すのものの「midi のピッチベンドで純正律を(その1)」

私は音感がよくないので、間違いを含んでいる可能性があります。

平均律と純正律の音程の違いを聞き分ける自信はありませんが、 平均律の場合に聞こえる「わうわうわう」といううなりが、 純正律では聞こえにくくなることはわかります。 (平均律の「わうわうわう」の速さは、音域にもよりますが、 「わうわうわう」でおよそ1秒ほどです。)

平均律、ピタゴラス音律、純正律による I-V-I のカデンツ(長調の場合)

すのもの「純正律について」(その4)』 の表を利用して、MML 言語で平均律の響きを実現する試みである。 理論的側面については 『すのもの「純正律について」(その1)』 を参照されたい。

その表の中ほどに、C の下に 8192 と書かれた箇所がある。 BW8192 はピッチベンドをしないという意味だから、 単に C と書いてもよい。 われわれはこの C を基準に音程を決めてゆく。

この C を含む行の音だけからなる音律 C-D-E-F-G-A-H-C がピタゴラス音律である。 たとえば E の下には 8512 と書かれているので、 e の直前に BW8512 と書くと、ピタゴラス音律における E の音が鳴る。

純正律については、その表において、 『すのもの「純正律について」(その1)』 で述べたように、「品」の字の形をなす三つの音が長三和音である。 だから、E は 7631 であり、BW 7631 e と書けばその音が鳴る。

ソースは次の通り。音色は Church Organ を用いている。

#german

;               平均律           ピタゴラス音律                     純正律
A C1 p0   @19 r >c1 <h1  >c1 r1  BW8192 c1 BW7711 <h1 BW8192 >c1 r1        c1 BW7711 <h1 BW8192 >c1 r1
B C2 p42  @19 r  g1  g1   g1 r1  BW8272 g1         g1         g1 r1        g1         g1         g1 r1
C C3 p84  @19 r  e1  d1   e1 r1  BW8512 e1 BW8352  d1 BW8512  e1 r1 BW7631 e1 BW8352  d1 BW7631  e1 r1
D C4 p127 @19 r  c1 <g1  >c1 r1  BW8192 c1 BW8272 <g1 BW8192 >c1 r1        c1 BW8272 <g1 BW8192 >c1 r1

次が、これを mml2mid.exe を用いて変換した midi ファイル I_V_I.mid である。

平均律、ピタゴラス音律では「わうわうわう」といううなりが聞こえるが、 純正律にはそれがない。

2011-06-16 (4) 23:56:50 +0900

.mid ファイルは音程などの情報だけを含むもので、 音そのものは、再生するコンピュータが持っているものを使う。 そのため、コンピュータによって違う音が聞こえることがありえる。

また、再生途中に一部をとばしたり、戻ったりすると、 予期せぬ音程で再生されることがあるようである。

2011-06-19 (0) 23:29:50 +0900

PC の midi ではピッチベンドが 1 セント単位だと気づいてから計算し直したものとの比較。 midi ファイルは I_V_I_b.mid, ソースは以下のとおり。

#german

;               純正律(前に計算したもの)          純正律(今回計算したもの)
A C1 p0   @19 r BW8192  c1 BW7711 <h1 BW8192 >c1 r1 BW8192  c1 BW7701 <h1 BW8192 >c1 r1
B C2 p42  @19 r BW8272  g1         g1         g1 r1 BW8274  g1         g1         g1 r1
C C3 p84  @19 r BW7631  e1 BW8352  d1 BW7631  e1 r1 BW7619  e1 BW8356  d1 BW7619  e1 r1
D C4 p127 @19 r BW8192 >c1 BW8272 <g1 BW8192 >c1 r1 BW8192 >c1 BW8274  g1 BW8192 >c1 r1
第五音である G, D の音程がそれぞれ 1 セントあがっている。

2011-07-21 (4) 00:53:17 +0900

平均律と、第七音を短七度上にとった V7 と、4:5:6:7 の V7

第七音を短七度上にとると、周波数比は 4:5:6:36/5 となる。 4:5:6:7 ととったものと比べると、第七音の周波数は 36/35 倍になる。

次の和声進行は、 外崎幹二・島岡譲著「和声の原理と実習」(音楽之友社、1958 年)p86 の課題の解答から引用した。

#german
#swap<>

;                    平均律           純正律(F は 4/3)             純正律(F は 21/16)           G7 のみ再度比較
A C1 @19 p0   t32 o5 BW8192 c >h <c r BW8192 c BW7711 >h BW8192 <c r BW8192 c BW7711 >h BW8192 <c r BW7711 >h1 BW7711 h1
B C2 @19 p43      o4 BW8192 g  g  g r BW8272 g BW8272  g BW8272  g r BW8272 g BW8272  g BW8272  g r BW8272  g1 BW8272 g1
C C3 @19 p86      o4 BW8192 e  f  e r BW7631 e BW8112  f BW7631  e r BW7631 e BW6995  f BW7631  e r BW8112  f1 BW6995 f1
D D4 @19 p128     o3 BW8192 c  g  c r BW8192 c BW8272  g BW8192  c r BW8192 c BW8272  g BW8192  c r BW8272  g1 BW8272 g1

次が、これを mml2mid.exe を用いて変換した midi ファイル I_V7_I.mid である。 36/35 の音程の差が、はっきりと聞き取れる。

2011-06-20 (1) 23:30:47 +0900

F は 27/20 にとるほうが、D の短三度上となってより適切かと思い、 作りなおしてみた。 midi ファイルは I_V7_I_b.mid, プログラムは次のとおりである。

#german
#swap<>

;                    平均律           純正律(F は 27/20)           純正律(F は 21/16)           G7 のみ再度比較
A C1 @19 p0   t32 o5 BW8192 c >h <c r BW8192 c BW7711 >h BW8192 <c r BW8192 c BW7711 >h BW8192 <c r BW7711 >h1 BW7711 h1
B C2 @19 p43      o4 BW8192 g  g  g r BW8272 g BW8272  g BW8272  g r BW8272 g BW8272  g BW8272  g r BW8272  g1 BW8272 g1
C C3 @19 p86      o4 BW8192 e  f  e r BW7631 e BW8993  f BW7631  e r BW7631 e BW6995  f BW7631  e r BW8993  f1 BW6995 f1
D D4 @19 p128     o3 BW8192 c  g  c r BW8192 c BW8272  g BW8192  c r BW8192 c BW8272  g BW8192  c r BW8272  g1 BW8272 g1

