オフィスLOVE!?
20日 最終日また会う日まで…。


他社との合同製作発表日琴子が偶然ジュースをこぼしたのは男尊女卑で有名な
□□会社の社長だった。



□□会社の社長を知っていた女性社員の言ったとおりパンダイの企画は次々に例の社長により潰されていった。
「今年のパンダイさんは期待はずれですな。」
と例の社長は高慢な態度で話す。
直樹の父親も人当たりの良さと彼には頭が上がらないといった感じで
「そうですなぁ〜。貴社に比べればわが社はまだまだといったところですかな…。」
額の汗を拭きながらその場をやり過ごそうとしている。
「何を言っておいでですか。パンダイさんは玩具会社の最大手ではないですか。それに『ゴッドペガサス』といい『ラケット戦士コトリン』という大ヒットを生み出したではありませんか。」
「たまたまですよ。」
「ご謙遜を・・・。そうそう、その生みの親の社長の息子さん確か直樹さんといったか、その方を紹介していただけないでしょうかね。」
と直樹に興味をもっていることを告げた。
「おっと。こりゃ失礼しましたな。今挨拶をさせます。」
と言い、直樹を連れにその場を離れた。


「こちらは□□会社の社長だ。いつもお世話になっている。我が愚息の入江直樹です。」
と挨拶をした。
「直樹さんの事はわが社にも伝わっていますよ。やり手でルックスも申し分なしと…ゲームソフト『ラケット戦士コトリン』は1ヶ月足らずでお作りになったとか…。パンダイさんの中でもファンクラブまであるそうですな。」
直樹は
「ファンクラブがあるかは存じませんが、いつも父がお世話になってます。息子の直樹です。□□会社さんにまで私の噂があるということは喜ばしい限りです。」

「そういえば息子さんといえば最近ご結婚なさったばかりとか…いや少々小耳に挟みまして…どのような女性がこの直樹さんを射止めたのか大変興味がありましてね。残念ながらラケット戦士コトリンの製作発表のとき私は出張で海外にいまして出席できなかったんですよ。確かそのときに奥様がご挨拶をなさったとか…。」
3人の会話を聞いていた周りの招待客や他社の職員は耳をそばだてて聞いている。(その中には直樹を狙っている他者の女性職員も含まれている)
直樹は
「えぇ。」
と一言だけ返事をした。
「そういえば琴子ちゃんもこの会場で企画部の発表を聞きに来てたんじゃないか?」
と直樹の父は直樹に向かって話した。
「えぇ。確か一緒にいたと思いますが…ちょっと呼んで来ます。」
と言って席を離れた。


直樹が琴子を見つけに行くまで長い距離があった。
直樹と琴子が『ラケット戦士コトリン』の製作発表を行ったホテル会場よりも広い場所となっており、その中から探し出すだけでも一苦労といった感じだった。
パンダイのスペースに足を進めていた直樹だったが
「入江社長補佐じゃございませんか?私、○×会社社長秘書の△△と申します。」
「私、××会社常務秘書の○△と申します。よろしければこの後、ご一緒にお食事でも…。」
「抜け駆けはおよしになって。私□○財閥、専務秘書の×□と申します。」
等と次から次へと直樹へのアプローチを仕掛けてくる女性職員が後を絶たなかった。
直樹は先を急いでいると伝え、女性をかわしていく。
そして直樹は琴子を見つけると
「琴子!!」
と呼び、手をつかんだ。琴子は直樹に引きづられる形になりながらも一生懸命ついて行こうと早足になる。
そんな直樹と琴子の様子を直樹を狙っている他社の女性職員たちは後をつけて隙をみて直樹を誘おうとついて行く。


直樹の父と□□会社の社長は談笑していた。
しかも□□会社の社長は飲酒したことにより酔ったことでかなり態度が大きくなっており
「先ほどもこちらについたなりに女性社員にジュースをかけられまして…。
これが、全く………だから女は家庭に入っていれば良いんだ!!」
と声も大きくなっている。
周りで聞いている女性職員は□□会社の社長であるため何も言えずに黙っているが心中は穏やかではないだろう。
直樹の父もこれには困ったという感じで
「それはお気の毒でしたなぁ。」
と汗を拭いているだけだった。


「お待たせしました。」
と言って直樹が父と□□会社の社長との間に入った。
「おっ。噂の直樹君の奥さんを見ることが出来るのかな?」
といって□□会社の社長は身を乗り出す。
「妻の入江琴子です。」
直樹はそう言って後ろにいた琴子を自分の横へと並べた。
琴子は相手の顔も見ずに
「妻の相…入江琴子です!!」
と言って頭を下げて挨拶するや否や勢いよく頭を上げた。
そこには先ほどジュースをかけてしまった男尊女卑の□□会社の社長がいた。
これには周りに群がっていた他社の女性秘書たちも口をあけたまま驚いていた。


