想い。。。  〜  8  〜


緊張の糸が切れたように 泣き出した琴子に

直樹の唇が 琴子の唇に触れた。



     いりえくん??



琴子は 何が何だかわからなかった。
直樹は琴子が落ち着くまで 優しく抱きしめてくれていた。

泣きつかれた琴子は 直樹の腕の中で寝てしまった。


       こんな状況で 普通 寝るか?
       でも これが琴子なんだよなっ。
       俺を 今までこんな気持ちにさせたのは、琴子だけかもしれない。


直樹は 琴子をそっと抱きあげ部屋へ連れて行き ベットに寝かせた。
そして 琴子の枕元に座りながらつぶやいた。

『俺が本当の自分になれるのは琴子が側にいるときなのかもなっ。』


そういうと 部屋を出て行った。


直樹は部屋に戻ると沙穂子さんに電話をした。


「はい。」

『入江です。』

「どうたんですか? 直樹さんから 連絡をしてくるなんて。」

『話があるのですが、明日 会えますか?』

      
       俺は 沙穂子さんと別れることにした。
       そして、琴子と付き合おう。
      

***** 翌朝 *****

     私 いつ部屋に戻って来たんだろう。
     昨日 入江くんと話していて。。。
     泣いてしまって。。。 
     
     えぇ〜〜。そのまま眠っちゃった???
          なんてことを〜。
     
     どんな顔をして会えばいいのぉ〜〜。


「おはようございます。」

「琴子ちゃん。おはよう。」

「入江君は。。。?」

「朝食を食べて出かけて行ったけど。何か用事だった?」

「いいえ。」

     ふぅ。 良かった。
     どんな顔をして会えばいいのか。。。



「琴子ちゃん。朝食にしましょう〜。」

「はぁ〜い。」

「今日は病院に行く日よね。」

「はい。そろそろ 足も良くなったので アパートに戻ろうと思って。」

「このまま ここに居ればいいのに。」



『ただいま。』

「あらっ。お兄ちゃん 早かったのね。」

「入江君。おかえりなさい。」


『よく 眠れたか?』 

「うん。」

『まさか あの状況で寝てしまうなんて驚かされるよ。』 

「うっ。。。。。ごめんなさいっ。」

「あらっ。 何の話かしら?」

『何でもない。』

「あっ。そうそう お兄ちゃんからも琴子ちゃんに言って頂戴。」

『何を。 また 何かやらかしたのか?』

「またって!!! 酷〜い。」

「琴子ちゃんが アパートに戻るっていうのよ。」

「そろそろ 足も良くなったので アパートに戻ろうと思って。」

『どっちでもいいんじゃない。』


「お兄ちゃん。」


     少しくらい 引き止めてくれたって良いじゃない。


直樹の言葉を聞いて シュンっとなっている琴子を見て 直樹は続けた


『俺。沙穂子さんとの婚約解消してきたから。』

「お兄ちゃん。どういうことなの?」

『それと 琴子と付き合うことにしたから。』

「えぇっ〜〜。入江君 何を言ってるの。」

『そういうことだから よろしく。』

「そういうことだからって。。。入江君。」

「琴子ちゃ〜ん。良かったわね〜〜〜。さすが お兄ちゃんね。」

「おば様。」

『アパートに行くなら運ぶの手伝うけど どうするんだ?
  俺は このまま ここにいても良いと思うけど…』

「入江君。私…ここに居ても良いの? 入江君のそばに居ても良いの? 
  きっと これからも 私 入江君に迷惑ばかりかけてしまうよ。」

『そんなの。 もう慣れた。』

「さぁ。そうと決まれば 今日中にアパートの荷物を 運んでしまいましよう!!!
 琴子ちゃん 早く病院に行ってきちゃいなさい。」

tomokichi
2008年06月06日(金) 10時06分49秒 公開
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”プロポーズ”ではなくて、”お付き合い”…。次の展開が待てませ〜ん。楽しみにしてます。 しげたん ■2008-06-06 11:18:18 203.168.76.66
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