「これ…私たちから!」
そうして……三人は仲良く、琴子にプレゼントを渡した。
「何かしら??」
かわいらしい花柄の包装紙を開いて出て来たもの………
それは!!
ジャーン!!
『餃子メーカーくる●んパオ!』
今話題の子供向け料理玩具……。
「いいでしょ??これならおママも上手に作れるし!パパにも食べてもらえるでしょ?」
やはり、未だに琴子の料理の腕は上がっていないらしく…
三人は迷わずこれに決めたのだった。
「ははは…ありがとう。ママお料理頑張るね」
下の子が、それを選んだと後から聞かされ、そんなに料理の腕が酷いものかと
やや落ち込む琴子の目に一枚の手紙が止まった。
「あ…手紙も書いてくれたのね」
あぁ…これでもっとお料理頑張ってなんて書いてあるとか??
更に駄目だしされるのかと、恐る恐る開く。
−−ママへ−−
いつもパパがいちばんだいすきなママがだいすき
「これ……」
たどたどしい字で書かれているそれを見て首をかしげる琴子に
下の子が自分が書いたと騒ぐのにお姉ちゃんが補足を入れた。
「これね毎年、お誕生日おめでとうって内容じゃつまらないかなぁって
思って…。他になんでもいいからって書いてごらんって…でそれ…
…私もそう思ってるよ、ママ」
「僕も!」
三人の笑顔にもう一度、手紙に目を落とし琴子は目を潤ませる。
家事は駄目なことだらけだけど、入江くんが大好き…って思いは
子供たちにも胸を張っていえることだもんね。
そんなママを大好きって言ってくれてうれしい。
そしてその手紙を丁寧にたたむと満面の笑みをこぼして三人を抱きしめた。
「……ありがとう!!」
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