2011-06-23 (4) 00:46:01 +0900

PC の midi ではピッチベンドが 1 セント単位だと気づいてから計算し直したもの。 midi ファイルは I_V7_I_c.mid, ソースは以下のとおり。

#german
#swap<>

;                    平均律           純正律(F は 27/20)           純正律(F は 21/16)           G7 のみ再度比較
A C1 @19 p0   t32 o5 BW8192 c >h <c r BW8192 c BW7701 >h BW8192 <c r BW8192 c BW7701 >h BW8192 <c r BW7701 >h1 BW7701 h1
B C2 @19 p43      o4 BW8192 g  g  g r BW8274 g BW8274  g BW8274  g r BW8274 g BW8274  g BW8274  g r BW8274  g1 BW8274 g1
C C3 @19 p86      o4 BW8192 e  f  e r BW7619 e BW9012  f BW7619  e r BW7619 e BW7005  f BW7619  e r BW9012  f1 BW7005 f1
D D4 @19 p128     o3 BW8192 c  g  c r BW8192 c BW8274  g BW8192  c r BW8192 c BW8272  g BW8192  c r BW8274  g1 BW8274 g1
G, F の音程がそれぞれ 1 セントあがっている。

2011-07-21 (4) 00:58:56 +0900

いろいろな長三和音を平均律と純正律で聞き比べる

「その4」の表を試すため、 いろいろな長三和音を平均律と純正律で演奏してみた。 根音は、表の中ほどの基準にとった C から、 時計回りのうずまき状に選んだ。

また、平均律の長三和音の根音は、純正律のそれと同じにした。 よって、C-dur 以外は、根音は平均律の音からずれている。 こうやって純正律と比べたほうがわかりやすいと感じたからである。

#german
#swap<>

A C1 @19 t16
B C2 @19
C C3 @19

;    C 8192                G 8272                Es 8833                 As 8753
A o4 BW8192g BW8272g r8 o4 BW8272d BW8352d r8 o4 BW8833b  BW8913b  r8 o4 BW8753e- BW8833e- r8
B o4 BW8192e BW7631e r8 o3 BW8272h BW7711h r8 o4 BW8833g  BW8272g  r8 o4 BW8753c  BW8192c  r8
C o4 BW8192c BW8192c r8 o3 BW8272g BW8272g r8 o4 BW8833e- BW8833e- r8 o3 BW8753a- BW8753a- r8

;    F 8112                A 7551                  E 7631                  H 7711
A o5 BW8112c BW8192c r8 o4 BW7551e  BW7631e  r8 o4 BW7631h  BW7711h  r8 o4 BW7711f+ BW7792f+ r8
B o4 BW8112a BW7551a r8 o4 BW7551c+ BW6991c+ r8 o4 BW7631g+ BW7071g+ r8 o4 BW7711d+ BW7151d+ r8
C o4 BW8112f BW8112f r8 o3 BW7551a  BW7551a  r8 o4 BW7631e  BW7631e  r8 o3 BW7711h  BW7711h  r8

;    D 8352                  B 8913                Ges 9473                Ces 9393
A o4 BW8352a  BW8432a  r8 o4 BW8913f BW8993f r8 o5 BW9473d- BW9553d- r8 o4 BW9393g- BW9473g- r8
B o4 BW8352f+ BW7792f+ r8 o4 BW8913d BW8352d r8 o4 BW9473b  BW8913b  r8 o4 BW9393e- BW8833e- r8
C o4 BW8352d  BW8352d  r8 o3 BW8913b BW8931b r8 o4 BW9473g- BW9473g- r8 o4 BW9393c- BW9393c- r8

;    Fes 9313                Des 8673                B 8032                D 7471
A o5 BW9313c- BW9393c- r8 o4 BW8673a- BW8753a- r8 o4 BW8032f BW8112f r8 o4 BW7471a  BW7551a  r8
B o4 BW9313a- BW8753a- r8 o4 BW8673f  BW8112f  r8 o4 BW8032d BW7471d r8 o4 BW7471f+ BW6991f+ r8
C o4 BW9313f- BW9313f- r8 o4 BW8673d- BW8673d- r8 o3 BW8032b BW8032b r8 o4 BW7471d  BW7471d  r8

;    Fis 6911                Cis 6991                Gis 7071                Dis 7151
A o5 BW6911c+ BW6991c+ r8 o4 BW6991g+ BW7071g+ r8 o4 BW7071d+ BW7151d+ r8 o4 BW7151a+  BW7231a+  r8
B o4 BW6911a+ BW6350a+ r8 o4 BW6991e+ BW6430e+ r8 o4 BW7071h+ BW6510h+ r8 o4 BW7151f++ BW6590f++ r8
C o4 BW6911f+ BW6911f+ r8 o4 BW6991c+ BW6991c+ r8 o3 BW7071g+ BW7071g+ r8 o4 BW7151d+  BW7151d+  r8

次が、これを mml2mid.exe を用いて変換した midi ファイル majors.mid である。 平均律で聞こえる「わうわうわう」が純正律ではかなり消えることがわかる。 (前に“聞こえない”と書いたが、それは言いすぎだった。)

2011-06-21 (2) 22:41:00 +0900

PC の midi ではピッチベンドは 1 セント単位だと気づいた。 調による響きの違いの原因はそれを知らずに 1 セント違う音を鳴らしていたことにあるのであろう。 よって、これは、作り直す必要はないように思うので作り直さない。

2011-07-21 (4) 23:51:41 +0900

平均律、ピタゴラス音律、純正律による I-V-I のカデンツ(短調の場合)

#german
#swap<>

;               平均律           ピタゴラス音律                      純正律
A C1 p0   @19 r <c1 >h1  <c1 r1  BW8192  c1 BW8592 >h1 BW8192 <c1 r1         c1 BW7711 >h1 BW8192 <c1 r1
B C2 p42  @19 r  g1  g1   g1 r1  BW8272  g1         g1         g1 r1         g1         g1         g1 r1
C C3 p84  @19 r e-1  d1  e-1 r1  BW7952 e-1 BW8352  d1 BW7952 e-1 r1 BW8833 e-1 BW8352  d1 BW8833 e-1 r1
D C4 p127 @19 r  c1 >g1  <c1 r1  BW8192  c1 BW8272 >g1 BW8192 <c1 r1         c1 BW8272 >g1 BW8192 <c1 r1

