離れていても 30 |
体を洗いながらも、背後にいる直樹が気になって仕方がない琴子。早く洗ってしましたいという気持ちと先程からずっと切れる事の無い緊張が空回りするかのように、背中を洗おうとして手からスポンジを落としてしまう。 「あっ・・」 そう言って後ろを振り返ってスポンジを取ろうとした時、泡がついたままの腕が伸びてきてそれを拾い上げた。 「お前、いつまでやってんだよ。」 「い、入江君・・・う、後ろ見ててって言ったじゃない!」 「もう時間切れ。」 「時間切れって・・・わっ!!い、入江君!?え!?」 浴槽の中で立ち上がった直樹はシャワーをかけて琴子を立ち上がらせて、腕を引き、そのまま両脇に手を入れると抱き上げて自分のいる浴槽の中に入れてしまった。 「いりっ・・!!??」 文句を言おうと口を開いた琴子の顎を待ち上げ、唇をふさぎ、言葉を飲み込んでしまう直樹。 あまりにも長くて甘い、深いキスに琴子も次第に瞳を閉じて、直樹の腕を掴みながら必死に答える。 しばらくして、苦しそうにする琴子をやっと解放した。 恥ずかしそうに目を伏せている琴子のおでこにチュッと軽いキスをした。 直樹が後ろから抱くような形で浸かっている2人。 少し落ち着きを戻した琴子は、顔についてしまいそうな程の泡を手にすくい、シャボン玉の様に息を吹きかけて飛ばしている。 「ったく、本当にこどもだな。」 「ひ、ひど〜い!!入江君もやってみたら分かるんじゃ・・・」 「や・ら・な・い」 「だよねぇ・・・」 シュンとする琴子に、またしてもイタズラ心が芽生えた直樹。 「じゃあ、一緒にやるか?」 「え?」 琴子の両手に自分の両手を重ねながら泡をすくいあげると、顔を傍に寄せた。 「ほら、いくぞ?」 「・・・・!!///う・・うん・・・///」 囁くかの様に、「せ〜の」と言いながら息を吹きかけた。泡はふわふわと浮き上がり、キャンドルの灯りも手伝い、神秘的な空間になった。 が、それと同時に「ひゃっ・・」と声を上げて、その瞬間を見逃した琴子。 「どうした?折角一緒にやったのに見てないのかよ?」 「あ・・・えっと・・・ごめんなさい・・・・」 「じゃあ、もう一回。」 直樹は先程の行動を繰り返した。しかし琴子はといえば、なんとか声を抑えようとするが、やはり小さく漏れる声。直樹は後ろでニヤリと笑うと、 「ダメだろ?ちゃんと見てないと。」 「い・・入江君・・・あのぉ・・・」 「何?」 「入江君の位置・・というか・・・もうちょっと顔を前に出した方が・・・」 「なんで?」 「・・・その方が綺麗に飛ぶかなぁ〜なんて・・・」 「今も充分綺麗だったけど?お前、見てないんだから分かんなかったんだよ。なんならもう一回やる?」 「あの・・・ん〜と・・・・もういいか・・・・」 「見たいだろう?綺麗なシャボン玉。」 「それはそうなんだけど・・・」 「けど?」 「・・・・・・///」 「もう飽きた?」 「そうじゃなくて・・・・」 俯いている琴子の耳元に口を寄せ、 「それとも感じちゃった?」 「!?////」 ビクッと肩を揺らして、恥ずかしそうに今まで以上に俯く。 「そうだよな。琴子は耳が好きだもんな?」 「すっ・・・すっ・・・好きなんかじゃないもん・・・」 消え入りそうな声で訴える。 「へぇ〜。そうだっけ?」 「そう・・・だもん」 あくまでも意地をはる琴子。直樹は更に耳元に口を寄せると小さく囁いた。 「それは夫失格だな?」 「・・え?」 「奥さんの感じる場所を忘れてしまうなんてだめだよな?」 「////」 「じゃあ、最初から探さないといけないか。」 「・・・・/////イジワル・・・・」 「ん?なんか言った?」 琴子は涙目になりながらチラッと直樹を振り返り睨んだ。 「そう怒るなよ。ちゃ〜んと探してやるから。」 「・・・探さなくていいもん・・・」 「そうはいかないだろう?やっぱり奥さんを喜ばせたいしな。」 「・・・・///」 「でも・・・おかしいな?一度聞いたこととかは忘れないんだけど。」 「・・・・(汗)」 直樹はとどめを刺すかの様に、耳に息を吹きかけた。 「こういうの、弱いと思ってたんだけどな?」 「い、入江君・・・・もぉ・・・分かってるくせに・・・・」 「何の事?」 「入江君が悪魔に見える・・・」 少し頬を膨らませて言う琴子を見て、フッと笑うと、 「悪魔かぁ・・。まぁ、でも・・・・」 「でも・・?」 「明日の朝には悪魔のシッポが生えたままなのに、天使に見えてると思うぞ?」 「なっ・・・」 直樹は立ち上がり、琴子の腕を持ち立ち上がらせてひざ裏に腕を回すと、軽々と抱き上げた。 「い、入江君!?」 「ここでのぼせられても困るからな。いろいろと。」 「で、でも・・・」 「それともここでのぼせさせて欲しい?」 「!!!////」 直樹はニヤリと笑うとキャンドルに息を吹きかけて火を消した。何も見えなくなった琴子は直樹にしがみついた。 「積極的じゃん?」 「そ、そういうことじゃなくて・・・」 「分かった分かった。もう少しだから待ってろよ。」 「全然分かってなぁ〜い!!」 琴子の叫びがお風呂場にこだましたまま、そこを後にし琴子を抱き上げたまま2階へと消えて行った。 只今AM0:00 もう直樹を誰も止められない。 |