琴子と□□会社の社長は目を点にし、お互い凝視したまま静止していた。
「琴子?」
直樹が琴子を呼んだことで琴子はハッと我に返り、直樹の父は
「どうなさったんです?」
と□□会社社長を呼んだことでこちらもハッと我に返ったという様子だった。
周りで静止していた他者の女性秘書や職員達も我に返り、様子を伺う。
「この女性が直樹さんの奥さんですか…。」
「琴子ちゃんはまだ直樹と結婚してわずかですからまだ入江の姓にも慣れてませんが、「ラケット戦士コトリン」のモデルは琴子ちゃんですからゲームソフトの製作発表したときに直樹の妻として挨拶を行ったのでおおよその方たちにはご挨拶できたと思います。」
と直樹の父はフォローを入れた。
「先ほどは大変失礼しました。」
琴子は頭を下げた。
「いやぁ。それほどでも…。」
と□□社長は口ごもり
「どうしたんだ?□□社長と顔見知りか?」
直樹が琴子に聞く。
「さっき。入り口付近でジュースをこぼしてしまってスーツを汚しちゃったの。」
と言った。その言葉で□□社長は慌てだし
「いやぁ…そのぅ…」
額の汗をぬぐい始めた。
「□□社長がジュースをかけられたって言ったのは琴子ちゃんのことだったのかい?」
直樹の父が言った。
「はい。さっきはすいませんでした。私の不注意とはいえ。スーツ大丈夫でしたか?」
□□会社社長の先ほどの勢いは衰えていた。
『胸がスーッとしたわ!!』
と□□会社社長と琴子たちを見ていた女性秘書達はそういって去っていった。
その後の企画部のプレゼンは速やかにトラブルなく行えることが出来、合同製作発表は成功した。


製作発表終了後、社長・社長秘書の安田・宣伝部・企画部の人間を集め直樹との名残を惜しんだ。
「父さん、今日で俺達終わりだから…。」
と言う直樹の挨拶があった。直樹の父や安田は仕事を続ける気はないかとすすめたが
「しばらくは琴子との新婚生活を優先したいしね。」
とニヤリと笑い、琴子のそばにより琴子の腰をグッと体に寄せる。
「入江君///」
琴子は顔を真っ赤にしてうつむく。

相沢・山根・岩山・川端がそれぞれに
「お幸せにねv」
と直樹と琴子に言葉を送る。


直樹と琴子は手をつなぎ会社をあとにした。


「ねぇ。入江君、あのまま会社に残ってもいいなって少し思ったでしょv」
「お前は?」
「私?私はね…入江君と一緒ならどこでもいいよv」
「お前らしい答えだな…俺もお前と一緒なら…。」
「えっ?何?よく聞こえなかったよ?もう一回言って?」
「さぁね。」
「入江君!入江君ってば、もう一回言ってよぉ。」
「秘密だよ」
あげは
2008年10月09日(木) 13時15分09秒 公開
■この作品の著作権はあげはさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
ご無沙汰しております。あげはです。
久しぶりに最終話をUPさせていただきました。
ここまで長かった…。
皆様のおかげで最終話まで来ることができました。ありがとうございました。
また、次回作が脳裏に浮かび次第投稿させていただこうと思います。その時はよろしくお願いします。

この作品の感想をお寄せください。
ufsEEN Click!! JimmiXS ■2016-08-12 09:45:57 188.143.232.41
長い間お疲れ様でした(^^)v毎回楽しく読ませて頂きました!!次回作楽しみにしています! aya ■2008-10-10 00:53:13 124.83.159.213
あげはさん。長い間、長編お疲れ様でした^^また素敵な作品を書いて下さいね♪心街にしております^^ さあや ■2008-10-09 23:03:32 122.29.153.63
皆さんのおかげで最終話までUPすることが出来ました。ありがとうございました。 あげは ■2008-10-09 22:04:47 221.191.178.76
あげはさん、お疲れ様でしたm(ЦωЦ)mお話、いつもハラハラドキドキしながら、拝見しておりました(照)最後の「新婚生活満喫したい」って言ってたのは、本音と琴子ちゃんをからかう為に言ったのでしょうが??気になります(爆)でも、きっと今夜は眠れないんでしょうねぇ・・・///次回作も楽しみに待ってまぁ〜す☆” すなお ■2008-10-09 21:35:26 220.102.19.13
あげはさん、お疲れさまでした☆とってもいいお話でしたね(ニヤケが止まんない…)次回作も楽しみにしています☆本当にお疲れさまでした。 ishutaru ■2008-10-09 16:49:08 116.193.97.14
長編、お疲れ様でした。毎回とても楽しみにしていました。やっぱりラブラブな琴子と入江くんが良い!手をつないで帰宅する姿が嬉しいです。 たまこ ■2008-10-09 16:08:56 220.213.210.181
ごくろうさまでした^^毎回ドキドキして読ませてもらいました。次回作楽しみに待ってますね^^ みーたん ■2008-10-09 15:43:40 125.204.250.220
お疲れ様でした〜。毎回UPされるのを心待ちにしていました。最後に入江くんが素直になってくれて嬉しかったです。やっぱり二人はいつも一緒にいなくちゃ!また次回作も楽しみにしています。 ちえ ■2008-10-09 14:51:09 61.210.214.170
きゃ〜。待ってました。とても面白かったです。20日分ものお話を御苦労さまです。次回も楽しみにしてます。 ■2008-10-09 13:23:13 210.153.199.129
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