次が、これを mml2mid.exe を用いて変換した midi ファイル I_V_I_moll.mid である。

2011-06-21 (2) 22:52:40 +0900

上のプログラムで、 ピタゴラス音律の H を誤って純正律の H にとっていたのを、 訂正した。

次に示すのは、 PC の midi ではピッチベンドが 1 セント単位だと気づいてから計算し直したもの。 midi ファイルは I_V_I_moll_b.mid, ソースは以下のとおり。

#german
#swap<>

;               平均律           ピタゴラス音律                      純正律
A C1 p0   @19 r <c1 >h1  <c1 r1  BW8192  c1 BW8602 >h1 BW8192 <c1 r1         c1 BW7701 >h1 BW8192 <c1 r1
B C2 p42  @19 r  g1  g1   g1 r1  BW8274  g1         g1         g1 r1         g1         g1         g1 r1
C C3 p84  @19 r e-1  d1  e-1 r1  BW7947 e-1 BW8356  d1 BW7947 e-1 r1 BW8848 e-1 BW8356  d1 BW8848 e-1 r1
D C4 p127 @19 r  c1 >g1  <c1 r1  BW8192  c1 BW8274 >g1 BW8192 <c1 r1         c1 BW8274 >g1 BW8192 <c1 r1

G, D は 1 セントあがった。 ピタゴラス音律の H, 純正律の Es も 1 セントあがった。

2011-07-22 (5) 00:04:00 +0900

もしもハ長調が純正律になるようピアノを調律したら

D のとり方に二通りあるが、G の完全五度上にとると次のようになる。 midi ファイルは scale.mid, プログラムは以下のとおり。

#german
#swap<>

A C1 t64 @0 BW8192c BW8352d BW7631e BW8112f BW8272g BW7551a BW7711h BW8192<c

黒鍵の音は、 『すのものの「純正律について」(その1)』 に書いたように、As-dur と c-moll は C-dur と両立できるので、 それらが両立できるように選んだ。 Fis = Ges はこれらの調性には現れないが、フラット系ということで、 Des の完全五度下の Ges にした。 こうして半音階を演奏すると次のようになる。 midi ファイルは scale2.mid, プログラムは以下のとおり。

#german
#swap<>

A C1 t64 @0 BW8192c BW8673d- BW8352d BW8833e- BW7631e BW8112f BW8592g- BW8272g BW8753a- BW7551a BW8913b BW7711h BW8192<c

仮に上のようにピアノを調律したとして、 C-dur, As-dur から最も遠い E-dur の音階をひいてみると、 次のようになる。 midi ファイルは scale3.mid, プログラムは次のとおり。

#german
#swap<>

A C1 t64 @0 BW7631e BW8592g- BW8753a- BW7551a BW7711h BW8673<d- BW8833e- BW7631e 

2011-06-21 (2) 23:05:22 +0900

ピッチベンドのテスト

Gis の全音下げ、G の半音下げ、Fis, F の半音上げ、E の全音上げは、 同じ音になるはずである。 まず、同じ音を鳴らし、次にこれらの音を同時に鳴らすことを二度くり返したのち、 それぞれの音を単独で鳴らす。 midi ファイルは bendtest1.mid, プログラムは次のとおりである。

#german
#swap<>

A C1 t48 @19 BW8192f+2 r BW0g+2    r BW8192f+2 r BW0g+2    r2 r        r        r        r       BW0g+ r
B C2     @19 BW8192f+2 r BW4096g2  r BW8192f+2 r BW4096g2  r2 r        r        r        BW4096g r     r
C C3     @19 BW8192f+2 r BW8192f+2 r BW8192f+2 r BW8192f+2 r2 r        r        BW8192f+ r       r     r
D C4     @19 BW8192f+2 r BW12288f2 r BW8192f+2 r BW12288f2 r2 r        BW12288f r        r       r     r
E C5     @19 BW8192f+2 r BW16383e2 r BW8192f+2 r BW16383e2 r2 BW16383e r        r        r       r     r
実際には、これら五つの音を同時にならすと「わうわうわう」とうなりが発生する。 BW16383 とあるのはこれが限界だからであって、 本当に全音あげるには 16384 とせねばならない。

それを取り除いてみよう。 midi ファイルは bendtest2.mid, プログラムは次のとおりである。

#german
#swap<>

A C1 t48 @19 BW8192f+2 r BW0g+2    r BW8192f+2 r BW0g+2    r2 r        r        r        r       BW0g+ r
B C2     @19 BW8192f+2 r BW4096g2  r BW8192f+2 r BW4096g2  r2 r        r        r        BW4096g r     r
C C3     @19 BW8192f+2 r BW8192f+2 r BW8192f+2 r BW8192f+2 r2 r        r        BW8192f+ r       r     r
D C4     @19 BW8192f+2 r BW12288f2 r BW8192f+2 r BW12288f2 r2 r        BW12288f r        r       r     r

2011-06-22 (3) 01:09:59 +0900

ピッチベンドの精度の実験

初めは二つの音に同じだけピッチベンドをかけ、 片方を +1, +2, +4, ..., +8192 してみる実験。 midi ファイルは bendtest3.mid, プログラムは次のとおりである。

#german

;                 +0       +1       +2       +4       +8         +16      +32      +64      +128     +256
A C1 p0   t32 @19 BW10000c BW10000c BW10000c BW10000c BW10000c r BW10000c BW10000c BW10000c BW10000c BW10000c r
B C2 p127     @19 BW10000c BW10001c BW10002c BW10004c BW10008c r BW10016c BW10032c BW10064c BW10128c BW10256c r


; +512     +1024    +2048    +4096    +8192
A BW10000c BW10000c BW10000c BW10000c BW10000c r
B BW10512c BW11024c BW12048c BW14096c BW18192c r
いまの私の環境では、違って聞こえるのは +64 からである。 +512 までは、音に厚みが出ているな、と感じる。 これを越えると不快な音になる。 mml には BS というコマンドもあり、 これは精度が BW の 1/128 である。 しかし、BW で +64 から違いがわかるということは、 BS でなく BW を使う意義がある、ということだ。

