なかなか記憶を取り戻せずに苦しんでいた直樹だが、退院する頃には　琴子以外の記憶を取り戻していた。

退院した直樹は久しぶりに帰った自分の部屋で、琴子と撮ったプリクラと琴子のラブレターを見た。

その時　琴子の気持ちを初めて知ることに。


　　　　　　　俺は　あいつと付き合っていたのか?
　　　　　　　でも　おれには　婚約者が。。。
　　　　　　　記憶が戻っても　何か物足りないような気がするのは　あいつのことなのか??
                  
　　　　　　　
そして、いつも一生懸命　体当たりしてくる琴子を見ているうちに、直樹は遂に琴子の記憶も取り戻すことに。


琴子は、自分のせいで怪我をさせてしまって申し訳ないと直樹に謝った。
そして、金之助にプロポーズされて結婚すると。。。
もうこの家から出て行くと。。。伝えた。

それを聞いた直樹は。。。


『本当に　それでいいのか?』

「えっ?」

『本当に　忘れられるのか?』

「それは… 忘れる努力をする… 入江君には　迷惑かけないから。」


　　　　　　　何か足りないと思ったのは　琴子のことだったのかも。
　　　　　　　俺には　琴子が必要なのかもしれない。
　　　　　　　そして　琴子にも俺が。。。


『琴子。』

「なに?　えっ…」　


琴子は入江君の腕の中に。。。


『俺たち　付き合わないか。』

「えっっっ?　何を　い　っ　て　る　の………」

『俺のそばから　離れるな。』

「だっ　だって…入江君には沙穂子さんが..」

『いいから　離れるな。』

「私だって　入江君のそばにいたい　でも…
  今回のことで　入江君の疫病神だって思い知ったの。だから… だからっ」

『だから　金之助と結婚するのか?』

「ちっ　違う! そんなんじゃないっ。そんなんじゃ…」


琴子は　そう言うと　泣き出した。
　　　　　
　　　　　
　　　　　私だって　本当なら入江くんと。。。
　　　　　でも　入江くんは沙穂子さんとの結婚を決めた。 
　　　　　沙穂子さんは、誰がみても　私なんかと比べものにならないくらいの素適な人
　　　　　そして入江くんにピッタリの人。。。
　　　　　
　　　　　金ちゃんは　傷ついた私を　いつも　慰めてそばにいてくれた。
　　　　　こんな　私を知ってて　ブロポーズをしてくれた。
　　　　　私には　金ちゃんが　お似合いなんだと思ったから。だから。。。