あやちゃんのつぶやき・2

 

あたし、あやちゃん。

きょうはね、なんだか はやくに めが さめちゃったの。

かーちゃんが、ぶよぶよの うでを あたしの むねの うえに おいてたから

きっと くるしかったのね。

よる、よく うなされて めが さめるわ。

たまに あしまで のっけてくるから たいへんなの。

あたしは かーちゃんの だきまくらじゃ ないのよ。

となりを みたら、にいちゃん、たたみの うえに あたま はみだして ねてたの。

にいちゃん、おなか だしてたから、もうふ かけてやったわ。ついでに かーちゃんにも。

それでね、3ちゃんねるで おじゃるまる やってるかしらって おもって おきることに したの。

にいちゃんが おきてくると げーむ はじめちゃって てれび みれなくなっちゃうから

ちゃんと ふすまを しめて、ちいさな おとで てれびを つけたわ。

でも おじゃるは やってなかったのよ。

おねえさんが いっしょうけんめい おどりを おどってたの。

あたしは (ほいくえんの あさのたいそうに にてる)って おもって じぃーって みちゃった。

おどりが おわったら きゅうに おえかきが したくなって おじゃるまるを かくことにしたの。

そうそう、ちゃんと ちゃんねるを かえることも わすれないわ。そうしないと、かーちゃんに

「あやちゃん、なに こんなの みてんの?」

なんて でりかしーの ないこと いわれちゃうから、ちゃんと わいどしょーに かえておいたの。

かーちゃんは げいのうと ほしうらないと てんきよほうしか しんけんに みないみたいだけど。

 

かーちゃんが おきてきて あさの ごあいさつを したの。

あたしは おなか すいたから れいぞうこを のぞいて ちーずを たべようと おもったの。

でも だまって たべると、きっと かーちゃん じろって にらんで

「なに たべてるの」

って、みれば わかるのに、こわい かおで きくに きまってるから、ちゃんと きいたわ。

でも かーちゃんは、ごはん ちゃんと たべないと だめって いうの。

あたしは なんとかして ちーずを たべたくて、あわてちゃったわ。

「だってさーあ、せんせいがさ、ちーず たべても いいですかって きいたら、いいですよって

 いわなきゃいけないです って、いってたもん」

あたしは ひっしだったの。

じぶんでも なに いってんのか、とちゅうから わかんなくなりそうだったわ。

でも いっちゃったから もう あとには ひけなかったのよ。

かーちゃんたら はなで わらって そんなこと いうわけないじゃん なんていってたわ。

ふんって はなで わらうのよ。あたしは ちょっと むっと しちゃったわ。

ちょっと ねばって みたけど、かーちゃん しぶといから あきらめて また おえかき したわ。

そしたら、にいちゃんが ほっぺたに たたみの あとを つけて おきてきて、

あさごはんが できたから、いつものように のんびり たべてたらね、かーちゃんたら

「あやちゃん!ちゃんと おくばで かまないとっ!」

って、おこるのよ。いっつも おこるの。

だって しょうがないじゃない。かむの、わすれちゃうんだもの。

ていうか、めんどくさいのよね。かむの。

にいちゃんが がっこうに いく じかんに なったけど、にいちゃんも たべるの おそいから、

あわてて くちの なかに つめこんで きょうも かーちゃんに せかされてるわ。

「しょーちゃん、はやく たべて。かたづけて。きがえて。なふだ つけて。はんかち もって。

 はー みがいた? じかんわり しらべたの? ぼうし かぶって。はい。いってらっしゃい」

にーちゃんを かーちゃんと ふたりで みおくってから、

なんとか ごはんを たべれたから、かーちゃんに いわれる まえに かたづけちゃったわ。

それで、れいぞうこを あけて ちーずを とって かーちゃんに

「ちーず たべても い〜い〜?」

って きいたの。かーちゃんは(やっぱり くうんかい)って かおを してたけど

「はやく たべないと じかん ないからね」

なんて 言ってるわ。

でも あたしは わかってるの。

かーちゃん、まだ おけしょう してないから ほんとは まだ じかん あるってこと。

 

 

ばっく