2011-06-22 (3) 23:59:36 +0900

長三度の精度の実験

前項の、±64 すればはっきり音が違って聞こえるという結果を踏まえて、 計算で求めた長三度を、64 だけ狭めたり広げたりして比較しよう。 ついでに、その後、1 だけ狭めたり広げたりしての実験も行なう。 midi ファイルは bendtest4.mid, プログラムは次のとおりである。

#german

;            平均律    純正律-64 純正律  純正律+64
A C1 t16 @19 e      r8 BW7567e   BW7631e BW7695e   r4
B C2     @19 c      r8 BW8192c   BW8192c BW8192c   r4

; 平均律    純正律-1 純正律  純正律+1
A e      r8 BW7630e  BW7631e BW7632e
B c      r8 BW8192c  BW8192c BW8192c
純正律-64, 純正律+64 は、純正律と比べると「わうわうわう」が聞こえる。

BW7631 は、E を 386.303710... セントで演奏することになる。 純正律で 5/4 にとれば 386.313714 なので、誤差は約 0.010004 セントとなり、 半音の 10000 分の 1 ほどである。 (音源の側に、これだけの精度があれば、の話だが。)

2011-06-23 (4) 00:22:21 +0900

C-dur と G-dur の響きの違い

最初の実験で、C-dur の I-V-I を試したが、 I でほとんど聞こえない「わうわうわう」が V では聞こえる。 前者では根音は BW8192, 後者のそれは BW8272 である。 その違いではないかと考え、試してみた。 midi ファイルは C-dur_G-dur.mid, ソースは以下のとおりである。

#german

A C1 @19 t16
B C2 @19
C C3 @19

; 8192 の C-dur
A o4 BW8272g r8
B o4 BW7631e r8
C o4 BW8192c r8

; 8192 の G-dur
A o5 BW8272d r8
B o4 BW7631h r8
C o4 BW8192g r8

; 8272 の G-dur
A o5 BW8352d r8
B o4 BW7711h r8
C o4 BW8272g r8

; 8272 の C-dur
A o4 BW8352g r8
B o4 BW7711e r8
C o4 BW8272c r8
四つの音の順番を変えると違って聞こえる。 また、まったく同じソースファイルでも違って聞こえることがあるような気がする。 わからない。

2011-06-25 (6) 23:50:48 +0900

ファ‐ミをいろいろな音程でとってみる

midi ファイルは fa_mi.mid, ソースは以下のとおり。

;               平均律            純正律  21/16(4:5:6:7 の第七音)
A C1 @19 t64 o5 BW8192f BW8192e r BW6995f BW7631e r

;               平均律            純正律  27/20(G の完全五度+短三度上)
A            o5 BW8192f BW8192e r BW8993f BW7631e r

;               平均律            純正律  4/3(普通の純正律)
A            o5 BW8192f BW8192e r BW8112f BW7631e r
二番目の純正律はかなり変に聞こえる。 25/27 という簡単な整数の比ではない音程だけさがるせいか。

2011-07-02 (6) 00:55:24 +0900

I-VI-II-V-I の II における第二音の音程のとりかた

C-dur で考え、C を BW8192 にとると、 V の G は完全五度上の BW8272 であるから D はさらに完全五度上の BW8352 である。 II の D もその音程にとると、F とはピタゴラス音律の短三度をなし、 響きが濁る。ここは D を F の短三度下の BW7471 にとるべきである。

midi ファイルは I-VI-II-V-I.mid, ソースは下のとおり。

#german

;                平均律                純正律(II の D の音程が不適切)                 純正律(II の D の音程が適切)
A C1 @19 p0  t32 o5 c c d o4 h o5 c r4 BW8192c BW8192c BW8352d o4 BW7711h o5 BW8192c r4 BW8192c BW8192c BW7471d o4 BW7711h o5 BW8192c
B C2 @19 p42     o4 g a a    g    g r4 BW8272g BW7551a BW7551a    BW8272g    BW8272g r4 BW8272g BW7551a BW7551a    BW8272g    BW8272g
C C3 @19 p85     o4 e e f    d    e r4 BW7631e BW7631e BW8112f    BW8352d    BW7631e r4 BW7631e BW7631e BW8112f    BW8352d    BW7631e
D C4 @19 p127    o3 c a d    g    c r4 BW8192c BW7551a BW8352d    BW8272g    BW8192c r4 BW8192c BW7551a BW7471d    BW8272g    BW8192c
なお、この和声進行は、 外崎幹二・島岡譲著「和声の原理と実習」(音楽之友社、1958 年)p40 の課題の解答から引用した。

2011-07-05 (2) 00:19:41 +0900

PC の midi ではピッチベンドが 1 セント単位だと気づいてから計算し直したもの。 midi ファイルは I-VI-II-V-I_b.mid, ソースは以下のとおり。

#german

;                平均律                純正律(II の D の音程が不適切)                 純正律(II の D の音程が適切)
A C1 @19 p0  t32 o5 c c d o4 h o5 c r4 BW8192c BW8192c BW8356d o4 BW7701h o5 BW8192c r4 BW8192c BW8192c BW7455d o4 BW7701h o5 BW8192c
B C2 @19 p42     o4 g a a    g    g r4 BW8274g BW7537a BW7537a    BW8274g    BW8274g r4 BW8274g BW7537a BW7537a    BW8274g    BW8274g
C C3 @19 p85     o4 e e f    d    e r4 BW7619e BW7619e BW8111f    BW8356d    BW7619e r4 BW7619e BW7619e BW8111f    BW8356d    BW7619e
D C4 @19 p127    o3 c a d    g    c r4 BW8192c BW7537a BW8356d    BW8274g    BW8192c r4 BW8192c BW7537a BW7455d    BW8274g    BW8192c

2011-07-22 (5) 00:17:53 +0900

もしも「共通音を同じ高さにとる」の原則をかたくなに守り続けると、 最後の C 上の長三和音は最初のそれの 80/81 の音程になる。 それを体験してみよう。

midi ファイルは I-VI-II-V-I_c.mid, ソースは次のとおり。

#german
;                     平均律               純正律(元の C に戻ってこない!)
A C1 @19 p0   t32 BR2 o5 c c d o4 h o5 c r BW8192c BW8192c BW7455d o4 BW6800h o5 BW7291c
B C2 @19 p42  t32 BR2 o4 g a a    g    g r BW8274g BW7537a BW7537a    BW7373g    BW7373g
C C3 @19 p85  t32 BR2 o4 e e f    d    e r BW7619e BW7619e BW8111f    BW7455d    BW6718e
D C4 @19 p127 t32 BR2 o3 c a d    g    c r BW8192c BW7537a BW7455d    BW7373g    BW7291c

