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著名な脳神経外科医が語った自らの「臨死体験」

――“死後の世界は存在する”

No.8/2014年2月2日

大半の科学者は、「臨死体験」を否定

病気や事故などで生死の境をさまよったり、いったんは死と判定されたにもかかわらず生還した人々が語る不思議な体験――「臨死体験」について、皆さんもしばしば耳にしたことがあると思います。臨死体験(Near Death Experience)に関しては、古来、世界各地で数えきれないほどの事例が報告されていますが、本格的な研究がなされるようになったのは、つい最近のことです。1970年代に医師のエリザベス・キューブラロスや心理学者で医師のレイモンド・ムーディが臨死体験者からの聞き取り調査をまとめ、それを発表したことで世界中から注目を集めるようになりました。日本でも1994年に立花隆氏が『臨死体験』と題する書籍を出版し、それをきっかけとして「臨死体験」という言葉が一般的に知られるようになりました。

最新の統計では、臨死体験をしたことがある人は、全世界で6000万人にも及ぶと言われています。しかし、常識では考えられないこの体験について、多くの人々は懐疑的な思いを持っています。特に唯物論に立脚する科学者や医師の大半は、「脳が生み出す空想の産物」「脳内物質による幻覚」と主張し、臨死体験を否定しています。

唯物主義の脳神経外科医が臨死現象を体験

そうした現状の中で、2012年10月に世界のトップレベルの医師エベン・アレグザンダー氏が、自らの臨死体験を綴った書籍を出版しました。科学者として第一線で活躍してきた医師が、医学の常識に反する「臨死体験」を現実の体験として公表し、自分が訪れたのは「死後の世界」であると主張したことで、世界中に大きな反響を巻き起こしました。彼の著書は全米で200万部を超えるベストセラーとなり、昨年の10月には日本でも『プルーフ・オブ・ヘブン』というタイトルで邦訳・出版されました(早川書房より)。さらに11月28日には、フジテレビの『奇跡体験!アンビリバボー』でも取り上げられ、話題を集めています。

アレグザンダー氏は、29年間、脳神経外科・神経内科に携わり、アメリカの名門ハーバード・メディカル・スクールで准教授を務めた超一流の脳神経外科医です。これまで200本の論文を執筆し、研究者としても世界中にその名が知れ渡っていました。

彼は長年、医師として働く中で、いったん心臓停止を起こした患者から、「見たこともない美しい場所へ行ってきた」とか「亡くなった親族と会話をした」など、さまざまな不思議な体験を聞かされてきました。しかし、そうした臨死体験や死後の世界について、彼は幻想だと決めつけ、まったく信じてきませんでした。アレグザンダー医師は、著書の中で「私は親切だが疑り深い、骨の髄まで医師の典型というべき人間だった」と自らを振り返っています。科学で証明できるものは受け入れるが、そうでないものは信じないという典型的な唯物主義の医師だった彼が、2008年11月に突然、重度の細菌性髄膜炎を発症し、7日間の昏睡状態に陥りました。そしてその間、彼自身が、これまで決して信じることがなかった「臨死体験」をしたのです。

細菌性髄膜炎とは、脳や髄膜に細菌が感染し、脳が破壊されていくという恐ろしい病気です。成人では1000万人に1人というきわめて稀な病気で、致死率は90%にも達します。昏睡状態が1週間を超えた場合は、回復の見込みがないとされ治療が打ち切られますが、アレグザンダー医師は7日目に奇跡的に覚醒し、まったく後遺症もなく回復しました。これは世界でも初めてのケースです。

これまでの通説「脳内発生説」を否定した画期的な見解

彼は退院後、入院中のスキャン画像や臨床検査や神経学的検査の所見など、すべてのデータを詳細に調べました。すると、昏睡状態にあった7日間、彼の脳機能は完全に停止していたことが判明しました。専門家たちは臨死体験を「死の直前に大量に分泌されるエンドルフィンの働きによる幻覚である」とか「睡眠時に見る夢と同じようなもの」などと考え、脳内現象として説明しようとします。

しかしアレグザンダー医師は、徹底した検証の結果、「自分が体験したのは、理論上ほぼ完璧なかたちでの臨死体験であり、おそらく類例の中でも最も説得力を持つものである」とし、「それ(臨死体験)を幻想だと片づけることが、医学的観点から見て絶対的に不可能である」と結論づけました。脳神経学の専門家である彼が、これまでの科学的な解釈を全面的に否定することになったのです。