雫
2008年10月08日(水) 11時35分36秒 公開 ■この作品の著作権は雫さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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rRXMl6 Click!! | JimmiXS | ■2016-08-12 09:45:36 | 188.143.232.41 | |
UARrVa Click!! | Bradley | ■2015-08-11 02:57:12 | 188.143.232.26 | |
アロマキャンドル&泡風呂。もうラブラブ&イチャイチャシチュエーションですね♪鼻血が出ないよう頑張りますw続き楽しみにしてま〜す(^m^) | ちびゆか | ■2008-10-09 14:24:38 | 222.149.49.214 | |
10時じゃなくて0時の間違いでした‥あわあわ | eamamadoor | ■2008-10-09 09:33:20 | 210.189.146.176 | |
あわ‥泡風呂‥。今日はサイト巡回だけのはずなのに‥、頭のなかが泡風呂でぶくぶくしています。ってまだ10時!!!!こないだ漫画描いた時は何時だったっけ。あ、アレは帰宅直後だった。一日が盛りだくさんですね!!!!次はついにダム‥ですか‥。今年のこちらのサイトの流行語大賞は確実に「ダム決壊」ですよね。 | eamamadoor | ■2008-10-09 09:32:39 | 210.189.146.176 | |
きゃ〜雫さん^^さあやはクルクル回ってしまいましたよっ^^PCの前で相当危なかったです(爆)決壊たのしみにしてますね?それから、雫さん?だんだん寒くなって来ましたし、お忙しそうですけどお身体に気を付けてくださいね♪ | さあや | ■2008-10-09 00:18:55 | 122.29.153.63 | |
きゃ〜!泡風呂マジック!すごいドキドキしながら読んでしまいました!次は一体…?早く続き読みたいです! | 水玉 | ■2008-10-08 21:12:10 | 116.82.203.133 | |
きゃ〜!!続きが…続きが楽しみでヤバイです!(そして皆様のご感想の最初の一文字目が全員「きゃ」なのも、雫さんのお話の素敵っぷりを表しているのかと…vv←黄色い歓声) | 蝗虫ば太郎 | ■2008-10-08 20:55:24 | 124.97.240.92 | |
きゃ〜ラブラブ!入江くん!いいわああ・・・。ほんとに次!期待してます♪ | 葵 | ■2008-10-08 20:40:53 | 222.149.218.198 | |
きゃ〜ラブラブ!入江くんの意地悪大好き〜。今後もラブラブですよね!楽しみ〜。早目のUPをお願いします。 | ちえ | ■2008-10-08 17:33:53 | 61.210.214.170 | |
ぎゃ〜ニヤニヤが止まりませ〜ん!!どうしてくれるですか〜(笑)つ、次、本番ですか?もう今でさえ鼻血でそうなのに(笑)も、妄想もぐるぐる・・・(笑) | みーたん | ■2008-10-08 15:13:32 | 125.204.250.220 | |
きゃ〜!!!私までくすぐったいですぅ〜(≧ω≦)入江君のイジワルゥ〜☆"でも、入江君の巧みな小技が凄すぎる(笑)泡吹いてる姿が、また絵になりそうですね(羨)二人の夜はまだ始まったばかりなんですよね・・・☆楽しみです(≧ω≦) | すなお | ■2008-10-08 13:41:47 | 210.153.84.104 | |
きゃっ!耳に息が・・・///1人でニヤニヤしてます。ラブラブ全開でお願いしますね!! | 9292 | ■2008-10-08 13:23:27 | 118.9.15.143 | |
きゃ〜!ラブラブすぎてニヤニヤです。次回が本番ですね。次もラブラブを期待してますよ〜 | 藍 | ■2008-10-08 11:45:05 | 210.153.199.129 |