2011-07-31 (0) 01:24:24 +0900

短三和音の上に根音から短七度の音を重ねた和音

G-B-D の上に F を重ねた和音。 コードネームで言えばマイナー・セブン(ス)である。

純正律では、 G から見て短三度上の B, 完全五度上の G, それに短七度上の F でよさそうである。 周波数比は 3/2 : 9/5 : 9/4 : 27/10 = 30: 36 : 45 : 54 となる。 大きい数に見えるが、二つを選んで比を求めると、 5:6, 2:3, 5:9; 4:5, 2:3; 5:6 と、一けたの数になる。 長三度、完全五度、短七度、短三度しか現れないからである。

(属七の和音で第七音を短七度上にとると、 第三音と第七音は長三度+長三度をなすので、 その周波数比は 25:36 と、二けたの数になる。)

等分平均律と聞き比べる midi ファイルが minor_seventh.mid, ソースは以下の通り。

#german

A C1 @19 t16 o5 f BW8993f
B C2 @19     o5 d BW8352d
C C3 @19     o4 b BW8913b
D C4 @19     o4 g BW8272g

2011-07-09 (6) 19:26:59 +0900

PC の midi ではピッチベンドが 1 セント単位だと気づいてから計算し直したもの。 midi ファイルは minor_seventh_b.mid, ソースは以下のとおり。

#german

A C1 @19 t16 o5 f BW9012f
B C2 @19     o5 d BW8356d
C C3 @19     o4 b BW8930b
D C4 @19     o4 g BW8274g

G, B, D, F とも、1 セントあがっている。 すべての音が 1 セントあがったので、響きは変わらないはずである。

2011-07-22 (5) 00:36:26 +0900

減七の和音

c-moll で考えて、D-F-As-H と重ねる。 純正律では、C から見て完全五度+完全五度上の D, 完全五度下の F, 長三度下の As, 長七度上の H ととると、 周波数比は 9/8 : 4/3 : 8/5 : 15/8 = 135 : 160 : 192 : 225 となる。 二つの音を選んで比を求めると、 27:32, 45:64, 3:5; 5:6, 32:45; 64:75 となる。 隣り合った音の間の音程を考えると、 D から見ると F は完全五度を三回下がった音、 F から見ると As は短三度上の音、 As から見ると H は長三度を二回上がってさらに完全五度上がった音。

そうではなく、D を F の短三度下にとると、 10/9 : 4/3 : 8/5 : 15/8 = 400 : 480 : 576 : 675 となる。 D-F, F-As が短三度となる。

さらに、H の代わりに As の短三度上の Ces を加えると、 10/9 : 4/3 : 8/5 : 48/25 = 125 : 150 : 180 : 216 となる。D の上に短三度を三つ重ねたものである。

平均律の減七の和音に続いて、三つを順に演奏する midi ファイルが dim_7.mid, ソースファイルは以下のとおり。

#german

A C1 @19 t16 o4 h  BW7711h  BW7711h  BW9393c-
B C2 @19     o4 a- BW8753a- BW8753a- BW8753a-
C C3 @19     o4 f  BW8112f  BW8112f  BW8112f
D C4 @19     o4 d  BW8352d  BW7471d  BW7471d
最後の和音はかなり濁っている。

2011-07-09 (6) 20:36:56 +0900

PC の midi ではピッチベンドが 1 セント単位だと気づいてから計算し直したもの。 midi ファイルは dim_7_b.mid, ソースは以下のとおり。

#german

A C1 @19 t16 o4 h  BW7701h  BW7701h  BW9421c-
B C2 @19     o4 a- BW8766a- BW8766a- BW8766a-
C C3 @19     o4 f  BW8111f  BW8111f  BW8111f
D C4 @19     o4 d  BW8356d  BW7455d  BW7455d

2011-07-22 (5) 00:48:50 +0900

ベートーベン「弦楽四重奏曲第十五番」第三楽章よりリディア旋法の部分

最初のリディア旋法の部分を、平均律と純正律で作ってみた。 ソースファイルは BeethovenSQ15_III_heikinricu.mmlBeethovenSQ15_III_zjunseiricu.mml, midi ファイルは BeethovenSQ15_III_heikinricu.midBeethovenSQ15_III_zjunseiricu.mid, である。

音色が church organ なのは、響きがわかりやすいことと、 前から私が、この曲をオルガンで弾いたらどうなるだろうと考えていたからである。

非和声音はないので純正律化は簡単だったが、 第 21 小節から第 22 小節前半は悩んだ。 第 21 小節前半は F の上の長三和音、 後半は C-dur の属七の和音、 第 22 小節前半は C の上の長三和音なので、 ここだけをみると C-dur の IV-V7-I である。 しかし、初めの二つの和音に共通する F をビオラが弾いている。 私は、属七の和音の第七音は根音からみて 7/4 にとるべきだと考えているが、 そうすると、ビオラの弾く二つの F の音高が異なってしまう。 ここではそうしておいた。

音楽の切れ目で五つに分けて入力したため、 音高の指定などのスタイルが変わってきている。 オクターブ上げ下げの指定を使うより、 o2 はチェロの最低音域、o3 はビオラの最低音域、 などと覚えて絶対指定してしまうほうが間違いがないと気づいたためである。

2011-07-12 (2) 00:10:00 +0900

純正律の、C の上の長三和音で「わうわうわう」が目立つ。 また、単に音だけを打ち込み、強弱さえつけていないので、 音楽と呼ぶにはほど遠いかもしれない

2011-07-13 (3) 02:03:55 +0900

PC の midi ではピッチベンドが 1 セント単位だと気づいてから、計算し直した。 ソースファイルは BeethovenSQ15_III_zjunseiricu_b.mml, midi ファイルは BeethovenSQ15_III_zjunseiricu_b.mid, である。

