Do you like amusement parks? 9
「おい。そこはさっき通ったぞ。」
「っ!え?うそ?あれ?どっちだっけ?」

ミラーハウスに入り琴子は直樹を引っ張って歩いていたが、
見ても見ても鏡だらけでもう頭がパニックだ。
普段はいくらドジな琴子でも判断ぐらいはつくのだが、見渡す限り鏡だらけで、しかもどの鏡にも自分の姿ばかり。
なにも映っていないそこは道だと思ってしまった。
さっきからミラーや壁にぶつかってばかり。

「おい、琴子」
「へ?・・いたっ。」

ゴチンと琴子が振り向いたと同時に頭を鏡にぶつける。

「んもう。分かってるならもっと早くに教えてよ!あ〜もうさっきからなんでこの鏡邪魔するの?もう!」
「当たってもしょうがないだろ。ミラーハウスなんだから。それより・・・」

直樹は手錠が繋がっている左手を 「グイッ」 と自分の右腕の方に軽く引っ張った。すると手錠に繋がっている琴子が自然と直樹の方に傾いていく。
直樹の胸にすっぽりと収まった琴子は突然のことに顔が真っ赤になってしまう。

「・・・?いりえくん?」

上目使いで直樹を見上げる。
直樹を見ると琴子のことをじっとみてそしていた。

「ふっ。琴子・・・見てみろよ。」

直樹が顎で指した物はさっきぶつけた目の前の鏡だ。

「あ///////」

見てみると手錠を嵌めた男女がうつっている。

「なんか、いやらしいなぁ。なぁ琴子。」

「なぁ琴子」の部分をわざと耳元で囁くように言った。
その声だけで琴子は固まってしまい心臓がバクバク大きな音を立てている。
直樹は胸の中の琴子をぎゅっと抱き寄せると、ホッペに ちゅ っと
キスをした。
琴子は鏡に映っている自分と直樹が直視が出来ない。
そんな琴子をミラー越しでみとめてる直樹。
次にはんたいのホッペ→両耳→瞼→おでこ→顎と順番に何度もキスをした。
まだぽーとしている琴子の耳元で

「琴子・・」

と甘いささやきを一つ、そして次に唇に落とした。
最初はなすがままだった琴子も直樹の背中に手を回しキスに答えた。
直樹の右手は最初は琴子の頭にあったが耳・首筋と撫で付けた。
ちゅっとわざと音を立てて離れた。
琴子は少し息が乱れていた。直樹はそんな琴子の首筋を強く吸い赤い印を
つけた。

「・・・///っあ。」
「そんな声出すなよ。」
「だ・・だって入江くんが・・・」
「ん?俺が何だよ。」
「/////もう!知らない!・・・」
「ふーん。まだ足りない?」

直樹はそう言うと今度は洋服で開いている胸の隙間にも印をつけた。

「////も・・・う駄目だってばぁ・・」
「そうだなこれ以上はやばいな。」

また耳元で甘い囁き。
もう琴子は目が虚ろだ。直樹はそんな琴子を抱きしめた。
暫く直樹の胸に顔を埋めたが琴子が顔を上げて何気なく辺りを見回すと・・

「あ!見て入江くん!」

琴子は何か見つけたように叫んだ。

「ほら、あれ。太ってる。なんで?あれ?でも入江くん太ってないよね?あれ?あ〜〜〜〜私も太ってるよぅ。なんで?えー?どうしよう。食べすぎ?」
「・・・・はぁー」

[ゴチン]直樹は琴子の頭を軽くごつく。

「お前は本当に馬鹿だな!あれは鏡だ。お前の目の前にいるのが本物だ。」
「・・・へぇ〜。あー良かった。そうだよね。そんな事ないよね。
ふふ、でも改めて見ると面白いね。ほら、いつもの長い足が短足になってるし、あーあっちは小さくなってるぅ。なんかおもしろいね。チビ直樹とチビ琴子だ。ふふふ・・・」
「お前だって益々太ってるぞ。」
「ふーんだ。あ、ねぇ、入江くん。あのね。お願いがあるんだけどぅ。」
「・・・なんだ気持ち悪い。それに嫌だね。」
「え〜。一度やってみたかったの。ねぇお願い。」
「・・・・」