さらに、彼に「死後の世界」を確信するに至らせたもう一つの出来事がありました。多くの臨死体験者は、死の淵で親族や友人に出会ったと語っています。しかし彼は、そうした身近な人ではなく見知らぬ女性と出会い、彼女の言葉によって心から慰められたことが最後まで心にひっかかっていました。退院して4か月後、その女性がすでに他界している実の妹であることを知ったのです。彼は、生まれてすぐに現在の父親に引き取られ、実の妹とは一度も会ったことがありませんでした。自分の記憶に存在しない死者と出会うことができる世界――それは「死後の世界」しかないとアレグザンダー医師は確信したのです。

従来の臨死研究が体験談を集め、それらに医学的解釈を加えるという程度のものであったのに対して、彼の臨死体験についての検証は、画期的なものと言えます。脳神経外科医ならではの科学的観点による分析と、脳科学分野の最新研究の知識から導かれた結論は、これまでの「脳内発生説」を完全に打ち砕くことになりました。アレグザンダー医師は、「臨死体験は、脳の物理的な働きから切り離された体験である」という新たな見解をもたらしたのです。さらに彼は、強烈な説得力を持った死者(実の妹)との出会いによって、死後の世界があること、人間は死んでも生き続けることを確信し、それを堂々と公言したのです。

スピリチュアリズムではすでに常識となっている「臨死体験」

今回のアレグザンダー医師の報告は、臨死現象の研究において歴史的なものと言えます。しかしスピリチュアリズムの観点から見たとき、「臨死体験」や「死後の世界」の存在は、すでに100年以上前に立証されていることであり、もはや論ずるに足りない問題です。多くの唯物論者が今回のアレグザンダー医師の発言に衝撃を受けたことと思いますが、彼はスピリチュアリズムの常識を再確認したにすぎません。スピリチュアリズムはすでに「霊魂説の証明」の段階をすぎ、地上と霊界を貫く霊的真理を学びそれを実践するという、次の段階へと歩みを進めていることを考えると、臨死体験の研究自体が時代遅れのものなのです。

アレグザンダー医師の一連の体験は、スピリチュアリズムの初期に霊界の働きかけによって物理的心霊現象が頻繁に演出され、それを一流の科学者に検証させたことと同じ状況と言えます。19世紀の後半、霊界は地上人に「霊魂説」を認めさせ、「死後の世界」への関心を促すために、当時の第一線の科学者で、しかも徹底した懐疑論者であったクルックス博士を選び、博士の目の前で数多くの心霊現象を引き起こしました。博士は、それらの現象を徹底的に調査・研究し、ついに自らの考えを根本から変えることになったのです。

クルックス博士が心霊現象を肯定したとき、博士は世界中の科学者から激しい非難を浴びました。しかし博士の厳格を極めた研究に対して、現在まで正面きって異を唱える人間は存在しません。

私たちは、アレグザンダー医師も、霊界からの計画的な導きによって臨死体験をし、後遺症もなく異例の生還を果たしたのだと考えています。彼が導き出した結論は、唯物主義によって身動きが取れなくなっている科学者たちの魂を揺さぶり、真実に目を向けさせるための大きな一歩になるものです。

アレグザンダー医師は、今後の活動について「脳や肉体の死が命の終わりを意味しないことを知る幸運に恵まれたことで、肉体とこの世界を超えて見てきたものを伝えなくてはならない、それが自分の責務であると考えている」と著書に記しています。

クルックス博士は科学者としての葛藤を乗り越え、世間の誹謗中傷に負けることなく、「霊魂説」を証明するという使命を全うしました。私たちは、アレグザンダー医師もクルックス博士と同じように、事実をありのままに伝えていく真の科学者としての姿勢を貫いてほしいと願っています。

シルバーバーチが明らかにした「臨死体験」についての真実

アレグザンダー医師を含めてほとんどの人々は、「臨死体験」は特別な人だけがするものであると思っていますが、スピリチュアリズムが明らかにした霊的事実によれば、ごく日常的な体験と言えます。シルバーバーチは、ほとんどすべての人が毎晩のように「幽体離脱(臨死体験)」をして死後の世界を訪れ、朝になって目が覚めるときに肉体に戻ってくる、と語っています。アレグザンダー医師の体験とそれに関する検証は、こうした霊的事実のごく一部分を扱ったにすぎないことが分かります。

これは、臨死研究の第一人者と言われるレイモンド・ムーディにも当てはまります。彼もまた、臨死体験を特別な人間によるものとしていますが、そうではありません。また、瀕死の状態に陥らなくてもあの世を垣間見ることができるようにしたいという目的で、“ヘミシンク”という人為的な方法を考案したのがロバート・A・モンローです。アレグザンダー医師もこのヘミシンクを勧めていますが、それは間違っています。ヘミシンクという方法をとらなくても、すべての人間が毎晩のように臨死体験をしているのです。こうした驚くような霊的事実を、シルバーバーチは明らかにしています。