2011-07-22 (5) 01:35:16 +0900

第 6 小節後半からも、純正律化にあたって悩む箇所だった。

2011-07-24 (0) 23:03:57 +0900

C の上の長三和音の「わうわうわう」を消すため、G の音程を変えてみた

上の、 ベートーベン「弦楽四重奏曲第十五番」からを純正律で演奏させたものを聞くと、 C の上の長三和音で「わうわうわう」が聞こえる。 抜き出して調べてみると、原因は E ではなく、G にある。 C を BW8192 とすると、理論上の G は BW8272 になるはずであるが、 試行錯誤してみた結果、きょうのところは BW8297 が適当という結論になった。

理屈はわからない。 本来なら 701.955001 セントの G が、これだと 702.563477 セントとなる。

midi ファイルは C-dur.mid, ソースファイルは以下のとおり。

#german

A C1 @19 p0  t40
B C2 @19 p42
C C3 @19 p85
D C4 @19 p127

A o4 BW7631 e2
B o4 BW8192 c2
C o3 BW8297 g2
D o2 BW8192 c2

2011-07-13 (3) 02:06:09 +0900

「ピッチベンドは 1 セント単位でしかかからない」という以下の考察に基くと、 BW8272 は +1 セント、BW8297 は +2 セントとみなされる。 本来なら 701.955001 セントだから、後者のほうが近いのだ。

2011-07-19 (2) 00:26:27 +0900

完全五度でピッチベンドのテスト

すぐ上に書いたことは間違いかも。

C が BW8192 のとき、G は BW8272 となるのが、 計算上は最も純正に近い。 G の音程を、そこから(BW の引数にして)1 ずつ変えてゆき、 どこで響きが変わるかを調べた。 BW8233 から BW8273 までは変わらず、 BW8232 と BW8274 はそれらとは異なって聞こえる。

midi ファイルは bendtest5.mid, ソースは以下の通り。

#german

A C1 @19   t40
B C2 @19 

; 計算上最も純正に近い数値
A o3 BW8272 g2
B o3 BW8192 c2

; これはそれとは違って聞こえる
A o3 BW8232 g2
B o3 BW8192 c2

; 次の三つは同じに聞こえる(まん中が計算上最も純正に近い数値)
A o3 BW8233 g2
B o3 BW8192 c2

A o3 BW8272 g2
B o3 BW8192 c2

A o3 BW8273 g2
B o3 BW8192 c2

; これは前とは違って聞こえる
A o3 BW8274 g2 r
B o3 BW8192 c2 r

2011-07-15 (5) 23:56:11 +0900

「音が変わるのは、BW の引数が 2 のベキおきでは」と予想して実験し、 「8232 から 8233 に増えるとき」の次は 「8273 から 8274 に増えるとき」だったので、 8274 - 8233 = 41 という意外な結果を胸に旅に出たが、 旅先で、41 は 4096/100 の近似値だと気がついた。 すなわち、ピッチベンドは1セント単位、ということだったのだ。 8233 - 41 = 8192 だから、 ニュートラルと思っていた BW8292 はその音に上がったばかりのところ。 C 上の長三和音で「わうわうわう」が聞こえるのはここに原因があるようだ。

2011-07-18 (1) 20:25:31 +0900

次を演奏させると、BW8192 から BW8232 までは同じ音、 後者とそれに1を足した BW8233 との間で音が変わる、とわかる。

#german

A C1 @19 t24
B C2 @19

; 次の二つはユニゾン
A o4 BW8192 c
B o4 BW8192 c

A o4 BW8232 c
B o4 BW8192 c

; 次はユニゾンではない
A o4 BW8233 c
B o4 BW8192 c
ただし、リピート再生させると、 一つめと二つめが全く同じに聞こえるときと、 聞こえ方が違うときがある。 三つめはあきらかに「わうわうわう」があってユニゾンではない。

同様な実験を行ない、次のような結果を得た。 (どこかで 41 個でないのが現れるはずで、 それに気づいたら、こんなに実験しなくても計算でわかるはず……。)
BW の引数個数セント備考
11469 〜 1150941+80
11428 〜 1146841+79
11387 〜 1142741+78
11264 〜 1130441+7511264 は 75 セント
11224 〜 1126340+7411263 は 74.9755859375 セント
11183 〜 1122341+73
11142 〜 1118241+72
11101 〜 1114141+71
11060 〜 1110041+70
10691 〜 1073141+61
10650 〜 1069041+60
10240 〜 1028041+5010240 は 50 セント
10200 〜 1023940+4910239 は 49.9755859375 セント
9831 〜 987141+40
9462 〜 950241+319462 は 31.005859375 セント
9421 〜 946141+309461 は 30.9814453125 セント
9216 〜 925641+259216 は 25 セント
9176 〜 921540+249215 は 24.9755859375 セント
9135 〜 917541+23
9094 〜 913441+22
9053 〜 909341+21
9012 〜 905241+20
8602 〜 864241+10
8561 〜 860141+9
8520 〜 856041+8
8479 〜 851941+7
8438 〜 847841+6
8397 〜 843741+5
8356 〜 839641+4
8315 〜 835541+3
8274 〜 831441+2
8233 〜 827341+1
8192 〜 823241±08192 は 0 セント
8152 〜 819140-18191 は -0.0244140625 セント 8152 は -0.9765625 セント
8111 〜 815141-28151 は -1.0009765625 セント

結論。1セント単位でしかピッチベンドはかからない。 実際にピッチベンドをかけるには、 まずはほしい音程をセントを単位として小数点以下四捨五入で求め、 それに 0.5 を足したものから BW の引数を計算し、 小数点以下は適当に処理すればよい。 セントを単位として求めたものに 0.5 を加えてから BW の引数に変換し、 四捨五入したものとほぼ同じかな?

