流れ星夜
何を願いますか?アナタの願いが一つだけ叶います。
本当に一生に一度、無い方が当然なほど、偶然の中にアナタはいます。

さぁ何でも聞きますよ。
億万長者ですか、不老不死ですか?

『願い……。入江くんと一緒に旅行に行くことかなぁ』

何ですか?
まったく億万長者にだって、不老不死だってしてあげられるワタシが、どうしてそんなチンケな願いを叶えなくてはならないのですか。
まぁ、叶えられると豪語しているのはワタシですから、叶えますけど。
もう少し欲張ってはどうです。

『あ、それでも一番はやっぱり「好き」って言ってもらうことだなぁ』

ああ、なんですか。
感情操作がお望みですか。良いですよ。旅行させてあげるより、楽しいお願い事じゃないですか。
さ、その入江くんとやらは何処かな。
……ああ、あの人ですか。
確かに感情操作してまで手に入れたくなる、男ではありますね。さて、じゃこの男の気持ちをまずは探りますか。

ん?あれ?

おかしすぎますね。どれ、ワタシの術が間違っているのでは、ないはずなんですがねぇ。
女は君の気持ちを欲しがっていたようですが、君の方があの女への気持ちが強いようですね。
は、つまらない。
つまりは何ですか?ワタシはバカップルの掌の上で踊らされていたということですか。
まったくこんな千載一遇のチャンス、活かさない奴なんて数億年ぶりに見ました。
わざわざワタシが動かすまでないじゃないですか。
君たちは両思いですよ。
でも何もせずにいくのは楽しくないですね。どれ?流れ星夜にふさわしい最後をワタシの手で演出しましょうか。たまにはバカップルを見るのも悪くない。
ほら、ロマンチックな夜でしょう。流星夜。
ワタシはもう旅立ちますよ。

『わぁ素敵!』

君の喜ぶ顔が見れて良かったです。
ワタシはただ欲に塗れた世界の住人ですから、たまには純白な住人と接するのは刺激的で良いですよ。
では入江くんとやらとお幸せに……。

次は流れ星夜の日に、何処の誰に会うのでしょう。
ワタシはまた楽しみでなりませんね。

……あ、ワタシとしたことがすっかり忘れていました。
願いは無償では叶いませんよね。なので、一応代価を頂かなくては。危ない、危ない。雰囲気に流されて帰るところでした。
しかし困りましたね。ワタシは空腹を満たしたいのですが、食料は人間の闇の感情。つまり憎しみや、悲しみ、という感情なわけです。

はは、これが最後の2人っきりの夜ですよ。君と入江くんのね。
朱音
http://m-pe.tv/u/page.php?uid=yukigata12&id=1
2009年06月12日(金) 20時53分32秒 公開
■この作品の著作権は朱音さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
お久しぶりです。ちょっと忙しかったのですが、なんとか作品を書くことが出来ました。前回、コメントを下さったお方、ありがとうございました。
コメントを返そうと思ったのですが、なにぶんコメントが下手な私なので、なかなか思いを文字に出来なくて、すみません。

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こんばんわ〜ナツです。
盛り上げるだけ盛り上げて最後に落とすとは・・・・恐ろしい(笑)

ナツ ■2009-06-13 01:18:27 119.105.226.21
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