野を与えられた私たちスピリチュアリストは、物質世界にあってもそれに巻き込まれることなく、常に「霊的視野」に立った考え方・見方をしなければなりません。物質世界の政治や経済の動きに惑わされることなく、常に霊界人と同じ視点に立って、地球上の動きを超然と眺め下ろしていかなければなりません。今、与えられている地球上の生活を、霊界まで続く永遠の流れの中の一コマとして大切に過ごしていきたいものです。

7)霊的成長のための日常生活(霊的人生)とは

スピリチュアリズムは、神の摂理に対するシンプルな信仰

スピリチュアリズムは、「神」と「神の摂理」に対する信仰です。それは言い換えるならば、自分を摂理に合わせ正そうとする、実にシンプルな信仰であるということです。神に救いを求めたり個人的な願い事をするのではなく、自らを神の摂理に一致させ、自分自身の魂を救おうとする信仰なのです。

私たちは、将来に対して心配したり、不安を持つ必要はありません。なぜなら神の摂理に一致してさえいれば、何ひとつ悪いことは生じないからです。「自分が今、摂理と一致しているかどうか」――それだけが問題なのです。私たちは常に、その点に意識を向けているだけでよいのです。スピリチュアリズムは、神の摂理を絶対的に信仰することによって、心に平安と幸福をもたらす信仰なのです。

日常生活で何をすべきか

これまで人間の霊的成長を支配する、さまざまな「神の摂理(法則)」について見てきました。私たちが霊的成長をなすためには――「摂理と一致した生き方をすればよい」というのがその結論です。摂理に忠実な生き方、それが“スピリチュアリズム”という信仰の努力に他なりません。

私たちが摂理に忠実な生き方をするために常に意識すべきことは、「霊主肉従の努力」と「利他愛の実践」です。そして日常生活の中で生じてくる「さまざまな困難やトラブルを、広い霊的視野に立って甘受する」ということです。日常的に何をすべきかは、この3点に集約されます。この3つのことを心がけ努力することによって、私たちは神の摂理に一致した歩みができるようになります。そしてそれこそが地球人として最高の生き方であり、最も価値ある霊的人生(スピリチュアリズム人生)なのです。