2011-07-18 (1) 22:24:08 +0900

上の表で、+30 を 9422 〜 9461 と書いていたのは 9421 〜 9461 の誤り。 それに伴って備考欄に書いていたコメントが無意味になったので抹消した。

上の表で 40 個からなる箇所を探すため、実験を追加し、データも追加した。

1 セントの音の違いを聞き分けることは私には不可能だが、 ユニゾンか1 セントずれているかは、 後者の「わうわうわう」で容易に判定可能である。

プログラムの末尾に

A o1 c64
B o1 c64
を入れることにした。 何かの間違いで .mid ファイルが完全に空なるだと、 手元の Windows Media Player は止めようとする際に 「応答なし」になる。 上は、コントラバスの最低音の C を六十四分音符で演奏させるもの。 事実上ほとんど聞こえないので、 リピート再生して複数回確かめる場合も、まったく邪魔にならない。

-1, -2 セントのところのコメントは的外れだったので抹消してつけ直した。

昨日の「結論」に書いた実際のピッチベンドのかけ方は、うまくない。 最初にとる C の音が BW8192 でなくなってしまい、 もしもピッチベンドが 100/4096 セント刻みでできる midi 機器で再生した場合、 音程が 0.5 セントほど上がってしまう。 0 セントなら BW8192, 1 セントなら BW8133 と、 上の表でわかる BW の引数の範囲のうち最小の値をとるようにすべきである。

セントで表した値から BW の引数に変換するプログラムの習作。 出力が上の表と一致することを確かめた。 (int 型は 32 ビットと仮定して書いてしまったが、 習作ということでそのままにしておく。)

#include <stdio.h>

main() {
    int i;

    for (i = 100; i >= -100; i--) {
        printf("%d, %d\n", i, (i*4096+819200+99)/100);
    }
}

すのものの「純正律について」(その8)」 に、この方法でピッチベンドをかける場合の BW の引数の表を載せた。

2011-07-19 (2) 22:30:44 +0900

18日に書いた「結論」と19日に実際に表にしたピッチベンドのかけ方との間には、 もう一つ、大きな違いがある。 短三度は 315.641287 セントを 316 セントとして扱うので、 厳密な計算のまま短三度あがることを四回くり返してから 1 セント単位に丸めたものと、 短三度を 316 セントとして四倍したものとでは、1 セントの違いが生じる。 前者では、どこかに 315 セントの短三度が現れる。 それは望ましくない。その音程の響きが悪くなるからである。 後者の場合、短三度あがることを四回くりかえして得られる音の音程は理想と比べて 1 セントほど違ってくるが、元の音とその音とを同時に鳴らすことはないので、 問題は生じない。

2011-07-21 (4) 00:17:16 +0900

1 セント単位でピッチベンドをかけるしかない場合

すのものの「純正律について」(その8)」 に書いたように、現れる音程は次のようになる。

音程純正律 等分平均律
完全五度701.955001702700
長三度 386.313714386400
短三度315.641287316300
“七度”968.8259069691000

最後の「“七度”」は、 属七の和音の第七音を、根音から見て周波数比 7/4 にとったときの値である。 これが正しいかどうかはまだ判断ができていない。

1 セント単位と決めた時点で、現れる音の総数は 1200 以下と決まる。 一オクターブが 1200 セントだからである。 長三度と短三度の差は 70 セントであり、 その 10 倍と完全五度との差は 2 セントだから、 2 セントの差を持つ音は現れる。 完全五度、長三度、短三度、 および一オクターブの 1200 セントがすべて偶数なので、 現れる音をセント単位で表すと偶数のみとなり、 現れる音の総数は 600 となる。

2011-07-24 (0) 23:16:23 +0900

BR1 としてもピッチベンドは 0.5 セント単位にはならない

BR でベンドレンジを指定できることに気がついた。 デフォルトでは BR2 らしい。 これで等分純正律の半音二つまでピッチベンドがかかる。 では、BR1 としたら、幅は半音一つまでになるが、 刻みは 1 セント単位から 0.5 セント単位になるのではあるまいか。

次のプログラムを書いて実験した。

#german
A C1 @19 t24 BR1 o4 BW8192c BW8232c BW8233c
B C2 @19     BR1 o4 BW8192c BW8192c BW8192c

(n - 8192) * 100/8192 でセント単位で表した音程になるので、 8232 は 0.48828125 セント、 8233 は 0.50048828125 セントとなり、 ここで 0.5 セントあがるはず。 聞いてみて、三つめは音が変わると思い込んだ。

それに基づき、 けさ書いた 「すのものの「純正律を体験しよう(その1)」 に載せたプログラムをすべて書き直して実験した。 しかし、完全五度、長三度、短三度の音程の複数の候補のうち、 どれを選ぶのが最適かわからない。

落ち着いて、二つの音を後ろに追加した次のプログラムを書いてみて、 0.5 セント単位ではなく 1 セント単位だと気がついた。 midi ファイルは bendrangetest.mid である。

#german
A C1 @19 t24 BR1 o4 BW8192c BW8232c BW8233c BW8273c BW8274c
B C2 @19     BR1 o4 BW8192c BW8192c BW8192c BW8192c BW8192c
8273 が 0.98876953125 セント、 8274 が 1.0009765625 セントで、ここで初めて音程が変わる。 すなわち、すぐ上のプログラムは、初めの四つがユニゾン、 最後の一つだけが 1 セントの差のある二音が鳴る。

間違った思い込みで書いてしまったプログラムを、 ソースだけあげておく。0.5 セント単位で音程を変えて実験したと思い込んでいたが、 実際には二つずつ同じ音程で鳴るのであった。まずは完全五度のテスト。

#german
A C1 @19 t8 BR1 o4 BW8192g BW8233g BW8274g BW8315g BW8356g BW8397g BW8438g
B C2 @19    BR1 o4 BW8192c BW8192c BW8192c BW8192c BW8192c BW8192c BW8192c

; BW8192 0 セント
; BW8233 0.50048828125 セント
; BW8274 1.0009765625 セント
; BW8315 1.50146484375 セント
; BW8356 2.001953125 セント
; BW8397 2.50244140625 セント
; BW8438 3.0029296875 セント
続いて長三度。
#german
A C1 @19 t16 BR1 o4 BW8192e r
B C2 @19     BR1 o4 BW8192c r

A o4 BW7005e BW7046e BW7087e BW7128e BW7169e
B o4 BW8192c BW8192c BW8192c BW8192c BW8192c

; 7169 -12.48779296875
; 7128 -12.98828125
; 7087 -13.48876953125
; 7046 -13.9892578125
; 7005 -14.48974609375
そして短三度。
#german
A C1 @19 t16 BR1 o4 BW8192e- r
B C2 @19         o4 BW8192c  r

A o4 BW9544e- BW9503e- BW9462e- BW9421e- BW9380e-
B o4 BW8192c  BW8192c  BW8192c  BW8192c  BW8192c

