桜 パニック 9
 
 
 春 うららかな朝 琴子は大学の授業に行く前に春麗に

 強く忠告していく。

 「いい?!!私が大学に行ってる間…絶対…絶〜対!!

  部屋を出ちゃ駄目だからねっ!!」と春麗に言う

 
 春麗は琴子に貰ったビスケットを朝食代わりに食べながら

 「なぜじゃ?どうせ他の者には我は見えぬぞ…」と琴子に言うと

 琴子は必死な形相で「それはわかってるけど…もし…

 え〜と何だっけ透明?だか無色だか何だか知らないけど周りの人に

 万が一見えちゃったら…大騒ぎになっちゃうから…

 いい?絶対に部屋から出ないでよっ!!!」

 琴子が何度も念を押して言うので春麗は仕方ないと思い

 その場で、とりあえず頷く………が琴子が大学に行った後

 しばらくして春麗は退屈になり…琴子に部屋から出る事を禁止

 されていたが、入江家を探検する…春麗は入江家に有る物が

 何もかも珍しかった…どうせ周りには見えぬのだからと

 フワフワと飛びながら色々な物を見て回る

 そして探検していくうちに…ある事を思いつく☆@!

 そうじゃ…!琴子の想い人…確か入江…直樹と申したか…?

 少し見ただけだが…なかなかの面構えをしておったな…どれ

 直樹と言う殿方を、どんな殿方か探ってみるか…

 春麗は、この時 直樹がハンサムで男前であった為…どんな男性なのか?

 その好奇心の方が勝ってしまい…琴子の約束などスッカリ忘れていた

 春麗は鼻歌を歌いながら直樹を捜しに出掛ける事にした


 一方…その頃、琴子はテニス部で練習中?で玉拾いをしていた

 すると後ろからテニスボールが飛んでくる

 ヒューン…コンッ!!「アイタッ」琴子は思わず後頭部をさすり

 ボールが飛んできた方向を睨み

 「ちょっと痛いじゃないっ!あなたテニスマンとしてマナーを…」

 と言いかけるとテニス服に着替えた直樹が意地悪な笑みをして

 立っていた直樹は琴子にワザと

 「あっ悪りぃ…当たっちゃった…?そんなとこに人がいるなんて

  気づかなかったよ…」と明らかに琴子を、からかっている

 琴子は直樹の人を馬鹿にしたような言葉にムキになって

 「気付かなかったって?!普通判るでしょっ!!」と怒るが

 直樹は「それより…お前まだ玉拾いしてるんだ…凄げぇ…

 いやぁ〜俺なら出来ないなぁ〜」と感心する

 琴子は直樹に負けじと「ほっ…///放っておいてよっ!す…好きなのよ

 玉拾いがっ!!…それより入江くんこそ…どうしたの?

 練習に出るなんて…」と直樹に聞くと瞬間…不機嫌そうに

 眉間に皺を寄せ「須藤さんに…話があるから…無理やり呼ばれた…」と話す


 直樹の言葉に琴子は不思議そうに首を傾げて「ふ〜ん…そうなんだ」

 と直樹と2人の会話を楽しんでると松本裕子が、やってくる

 「あらっ…入江くん来てたの…?!ちょうど良かったわ

  練習相手がヘナチョコで困ってたの…

  入江くん…久し振りに相手してくれる…?」松本裕子はそう言い

 直樹の傍まできて話す…琴子は裕子の登場に何となく引き気味になり

 松本さん……いい香りがする……松本さんって綺麗よね…

 いいなぁ〜大人の女って感じで…あ〜あ私も…もっと美人だったらなぁ〜

 きっと…入江くんも…松本さんのような女性がタイプなんだろうなぁ…

 琴子は2人が会話をしている間…そんな事を考えていた


 そして直樹は裕子の頼みを快く引き受け

 「いいよ…松本なら本気を出してもいけそうだから…」

 直樹がそう言うと裕子は

 「あらっ…いくら私でも入江くんには、かなわないわ…

  お手柔らかに…フフッ…」と微笑んでいる…そこに

 2人が話をしているとまた別のギャラリーがやってきて直樹を呼んだ

 「お〜入江〜↑来たか〜よーし入江が来たとこで少し

  練習をストップして!話があるから皆 集合するようにっ!!!」

 と須藤が手を叩いて集合の合図をするとラケットやボールを置いて

 須藤の元に部員が集まると須藤はどこから持って来たのか?

