Greeting 2
 「入江くん、おかえりなさいっ。」
 琴子は嬉しそうに玄関に向かって走っていった。
 「ただいま。―――それより、琴子。出かける用意は出来てるか?」
 早速帰ってくるなりそういう直樹に、琴子は嬉しそうに返事をする。
 「うんv でも、入江くん、すぐ出かけるの?」
 「あぁ。ちょっと着替えてくる。」
 そう言って、直樹は2階へと上がっていく。

 「あら?琴子ちゃん、お兄ちゃん帰ってきたんじゃないの?」
 リビングルームに行くと、入江ママがお茶を入れているところだった。
 「はい。ちょっと着替えてくるって。」
 「まぁ、そうなの?琴子ちゃんもお茶いれましょうか?」
 「いや、すぐ出かけるから。」
 入江ママの言葉に返事をしたのは直樹だった。
 直樹は仕事に着て行ってたスーツをぬいで、ラフな服に着替えていた。
 「ほら、琴子。行くぞ。」
 直樹は琴子の手をとって玄関に促した。
 「じゃぁ、お義母さん、行ってきます。」
 「えぇ、いってらっしゃい。」
 そうして入江ママに見送られて、二人は出かけたのである。


 「入江くん、どこ行くの?」
 直樹は行き先も告げず、駅の方に向かっていた。
 「・・・そういえば、お前昼飯は?」
 「まだだけど?」
 「じゃぁ、まず腹ごしらえだな・・・。」
 そういって駅前の喫茶店に入った。
 直樹は周りを見渡して、窓際の席に座った。
 「ほら、来いよ。」
 そう言って顎をしゃくる。
 「う、うん。」
 そういって向かい合わせに座り、昼ごはんを注文した。


 「ねぇ、入江くん、どこ行くの?」
 昼ごはんをすませ、琴子はもう一度直樹に問いかけた。
 「―――お前、今日が何の日か覚えているか?」
 直樹は返事をせず、逆に問いかけた。
 「え?」
 「今日が何の日か?それが答えだよ。」
 そういって意地悪く笑う。
 「え?今日が何の日か?? えっと、婚約した日!!でもないし、誕生日でもないでしょ。それから、結婚記念日でもないし・・・。」
 「・・・・・・・。」
 一生懸命考える琴子に直樹は少々呆れ顔だった。
 「・・・・夕暮れまでには思い出せよ?」
 そういうと、イタズラっぽく片目を閉じた。

 
LUM
2003年10月25日(土) 16時17分10秒 公開
■この作品の著作権はLUMさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
懲りずに2話目をUPしました。
予定では3話で完のはずなんですが・・・。

この作品の感想をお寄せください。
うわぁ なんの日なのかマジで気になります! 何の日?? アキ ■2003-10-25 18:38:50 ZD152171.ppp.dion.ne.jp
一体何の日なのー入江君!!ものすごく気になります(><) チビスケ ■2003-10-25 18:33:05 tonami217.hokuriku.ne.jp
お名前(必須) E-Mail(任意)
メッセージ


<<戻る
感想記事削除PASSWORD
PASSWORD 編集 削除