入江家を出る・・・2(直樹)
テニス部のテストでの琴子はボロボロだった。

今日は、面白かったな。

あいつなにさせてもできないんだろうな。

料理もできない、勉強もできない、運動もできない。

(たまにテニス部に行こう)

直樹が歯を磨き終わるころ

(もっと楽しませて・・・)

「お兄ちゃん お兄ちゃん」

弟の祐樹がドタドタと近寄ってきた。

「なんだよまだ寝てねーの」

(珍しいな・・・)

「琴子がでてくって

(えっ?)

おじさんも家に戻るってやったねお兄ちゃん

あいつったらお兄ちゃんや僕に迷惑ばかりかけてさっ

これで頭が悪い菌まき散らされなくってすむね あっ」

(・・・・・)

琴子はすごい形相で祐樹を見たのに祐樹は気づいた

「・・・・・・」

「おやすみなさーい」

祐樹は部屋に戻った。

直樹は壁寄り掛かり・・・琴子を見た

(なんだこの気持ち・・・?

こいつが家を出るって?)

「出てくの」

「・・・・・・うん家できたから」

「さみしい?」

「やっともとの生活に戻れるってかんじだね」

(もとの生活に戻れるんだ・・・本当になんだこの気持ち?)

「そ・・・か・・・」

「あ・・・あっあたしそろそろ荷作りしなきゃおやすみ」

琴子は部屋に入った。

(琴子は、この家を出るだけだ・・・

家ではオレのペースになるだけだ)


リビングにいる家族全員に琴子は別れのあいさつをした。最後に

「・・・・・・入江くん今までいろいろ迷惑かけてごめんなさい」

「さようなら」

(大学で会いたくなくても会いにくるだろ)

「・・・・・・」

琴子は、トラックに乗り込み。

直樹の母はトラックを泣き叫びながら追いかけた。

「琴子ちゃあん」

祐樹は喜び

「やったーこれでぼくの部屋に戻れる」

さめざめしている直樹の母に直樹の父が宥めていた。

「これ祐樹」

直樹は母に

「ねぇメシまだ」

母は直樹をキッと睨み

「お兄ちゃん

お兄ちゃんのせいですからね

あたしはうらみますからね」

「おちついておちついておまえ」

(なんでオレのせいなんだよ。

家ができたからだろ

ったっく!)

祐樹が玄関を開けながら

「お兄ちゃん僕の荷物はこぶねー」

シーンとした空気

「・・・」

(なんだこの気持ち・・・琴子が家を出るって言った時からだ・・・)

「さみしいね」

ぽつりと祐樹がもらした。

「はっ?!」

思わず直樹が反応してしまった。

祐樹は首を横に振りながら。

「なんでもない琴子が出て騒がしくなくなって本当よかったよ!」

祐樹は階段を駆け上がって行った。

(これがさみしい・・・気持ちなのか・・・)
いくみ
2007年05月03日(木) 21時55分08秒 公開
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続く・・・と思われます。

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続き楽しみにしています!! ■2007-05-03 23:40:16 58.92.241.100
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