いつまでも 一緒に。。。1


琴子を助け自ら車にはねらた直樹は、最近の記憶と琴子の記憶をなくした。

少しづつ最近の記憶は取り戻していったが なかなか琴子の記憶は戻らなかった。

しかし やっと琴子の記憶を取り戻した直樹は。。。

『琴子。』

「なに? えっ..」

琴子は入江君の腕の中に。。

突然の直樹の行動に 琴子は混乱していた。
そして 直樹の口から思いもよらぬ言葉が

『俺たち 付き合わないか。』

俺自身 びっくりしていた。
俺が 琴子に。。。

「えっっっ? 何を 言 っ て る の.........」

『俺のそばから 離れるな。』

「だっ だって… 入江君には沙穂子さんが..」

『いいから 離れるな。俺のそばにいてくれ。』


     入江くん。どういうこと??


そう言うと 琴子を抱く腕に力が。。。

「私だって入江君のそばにいたいよ。 
 でも..
 今回のことで 入江君の疫病神だって思い知ったの。
 だから... だからっ。」

琴子は言葉にすると 
本当にこの事を認めてしまったようで
とても 悲しくなった。

『だから 金之助と結婚するのか?!』

その言葉を聞くと 直樹の腕の中から逃れ床に座りこんでしまった。

「ちっ 違う! そんなんじゃないっ。そんなんじゃない… っく そんなんじゃ..」

     私だって 本当なら入江くんと。。
     でも 入江くんは沙穂子さんとの結婚を決めた。
     沙穂子さんは、誰が考えても 私なんかと比べものにならないくらいの
     素適な人。。そして入江くんにピッタリの人。。

     金ちゃんは傷ついた私を いつも慰めてそばにいてくれた。
     こんな 私の気持ちを知ってて ブロポーズをしてくれたの。
     私には 金ちゃんが お似合いなんだと思ったから。
     だから。。。

緊張の糸が切れたように 泣き出した琴子に直樹は


直樹の唇が そっと琴子の唇に触れた。
そして 再び 抱きしめた。

     いりえくん??

琴子は混乱していて 何も考えられなかった。

直樹は何も言わず 琴子が落ち着くまで 優しく抱きしめてくれた。

そして 泣きつかれた琴子は 直樹の腕の中で寝てしまった。


       こんな状況で 普通 寝るか ?
       でも これが琴子なんだよなっ。
       俺を 今までこんな気持ちにさせたのは、琴子だけかもしれない。

直樹は 琴子をそっと抱きあげ部屋へ連れて行き ベットに寝かせた。
そして 琴子の枕元に座りながらつぶやいた。

『俺が本当の自分になれるのは 琴子が側にいる時なのかもなっ。』


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


直樹は、沙穂子さんとの婚約を解消し琴子と付き合い始めた。
そして、一時 入江家から引越して行った琴子が 戻ってきた。


          正直 本当に琴子のことが好きなのかはわからない。
          ただ 言えることは 琴子といると本当の自分でいられるような気がする。
          それだけ。。。


      今日から入江家で お世話になることになった。 
      また 入江君と一緒にいられる。
      沙穂子さんとの結婚が決まった時、諦めよう。。。忘れよう。。。としたけど駄目だったのよね。
      本当にあの時は辛かったけど これから幸せになれるといいなっ。
      でも なぜ 私と付き合うって言ってくれたんだろう???
      まだ 信じられない位。。。
      明日 起きたら夢ってことはないわよね。
      
      あぁ〜。 そんなことを考えるのはよそう。


∞∞∞∞∞ 朝 ∞∞∞∞∞

琴子が部屋を出て行くと 丁度 直樹も出てきた。
琴子は 少し意識をしながら

  「い 入江君。 おはよう。」

  『おはよう。』

  「これから出かけるの? 一緒に行かない?」

  『行かない。』

  「そんなぁ。」

      
      即答しなくても。。
      そんな 冷たくしなくてもいいじゃない!!
少しぐらい 優しくしてくれたって〜。
      一緒にいたいだけなのに。。。
      もしかして。。。 
      私と付き合ってることを 皆に。。。
     

  「あっ。皆に知られたくないよね。ごめんね。」


しょぼんとしている琴子をみて 意地悪な笑みを浮かべ 直樹は


  『何を知られたくないんだ? また余計なことを考えてないか? 』

  「私なんかと付き合ってるって 知られたくないのかなと思って。」

  『まったく。ろくなことしか考えつかないんだなっ。 今日は行く前に寄るところがあるんだよ。
   わかったか!?』

  「そうだったんだ。」

  『。。ったく。』

       
          今まで こんな事までも 気にしていたのか?
          今までは そんなこと 気にもかけなかったが、
          こんなんじゃ 先が思いやられるよ。
          まったく。


〜〜〜 夕方 〜〜〜

琴子はテニス部の練習に出ていた。
まだ 下手すぎてコートにあげてもらえないので、毎日マネージャーのような仕事ばかりさせられている。
その仕事さえも 完璧にはこなせていない。。。

     今日 入江くん出てくるかなぁ。
     そうすれば 一緒に帰れるのに。


遅い時間になって 直樹が出てきた。
コートでは松本さんと須藤キャプテン 対 直樹と杉山先輩の試合が始まっていた。


     あっ。入江くん来てたんだ。
     私も 入江くんと組みたいなぁ。
     応援したいけど まだやらなきゃいけない事があるんだぁ〜。
     早く終わらして 応援しよう!


琴子が戻ってきた時には 試合は終わっていた。


     あぁあ〜。入江くんの格好良い姿がみたかったのになぁ。残念。
     でも、一緒に帰れそうだから いいかっ!! ふふっ。


終わりの集合の声がかかった。

来週末の合宿の予定が配られた。
予定を見ると、琴子はマネージャーになっていた。


     何で マネージャーなの?
私も 入江くんと一緒にテニスをしたいのに。。。
     でも一緒に参加出来るだけ いいか。


   「入江。松本。 話があるから部室まで来てくれ。 あとは 解散。」


     えぇ〜。一緒に帰れると思ったのにぃ〜。
     きっと すぐ 終わるよね。
     片付けでもして 待ってよう。


部室では
今度の合宿と 次の試合のことについての話がされていた。


話も終わり 直樹と松本さんは一緒に帰ることになったが。。。

直樹は もしかして 琴子が待っているかもしれないと 辺りを見回したが。。


    「入江君。誰か探しているの?」

   『いや。なんでもない。 』


       まさか 待ってないよな。

    「入江君って 誰か好きな人いるの? 」

   『いるよ。』

    「私の知ってる人? 付き合ってるの? 」

   『なんで そんなことを。。。』

    「私 入江君のことが好きだから。私 諦めないから。。。 」

   『。。。』





tomokichi
2008年06月17日(火) 01時47分08秒 公開
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■作者からのメッセージ
想い。。。の続編を書いてみました。

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