チェンジ 14 |
「ふう〜〜びっくりした〜どうなるかと思っちゃった・・・」 「先に言っておくが、俺はあの看護師とは何も無いからな」 「うん!私、入江くんのこと信じてるもん!」 チロッと疑いの眼差しを向けられた気がしたが、琴子は気づかないふりをした 「でも、あの子・・泣いていたよね?大丈夫かな・・・」 「ほっとけよ、情けなんてかけるとまた俺が付き纏わられるんだぞ」 「そ、それは困るけど・・・」 (それにしたって、もうちょっと別の方法があったんじゃ・・//////) 直樹の正論と心底嫌がっている姿を見て、琴子はそれ以上何も言う事が出来なかった やっと気持ちが落ち着き、周りを見る余裕が出てきた琴子はある事に気づく 「あれ?入江くん、その顔・・お化粧してるの?」 「あぁ少しな、午前中おふくろと買い物に出かけたから・・」 「え〜!お義母様と?いいな〜私も行きたかったな〜 入江くんて何でも器用にできちゃうよね!今度、お化粧のやり方私にも教えてね♪」 「・・・気が向いたらな」 あまり乗り気で無い返事が返ってくるが琴子は気にすることなく 直樹の手によって化粧で彩られた自分の顔をじっと見つめる 本当に上手だな〜どうやってやるんだろう 「お化粧、似合ってるよ」 「ん?あぁ、・・・あんまり人の顔ジロジロ見んなよ」 不機嫌そうに琴子は顔を背け直樹と視線を合わそうとしない 「あっ・・うん・・ごめ・・ん・・・?」 (人の顔って言っても元々は自分の顔なんだけど・・・変な感じ・・) 何となく気まずい空気を感じた琴子は話題を変えようとする 「ネ!入江くんは体が元に戻ったら何がしたい?私はお義母様とショッピングに行きたいな〜」 その言葉に琴子の表情が固まり、無言で直樹の顔を見つめ返してきた しまった!私ったらまた余計なこと言っちゃった〜〜(泣) 「・・っ、ごめん、戻っても今の状態じゃどこにも行けないよね・・・」 「・・・きたい」 「え?」 「琴子を・・抱きたい」 「な!?/////・・そ、そう言うことじゃ・・・なくて・・/////////」 突然の告白と琴子の真剣な眼差しに耐え切れず、今度は直樹が目をそらしてしまう ////// なんか・・入江くん、入れ替わってから感情がストレートになったと言うか 随分とお喋りになったような・・この前だって鼻歌なんか歌ってたし・・私の・・体だから? 視線をそらしたまま動けないでいると、ふいに琴子の意思とは違う別の力で直樹の顔が上に向けられる んあ?ななな、なな、何??///// 琴子の指が優しく直樹のアゴを引き上げ、逃げる間もなく唇を奪う 驚いた琴子は直樹の体を軽く身じろがせるが、自分の唇の柔らかさにすぐに降参させられてしまう ?? なんか・・お腹の辺りが・・もぞもぞする・・?えっ!?ちょっ・・うそっ//// いつの間にか琴子の白い手がパジャマの隙間から滑り込み、細い指が直樹の上半身を触れている 「ちょっ!ちょっと、ダメ!そこは・・」 抵抗すればするほど琴子の細い指が動きまわり、直樹の神経を甘くくすぐる うひゃ〜〜っ///// こそばゆい!!ち、力が・・入ら・・な・・っ 全身を襲う甘い痺れに力を奪われ 直樹は琴子の華奢な体を振りほどく事ができず 交わすごとに激しくなるキスで、まともに息をする事もままならない もももも、もう、もう〜ダメ〜〜!!/////////// ガバッ!! 琴子は直樹の体に思いきり力を込め、自分の体を引き離すが 勢い余ってベッドに押しつける体勢となってしまった 直樹と琴子の視線が絡み合う 琴子の頬はサクラ色に染まり、目は潤みがちで見るからに熱を帯び 軽く息を乱した柔らかい唇は、甘い誘惑へと誘うかのように艶めいている うわっ!?//// 私って、こ、こんな顔を入江くんに見せてるの〜〜?//////// 熱を帯びた自分の顔をまともに見た琴子は思わず直樹のノドを小さく鳴らす ど、ど、どうしよう・・・///// 目が・・離せない 思考と神経が一時停止した直樹に押さえつけられ 微動だに出来ないでいる琴子の目が静かに閉じていく エェエェェェ〜〜!!?入江くん!! それって、まさか・・キキキキ、キスしろってこと〜〜???//////// ドッドッドッドッドッドッドッドッ・・・ 激しく高鳴る直樹の心臓の音が頭の中でうるさく鳴り響く あまりの恥ずかしさに、これ以上自分の顔を見続けることに耐えられなくなった琴子は 直樹の目をきつくつむり、ゆっくりと顔を近づけていく うぅぅっ・・し、心臓が!・・苦しいっ・・体中の血が・・逆流する〜〜〜〜〜!!/////// ボタッ・・・ 「こ、とこ・・?・・お前っ・・」 なななな、なに?今度はなに〜〜!!? きつく閉じられていた直樹の目が徐々に開かれていくと、今度は大きく見開かれる 琴子の頬に赤い鮮血が付いているのだ ケガ!?どうして!?? 咄嗟に直樹の親指が琴子の頬の血を拭うが、また血が上方から落ちてきて琴子の頬を赤く汚す ケガじゃ・・ない?・・・何で上から? 流れ落ちてくる血の行方を辿ると 直樹の鼻から滴る血が、何度も琴子の頬に伝い落ちている 「・・へっ?・・・キャー!!い、入江くん!・・ち・・ちちっちち、血が・・!! どうしよう!私どこか悪い・・の・・!?う〜〜ん・・@@@@」 「おい!琴子!」 鼻血と極度の緊張で琴子は気を失ってしまった 「うぅ・・い、、いり、、えく・・・」 ベッドの中で赤い顔をしながら直樹はうわ言を言い続けている そんな直樹を見つめながら、琴子は優しく直樹の鼻に綿をつめていく 直樹の頬に琴子の指が触れ、額にキスをひとつ落とす 未だ意識の無い直樹の耳元に顔を近づけ、何かを囁きかける 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・覚悟しておけよ」 息苦しさを感じつつおぼろげな意識の中、頬に温かい手の感触と、額に柔らかいものが触れる 遠くで何かを覚悟しておけよと言われた気がした その声がとても優しくて温かくて、私の意識は深く落ちていった |
ナツ
2009年05月30日(土) 22時58分48秒 公開 ■この作品の著作権はナツさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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FjYW3F Click!! | Bradley | ■2015-08-11 02:58:00 | 188.143.232.26 |