 ボードに張り紙を貼り

 「みんなっ!時は春!新しい部員も入り我が斗南大学テニス部も

  強く新しく生まれ変わろうとしているっ!!

  そこでっ!!!皆さんとの交流を深める為にも来週の土曜日に

  花見大会を催しをしたいと思うっ!!」

 その言葉に一同部員からブーイングの嵐になり須藤が、それを

 一括する「え〜い!黙れ黙れっ!言っとくがコレは部長命令だっ!!

 絶対に何が何でも参加するように…もし参加しない者は

 フッフッフッフッ…その時は特別強化メニューを君達に

 プレゼントするので覚悟するようにっ!話は以上だっ」とその

 横暴とも思える言葉に部員は、え〜そんなの参加したくありませんとか

 え〜なんでぇ〜とか、それぞれ文句を言いながら練習に戻る

 直樹は須藤の言葉を聞いて…目眩がする思いで額に手をやり

 「あの人……来ないと ひつこいから仕方なく来たけど

  何かと思えば…」とため息をつく

 それに引き替え琴子は呑気に

 「入江くんっ!お花見だって!!なんか楽しみだねぇ〜♪♪♪↑」

 とウキウキしながら話をする琴子を見て直樹は

 「おい……お前…余り飲むなよっ…!!」と琴子に忠告すると琴子は

 「大丈夫よ〜加減して飲むからぁ〜」といつもの調子で言う

 
 琴子は酒を飲むと自分が大虎になる事を知らないらしく

 直樹は以前に琴子の酒癖の悪さを知っているので釘をさしたのだが…

 直樹は琴子に聞こえないように呟く

 
 「もう…あの時のような災難は御免だからな…」と大きな、ため息をついた



 そしてその頃…春麗は直樹を捜しに街の中を飛んでいた
 
 春麗は見た事のない物ばかりで驚いた…街中に建っているビルやお店 

 車に公園どれも珍しく春麗は目を輝かせた…中でも公園に咲いている

 桜に目を奪われ…その桜の木々を見つめる

 その桜は見事に花をつけてはいたが…春麗は何かを思い出したかの

 ように…泣きそうな表情をする

 そして一言呟く……「姫様…」と

 

 

 



 

  

 
華恋
2009年06月02日(火) 09時11分57秒 公開
■この作品の著作権は華恋さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
今回は何とか(^_^;)いつもより早く?更新
出来ました。そこで大学時代と言う事で
須藤さんと松本姉を登場させてみました(笑)須藤さん面白いキャラですし
松本姉も好きですね…皆さんはどうですか?
前回コメントくださったtiemさん びすこさん有難うございました。励みになります!!そして桜パニック
読んでくれている皆様…楽しんで頂けてるんでしょうか?そんな事を考える華恋です。 

この作品の感想をお寄せください。
う〜ん!お花見どんな展開になるか楽しみですね。春麗の呟いた「姫様…」って…、気になります。次回も楽しみにしていますね! びすこ ■2009-06-04 15:30:28 58.183.216.110
華恋さん、お待ち申し上げておりました。
琴子は春麗に部屋を出たら駄目だと念を推してテニスの練習に。
そこに直樹が現れて琴子を冷やかして、その後松本姉とテニスをという時に須藤先輩の声賭けでお花見決定です。直樹に飲みすぎるなと。
琴子の留守の間に直樹を偵察目的の春麗姿が見えないことをいいことに、
街中フラフラです。そこで綺麗な桜を発見です。
春麗、桜を見て姫様です。
どうしたのでしょう、涙も出てきそうな気配ですが。
凄く気になる展開なのですが。
直樹と春麗巡りあえるのでしょうか。
tiem ■2009-06-02 14:40:22 125.175.178.181
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