胸をはって言えること
「「「え---!!あの人が入江先生の奥さん!?」」」
 
 
(もうこのセリフ何回聞いただろう…)
 
 

新しく入ってくる看護師達が毎回決まって言うこのセリフ
  
  
(そんなの気にしない!)と思えば思うほど意識してしまい、いつも以上にドジをしてしまう
    


その光景を見て更に看護師達は、
(なんであんな人が入江先生の奥さんなのかしら〜)
    
  
(私の方が顔も良いし、仕事も出来るし入江先生の奥さんに良いと思わない-?)
     
     
(やだ〜!あんた何言ってんのよ〜!だったら私だって〜!)
      
     
 
 
 
……言われるのは慣れたと言ったら慣れたけどやっぱり言われちゃうかあ…
 
 

やっぱりあたしって入江くんとつりあってないのかなあ…



家に帰った琴子は相変わらず落ち込んだまま

ベッドで本を読んでいる直樹を見て
「はあ〜」とため息を一つ
   
   
「…さっきからなんだよ」
    
   
「あたしってやっぱり入江くんの奥さんにふさわしくないのかなあって思っちゃって…」
    
   
「…なんで」
    
直樹は本から顔をあげ、琴子を見た
    
    
「今日新しく来た看護師達がまた、『なんであんな人が入江先生の奥さんなのかしら〜』って言ってたの…」
    
     
「そんなのいつもの事だろ」
    
    
「それはそうなんだけど、やっぱり改めて言われちゃうとなあ…」
     
    
「……」
 
 直樹は黙って琴子の話を聞いている
     
     
「確かにみんなの言うとおりあたしってバカだしいつもドジしちゃって、患者さんや周りの人達に迷惑かけちゃって… あたしだって自分なりに一生懸命頑張ってるつもりなんだけど上手くいかなくて… こんな胸をはって言えるような取り柄もないあたしが入江くんの奥さんだなんて言って良いのかなって…」
    
    
『……』
    
    
    
----二人の間に一瞬沈黙が流れた-----
    
   
「…ご、ごめんね!こんな話しちゃって!気にしないで!あっ、もうこんな時間!もう寝よ…」
    
    
「お前オレの事好きか」

琴子の言葉を遮り直樹は言った
   
   
「え、えっ?」
     
   
「だから、お前はオレの事好きかって聴いてんだよ」 
     
    
「そ、そりゃあ当たり前じゃない!!」 
    
    
「ふ-ん どれくらい?」
    
    
「ど、どれくらいっていっぱいよ!!世界中…ううん宇宙一…それ以上大好き!!」
    
    
「ぷっ!…それ胸はって言える?」
     
    
「……う、うん…」
    
    
「あるじゃん 胸はって言えること」
     
     
「…うん!!」
     
   
「前も言ったけど、オレはお前を選んでんだからもっと自信もてよ 誰が何と言おうとオレの奥さんはお前だけだし、オレはお前以外の女選ぶ気はないね」
     
    
「入江くん……!!」
   
琴子は直樹に抱きついた
    
    
「ったく 何泣いてんだよ」
    
     
「だって…だって…」
    
   
琴子を抱きしめ背中を「ポンポン」と軽くたたきわずかに笑みをこぼした直樹は
「もう この話はやめてもう寝るぞ 明日寝不足でいつも以上にドジしても知らないからな」
    
   
「うっ……は-い
……ねえ入江くん 大好きだからね」
     
    
「知ってるよ 十分ね」
    
    
二人はいつかの事を思い出したようでお互いの顔を見て笑い、そしてkissをした…
   
    
    
    
-----次の日-----


「きゃ---!!!」

ガシャーン!!

「い、入江さん!一体あなたは何度言ったら分かるの!廊下は走らないっていつも言ってるでしょ!」
 
 
「ご、ごめんなさ-い!!」
 
 
「だいたいあなたはねえいつもいつも…」
 
 
(また 入江さん怒られてるわよ)
    
    
(ホントなんであの人が入江先生の奥さんなのかしら〜)
       
    
(あら 入江さん怒られてるのに笑ってるわよ)
    
   
(ホント不思議な人よね〜)
    
   
(……でも嫌いじゃないわ 私…)
       

((……私も……))

   

-----もう何を言われても気にしない!!だって入江くんの奥さんは世界中であたししか居ないなんだから!!-----

 
 


hare。
http://ameblo.jp/hare-1121/
2008年09月10日(水) 23時42分13秒 公開
■この作品の著作権はhare。さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
前回多くの方から感想などをいただいて、本当に本当に嬉しいです!!
ありがとうございます!!

また調子にのって書いてしまいました・・・
最後もよく分からなくなってしまったし、
入江くんこんなこと言いませんよね(汗
hare。の妄想にお付き合いください・・・

この作品の感想をお寄せください。
逝ってよし(*´ω`)☆ Click!! 私だ ■2012-02-17 22:13:57 49.240.241.230
『知ってるよ十分ね』が最高ですー^^ 理麻 ■2011-02-03 23:38:55 219.193.19.114
凄く素敵でした〜vv 直樹が凄すぎて、琴子が引け目を感じる気持ちは、私も良く分かるんですが、それでも、直樹にとっては、琴子しかいないっていうのが伝わって来て、読んでいて温かい気持ちになれました。また次回作も期待しておりますvv 蝗虫ば太郎 ■2008-09-12 22:03:09 118.3.249.151
私もその台詞にドキドキした一人です。朝からにやけてしまいました。HPにも遊びに行きますね。 ルナ ■2008-09-11 07:49:52 220.152.68.41
いや〜皆さんの言う通り、私もそのセリフにグッときました!!普段言わなさそ〜うなセリフを又、聞かせて下さい☆楽しみにしてますo(≧∀≦)o aya ■2008-09-11 04:42:09 124.83.159.213
「オレはお前を選んでんだから」「オレはお前以外の女選ぶ気はないね」いいですね、このセリフ!入江君は仕事ができるとかではなく、琴子だからいいんですよね。素敵なお話しありがとうございます。 kani ■2008-09-11 00:20:10 220.29.138.50
素敵なお話でした。「オレはお前以外の女選ぶ気はないね」にぐっと来ました!!!また新作をお待ちしておりますね! eamamadoor ■2008-09-10 23:50:47 222.225.132.18
hareさん、またまた素敵なお話ですね^^入江君の「お前俺の事好きか?」ってセリフに打ち抜かれました!もっともっと読みたいので、次回作も楽しみにしてますね^^ ■2008-09-10 23:49:06 211.18.37.123
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