岩瀬順一氏からもらったTコードの表をもとに、 Tコードによる日本語入力ルーチン等をいくつか作成しています。 いわゆる“辞書”の必要がなく、コーディングが簡単なのが特徴です。
ここには、コーディングや利用の際に必要なことを、 私が理解したように記します。 由来などは上述の岩瀬順一氏のページをご覧になってください。 (たいしたことは書いてありませんが。)
英文などのタイピングを練習した人は、 指の分担をご存知だと思います。 最上段の指づかいには二通りあります。 (二つの図のキーの配置が少々違うのは説明のためで、 キーボードに違いがあるわけではありません。)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | - | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Q | W | E | R | T | Y | U | I | O | P | Q | W | E | R | T | Y | U | I | O | P | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A | S | D | F | G | H | J | K | L | ; | A | S | D | F | G | H | J | K | L | ; | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Z | X | C | V | B | N | M | , | . | / | Z | X | C | V | B | N | M | , | . | / | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
小 指 | 薬 指 | 中 指 | 人 差 し 指 | 人 差 し 指 | 中 指 | 薬 指 | 小 指 | 小 指 | 薬 指 | 中 指 | 人 差 し 指 | 人 差 し 指 | 中 指 | 薬 指 | 小 指 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
左手 | 右手 | 左手 | 右手 |
Tコードでは、左の図の指づかいを用い、図の中のキーのみを使います。 (右の指づかいに対応するように変更することも簡単ですが。)
Tコードとは、 「第一ストローク」「第二ストローク」 と呼ばれる二つのキーの組み合わせに文字を対応させたものです。 「第一ストローク」「第二ストローク」の順でキーを打てば、 その組み合わせに対応する文字が入力されます。 使うキーは全部で四十なので、 組み合わせの総数は 40 × 40 = 1600 ですが、 打ちにくい組み合わせは除いてあるため、 Tコードのふられた文字の総数は約 1200 となっています。
次が、Tコードの一覧表です。 山田尚勇先生の研究室から岩瀬順一氏が 「公開可」ということでいただいてきた印刷物を、 ずっと前に私がパソコンに打ち込んで 98 用 FEP のアセンブリ言語のソースファイルとしたものを、 あるとき私がC言語のソースファイル用にコンバートしたもの、 からの引用です。 コードそのものは完全にオリジナルのまま(のつもり)ですが、 細かいスタイルなどの本質的でない部分で異なっているかもしれません。 特に、 二重引用符「" "」はC言語でこれらを文字列データとして扱うためにつけたものです。
/* 左手(内枠)→左手(外枠) */
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"ヲ●●●●" "ゥ●●●●" "ヴ●●●●" "ヂ●●●●" "ヅ●●●●"
"果告策首農" "概買詳由死" "武残両在!" "風階能論増" "細古利ペゃ"
"報紙館夜位" "音王放々応" "案曲情引職" "横興刺側覚" "崎白ぐ官球"
"欠夏彼妻善" "財針裏居差" "従骨厚顔量" "適類御宇推" "母奥因酒伸"
"ぱ●●●●" "ぴ●●●●" "ぷ●●●●" "ぺ●●●●" "ぽ●●●●"
"収際太園船" "若雄査ふ賞" "指氏丸続ェ" "ぎ格次習火" "思術広門聞"
"種岡結進真" "宅熟待取科" "料土活ね参" "受予切育池" "英ボ加室少"
"ヒ江別考権" "及久蔵早造" "投義算半県" "込沢軍青清" "転空性使級"
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"徳渡守登退" "械刊訪融雨" "帝始了極熱" "読鈴恐督況" "族丁未才返"
"件友卒初慣" "宮伊求技写" "局頭配黒院" "向府富直倉" "割ぶ番望元"
"ヨ誤証含%" "判規感値ギ" "済吉ゆ器昭" "説週号葉派" "休省央福毎"
/* 右手(内枠)→左手(外枠) */
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"請境系探象" "尚賀岸責漁" "舎喜幹丘糖" "布苦圧恵固" "姿絶密秘押"
"盛革突温捕" "益援周域荒" "康徒景処ぜ" "邦舞雑漢緊" "衆節杉肉除"
"依繊借須訳" "織父枚乱香" "譲ヘ模降走" "激干彦均又" "測血散笑弁"
"酸昼炭稲湯" "貿捜異隣旧" "攻焼闘奈夕" "盤帯易速拡" "汽換延雪互"
"歩回務島開" "キせ区百木" "や出タ手保" "コ山者発立" "ナ金マ和女"
"給員ど代レ" "分よル千ア" "7か(トれ" "きっ日国二" "上く8え年"
"相家的対歴" "付プばュ作" "内工八テ見" "九名川機チ" "サ建パ第入"
"桜瀬鳥催障" "典博筋忠乳" "採謡希仏察" "君純副盟標" "犯余堀肩療"
"中スもお定" "わラ東生ろ" "う4)十リ" "あこ6学月" "本さら高シ"
"3と〇てる" "ーした一が" "い、の51" "。◆0・2" "ではになを"
"ッ人三京ち" "ロク万方フ" "んまンつ四" "けイす電地" "業時「長み"
