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“マヤ暦終末騒動”のてん末

No.4/2013年1月25日

昨年の12月、「人類が滅亡する」「地球が滅びる」といううわさが、世界中を駆けめぐりました。この「終末説」は、数年前からニューエイジャーを中心に広まっていったものですが、パニック映画『2012』2009年に製作)の公開やインターネットなどの口コミによって、ニューエイジャーだけでなく、世界中の人々の恐怖心を煽ることになりました。

「2012年12月21日に世界が終末を迎える」という予言は、古代マヤ文明の暦を根拠としています。マヤ文明は紀元300年から900年頃、ユカタン半島で栄え16世紀頃に滅んだとされるマヤ人の文明です。高度な天体観測の技術があり、現在世界で使われているグレゴリオ暦よりも正確な暦を持っていたと言われています。マヤ暦には周期があり、その周期を計算すると2012年12月21日が“新しい時代”に切り替わる節目の日に当たる、とマヤ暦の研究者たちは考えてきました。これを一部のニューエイジャーが“地球規模の大災害が起きる”とか“人類が滅亡する”と解釈したのです。さらに、十数年前からニューエイジャーの間で信奉されている“2012年、アセンション(次元上昇)によって地球が大変革する”という予言が今回の「人類滅亡説」に拍車をかけることになりました。

日本でも早くからこの話題がとりざたされていましたが、大半の日本人は冷静な対応で特別な騒ぎになることはありませんでした。しかし世界では、サバイバルキットが販売されたり、何とかして難を逃れたいと考えた人々が信じられないような行動をとることになりました。例えばフランスでは、宇宙船が山頂に現れて人々を救ってくれるといううわさを聞いて、多くの人々が山麓の村に押し寄せたり、トルコ西部の人口600人の村には、ポジティブなエネルギーが満ちているということで6万人ものニューエイジャーたちが訪れたそうです。

NASA(米航空宇宙局)には数年前から問い合わせのメールが何千通も届いたため、地球は安全であることを示す動画が配信されました。またアメリカ政府は、「人類滅亡はただのうわさにすぎない」という異例のメッセージを公式ブログ(UAS.gov.)に掲載したというのですから、この話を深刻にとらえていた人がたくさんいたことが伺えます。

ロシアの一部の地域では、食料品やマッチなどを買い求める人が殺到したり、中国の河南省では人類滅亡を信じて錯乱した男性が小学校で包丁を振り回し、児童ら20人以上を負傷させる事件も起きました。中国政府が、マヤ暦に基づく終末論を利用して信者を増やしたとしてキリスト教系の宗教組織「全能神」のメンバーを多数拘束した、というニュースも流れてきました。

「人類滅亡の日」と言うと、ノストラダムスの大予言を思い浮かべる方も多いことと思います。1970年代、日本の若者たちの多くが「ノストラダムスの大予言」を真剣に信じ、社会現象にもなりました。しかし予言の期日である1999年7月になっても何も起こらず、こじつけの解釈にすぎなかったことが明らかになりました。

今回のマヤ暦騒動も結局、平穏な1日が過ぎただけに終わりました。終末説は今に始まったものではなく、いつの時代にも登場し、その都度、訂正されてきました。古代人の残した書物や聖書、天体の動きなどから“世の終わり”が予言され、そのたびに人々は翻弄されてきたのです。

マヤ暦以外でも、ニューエイジャーやオカルト論者を中心にさまざまな終末説が予言されています。それらの多くはチャネリング(霊界通信)に端を発するものですが、興味本位に未来を詮索することで、低級霊の恰好の餌食となっています。人々の低俗な好奇心は、起こりもしない終末説をでっち上げ、混乱を招くことになります。さらには、インターネットの普及によって「うわさ」は瞬く間に世界中に拡散し、今回のような世界規模の騒動を引き起こすことになるのです。

スピリチュアリズムの観点から言えば、人類滅亡説や終末説は、すべて間違っています。人類は滅亡するどころか、霊界からの働きかけによって今後さらなる霊性進化の道を歩んでいくことが、高級霊界通信によって明らかにされています。天変地異による世の終わりやクリスチャンが最終的な希望としている「キリスト(救世主)の再臨」も決して起こりません。ニューエイジャーが期待している「アセンション(次元上昇)」も、特定の年に誰にでもわかるような形で起こされるものではありません。

「終末説」の本当の意味は、スピリチュアリズムによる霊的真理の普及によって、これまでの古い宗教や思想が滅び、新しい霊的文明が到来するようになる、ということです。モノやお金を真っ先に求め、利己主義に支配されてきた人々の価値観が、霊的真理を中心としたものに大きく転換していく、ということなのです。「キリストの再臨」は、イエスを中心とする高級霊団が地球人類救済のためにスピリチュアリズム運動を通して働きかけていることを指しており、アセンションによる“新時代の到来”も、スピリチュアリズムによってすでに始まっているのです。今後人類は、何百年、何千年という長い期間をかけ、絶え間ない霊界からの働きかけによって、徐々に霊的向上を達成していくことになるのです。

終末説とマヤ暦とは関係がないことを訴えていた専門家たちは、マヤの記念すべき日が根拠のない人類滅亡説によって台無しになってしまったことを嘆いています。人類が滅亡しなかった翌日、インターネットには期待(?)を裏切られたことへの不満の声が寄せられ、早くも「マヤ暦の計算が違っていて、本当は2015年だった」という記事がアップされています。

好奇心に駆られた人々は、この先も「人類滅亡説」を追い求めていくことでしょう。程度の悪いフィクションが大手を振るうような状況は、これからも繰り返されるということです。うわさ話に翻弄されて自分の人生を滅亡させることにならないように、一刻も早く霊的真実に目を向け、真に価値あるもののために歩み始めることを願っています。