直樹はとても嫌な予感がした。勿論その予感は的中した。

「あのね、これ。」

琴子が鞄から差し出したのは髪の毛を結ぶゴムだった。
直樹が怒鳴った。久々の青筋だ。

「琴子!!」
「だって、ほらあそこのチビ直樹見てよ。生直樹ちゃんが見られるチャンスだよ。ねぇ結んでいい?あっ、もちろん写真なんか撮らないから。ね?」
「・・・ね?じゃねぇ!!!そんなこと誰がやるんだよ。」
「だって、さっき私すごく恥ずかしかったんだよ。今度は入江くんが恥ずかしがってよ。しかも今なら誰もいないし・・・」
「い・や・だ!!!ほらさっそと出るぞ。」
「え〜〜〜〜〜」


直樹はそんな琴子を無視した。顔にはまだ青筋がはっきりと出ていた。
琴子を引っ張るように出口に向かった。

ルナ
http://irikoto.269g.net/
2008年09月10日(水) 09時48分20秒 公開
■この作品の著作権はルナさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
こんにちは。

とても久々の投稿です。
ちょっと忙しくて更新出来ませんでした。

楽しんでいただけたら幸いです

この作品の感想をお寄せください。
CAmxqI Click!! Bradley ■2015-08-11 02:57:56 188.143.232.26
鏡に囲まれてキスされちゃうなんてもうドキドキです(*^_^*) kani ■2008-09-10 13:04:07 124.83.159.140
もぉ〜入江君たらっ(照)バタバタしながら読んじゃいました^^続きも楽しみです^^ ■2008-09-10 11:34:39 211.18.37.123
みーたん様、やっぱ生直樹だよね。生なおちゃんみんな受け入れてくれるか心配。キスマークもいいね♪琴子と同じところにとかね。 ルナ ■2008-09-10 10:52:10 220.152.68.41
もう ニヤニヤしっぱなしでした(笑)首や胸の間に印・・・(笑)これは生直樹ちゃんやってもらわないと・・・琴子だけ恥ずかしいなんてやり逃げですよ(笑)あ、生直樹ちゃんがだめなら琴子がふいをついて直樹にもキスマーク付けちゃうってのはどうでしょうか?(笑) みーたん ■2008-09-10 10:39:36 121.118.16.247
ちょっと独占欲の強い直樹を出してみました。でもこんな二人結構好き。 キスマークもしっかりとね♪eamamadoor様、見ました!ありがとう。お陰で家事をやってません。う〜んリクしたいけど確かにミラーハウスでは難しいですね。でももしお時間が許すなら、鏡なしでもいいので書いていただけるとうれしいです。 ルナ ■2008-09-10 10:20:29 220.152.68.41
ミラーハウス、どの鏡にもキスしてるイリコト‥。描きたいけど、とても描けない〜。脳内で妄想するにとどめます!しかし続き楽しみです!あ、ルナ様、例の場所わかりましたでしょうか。 eamamadoor ■2008-09-10 09:54:13 210.235.211.185
ミラーハウスの鏡全面に直樹と琴子のキスシーンが映ってたんですよね^^しかし、直樹も赤マークつけるとは・・・(照) さあや ■2008-09-10 09:46:03 122.29.153.63
入江くん、誰も見ていないと思って暴走しちゃいましたね〜。そんなラブラブな二人が羨ましい!次はどこに行くのかな? たまこ ■2008-09-10 09:42:38 220.213.210.181
お名前(必須) E-Mail(任意)
メッセージ


<<戻る
感想記事削除PASSWORD
PASSWORD 編集 削除