"呼幅歓功盗" "紀破郡抗幡" "房績識属衣" "去疑ぢ綿離" "秒範核影麻"
"店持町所ほ" "全じ自議明" "バ部六経動" "後間場ニ産" "問ム七住北"
"行ド円小ジ" "通カ社野同" "だり−め大" "新」9子五" "事田会前そ"
"海道ず西げ" "当理メウグ" "不合面政オ" "委化ビ目市" "気売下都株"
/* 左手(内枠)→右手(外枠) */
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"湖礼著移郷" "端飾郵塩群" "刷寿順危砂" "震扱片札乞" "弘痛票訴遺"
"償欧努底亜" "紅傷豪維脱" "舗充喫腕暴" "輪倒操柄魚" "則存倍牛釈"
"禁硝樹句礎" "絹被源願臨" "批慶渉竜併" "就駐揮丹鮮" "綱潟創背皮"
"簡徴触宗植" "承章候途複" "快否歯筆里" "包納頼逃寝" "唱暮憲勉罪"
"害賃整軽評" "撃折追隊角" "浴秀糸春幸" "積程断低減" "故鉱提児敷"
"服声任検豊" "変審改昇芸" "限研労統役" "逆企精ざ印" "令違装然確"
"爆仲茶率比" "陽構旅施曜" "ァ導認健尾" "殺負何履般" "券悪秋非便"
"朱遅甲致汎" "陣鶴鹿貨絡" "眼繁誌招季" "執紹夢卸阿" "岳刑弱雲窓"
"病終起路越" "常張薬防得" "寺質づ港条" "停領容玉右" "河置供試席"
"勢必講愛管" "輸形助◆流" "基好味宝争" "足草築観言" "婦段衛額渋"
"素兵専親寮" "毛永申袋良" "等浅頃落命" "板客師税飛" "伝庭課着坂"
"欲巣茂述朗" "迫災恋脳老" "留列刻豆看" "替沼?辞献" "還更占箱矢"
"帰庁昨跡ゲ" "監寄裁達芝" "竹注介具失" "ゅ修究答養" "志抜航層深"
"億録赤想消" "色貸販編仕" "左態花栄ザ" "ぬ展警型誰" "根様独止堂"
"図挙険ゼ波" "之末ぼ街免" "州払乗庫状" "例満津準遊" "字材過諸単"
/* 右手(内枠)→右手(外枠) */
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"佐法数郎談" "接備最急験" "記朝知ワ送" "モ資士費ィ" "無石屋解募"
"美題井洋実" "宿制集安画" "セ運ツ特谷" "神び打勤ャ" "優公品語演"
"昔短岩巨敗" "遠ォ将ぞ塚" "序振練念働" "耳授版効視" "示即難普辺"
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"む南原駅物" "ケ式戦関男" "話座線ダ橋" "べ民ソ点遇" "期ゾ歳強係"
"要設水藤有" "連鉄教力ベ" "デ現エ他度" "車成天世文" "主映書可へ"
"ホ共ブ平楽" "私ゴ来信午" "村ガ製校ご" "ノ完重約各" "近外米ョ光"
"●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●" "●●●●●"
"洗羽個医静" "響忘討史環" "司迎華許補" "復並浦ユ冷" "担陸巻競護"
"支協用表正" "先多商ハ交" "調混ポ決ミ" "組選党択体" "銀以ヌ営治"
"ヤ心界意今" "再ネ〜口台" "団計夫食総" "戸ひょ価与" "身ピ勝反ズ"
表は
では、 「右手(内枠)→左手(外枠)」の部分にある文字「月」で、 表の見方を説明しましょう。 この文字は「◆」の右上にあります。
まず、「月」を含むかたまり
"君純副盟標"
"あこ6学月"
"。◆0・2"
"けイす電地"
の中の二十個の文字を、右手が担当する二十のキーとみなします。
すると、「月」は
* | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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次に、かたまりを一つのものと考え、「月」を含むかたまり
"君純副盟標"
"あこ6学月"
"。◆0・2"
"けイす電地"
が二十個のかたまりの中でどの位置にあるかを考えます。
「月」以外の文字を「*」で置き換えて表を再掲しましょう。
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "****月" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
"*****" "*****" "*****" "*****" "*****"
これら二十個のかたまりを左手が担当する二十のキーとみなすと、
「月」を含むかたまりは
* | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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1 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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2 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
一覧表の他の部分にある文字についても同様です。
一覧表の中の「●」は、 使われていない組み合わせです。 二つある「◆」は、 左右の人差し指がホームポジションで打つキーの組み合わせですが、 これらは拡張用にリザーブされています。 「◆」が入力されるのではありません。
上で説明に使った「月」のコードですが、 絶対に「アルファベットの*に続いて*を打てば入力できる」 と覚えてはいけません。 このことは、練習の際に強く言われたそうです。 それは、「月」という文字を見たり思いうかべたりしただけで さっと指が動いて「月」のコードを打ち込めるように訓練すべきだからで、 「アルファベットの*に続いて*」と覚えてしまうと、 「月」からそのアルファベットの組み合わせを思い浮かべ、 それから指が動くのでうまくないのだそうです。