; 9544 16.50390625
; 9503 16.00341796875
; 9462 15.5029296875
; 9421 15.00244140625
; 9380 14.501953125
このあと、長三和音と短三和音とを、 完全五度・長三度・短三度をいろいろな音程にとって試したが、 そのプログラムは整理されていないし意味がないと思うので省略する。

ピッチベンドを用いるプログラムでは、BR2 と書いておくほうがよさそうだ。 「すのものの「純正律を体験しよう(その1)」 の例はすべて直そう。

2011-07-26 (2) 20:13:39 +0900

属七の和音を 4:5:6:7 にとる、より詳しい実験

本文ナシ

(本項は、ほぼそのまま、文体を「ですます調」に変え、 『すのものの「純正律を体験しよう(その1)」』 に移動した。)

2011-08-03 (3) 21:47:10 +0900

属七の和音を 4:5:6:16/9 にとる実験

本文ナシ

(本項は、ほぼそのまま、文体を「ですます調」に変え、 『すのものの「純正律を体験しよう(その1)」』 に移動した。)

2011-08-04 (4) 01:12:30 +0900

C-dur から G-dur への転調

本文ナシ

(本項は、気が変わっていきなり 『すのものの「純正律を体験しよう(その1)」』 に書いたので、本文はない。)

2011-08-04 (4) 02:12:18 +0900

「君が代」のエッケルトによる和声を純正律で演奏すると

「君が代 和声」で Google の画像検索をして見つけた楽譜を利用した。 それらのあるページは http://www.tpnoma.com/kimi/kimigayo4.htmlhttp://miduno.seesaa.net/article/112529423.html である。

平均律と純正律とで、二度演奏する。 midi ファイルは kimigayo.mid, ソースは以下の通りである。 純正律の場合、 最初の「君が代は」の部分と最後の「すまで」 の部分はユニゾンなので音高の決めようがなく、 平均律のままとした。 純正律のほうには、コードネームも記入しておいた。

#german

;                        ki mi ga -- yo -- wa
A C1 @19 p0   t60 BR2 o4 d4 c4 d4 e4 g4 e4 d2
B C2 @19 p42  t60 BR2 o4 d4 c4 d4 e4 g4 e4 d2
C C3 @19 p85  t60 BR2 o3 d4 c4 d4 e4 g4 e4 d2
D C4 @19 p127 t60 BR2 o3 d4 c4 d4 e4 g4 e4 d2

;    ci    yo ni -- --    ya     ci yo        ni
A o4 e4    g4 a4 g8 a8 o5 d4  o4 h4 a4        g4
B o4 c4    c4 c4 c4       c4     d4 c4     o3 h4
C o3 g4 o4 c4 c4 c4    o3 a4     g4 f+4       g4
D o2 c4    e4 f4 e4   	  f+4    g4 d8 d+8    e4

;    sa ze re --     i     si    no
A o4 e4 g4 a2     o5 d4    c4 o5 d2
B o4 c4 c4 c2        f4    e4    f2
C o3 g4 g4 f2     o3 a4    a4    a2
D o3 c4 e4 c4 f4     d4 o2 a4 o3 d2

;    i  wa o  to    na  ri    te
A o4 e4 g4 a4 g4    e4. g8    d2
B o4 e4 e4 f4 c4    c4 c4  o3 h2
C o4 c4 c4 c4 c4 o3 g4 g4     g2
D o3 a4 g4 f4 e4    c4 e4     g4 o2 g4

;    ko    ke no    mu    --    su -- ma -- -- de
A o4 a4 o5 c4 d2    c4    d4 o4 a4 g4 a4 g8 e8 d2
B o4 f4    e4 d2    e4    f4    a4 g4 a4 g8 e8 d2
C o4 c4 o3 a4 a2    a4    a4    a4 g4 a4 g8 e8 d2
D o3 f4 e4    f2 o2 a4 o3 f4    a4 g4 a4 g8 e8 d2

;    ki mi ga -- yo -- wa
A o4 d4 c4 d4 e4 g4 e4 d2
B o4 d4 c4 d4 e4 g4 e4 d2
C o3 d4 c4 d4 e4 g4 e4 d2
D o3 d4 c4 d4 e4 g4 e4 d2

;           C           C        F        C       Am          D7            G       D7              Em
;          ci          yo       ni       --       --          ya           ci       yo              ni
A o4 BW7619e4    BW8274g4 BW7537a4 BW8274g8 BW7537a8 o5 BW8356d4  o4 BW7701h4 BW8438a4        BW8274g4
B o4 BW8192c4    BW8192c4 BW8192c4 BW8192c4             BW8192c4     BW8356d4 BW8192c4     o3 BW7701h4
C o3 BW8274g4 o4 BW8192c4 BW8192c4 BW8192c4          o3 BW8438a4     BW8274g4 BW7783f+4       BW8274g4
D o2 BW8192c4    BW7619e4 BW8111f4 BW7619e4             BW7783f+4    BW8274g4 BW8356d8 d+8    BW7619e4

;           C        C        F                   Dm          Am          Dm
;          sa       ze       re                    i          si          no
A o4 BW7619e4 BW8274g4 BW7537a2          o5 BW7455d4    BW8192c4 o5 BW7455d2
B o4 BW8192c4 BW8192c4 BW8192c2             BW8111f4    BW7619e4    BW8111f2
C o3 BW8274g4 BW8274g4 BW8111f2          o3 BW7537a4    BW7537a4    BW7537a2
D o3 BW8192c4 BW7619e4 BW8192c4 BW8111f4    BW7455d4 o2 BW7537a4 o3 BW7455d2

;          Am        C        F        C           C                     G
;           i       wa        o       to          na        ri          te
A o4 BW7619e4 BW8274g4 BW7537a4 BW8274g4    BW7619e4. BW8274g8    BW8356d2
B o4 BW7619e4 BW7619e4 BW8111f4 BW8192c4    BW8192c4 BW8192c4  o3 BW7701h2
C o4 BW8192c4 BW8192c4 BW8192c4 BW8192c4 o3 BW8274g4 BW8274g4     BW8274g2
D o3 BW7537a4 BW8274g4 BW8111f4 BW7619e4    BW8192c4 BW7619e4     BW8274g4 o2 BW8274g4

;           F          Am       Dm          Am          Dm 
;          ko          ke       no          mu          --           su -- ma -- -- de
A o4 BW7537a4 o5 BW8192c4 BW7455d2    BW8192c4    BW7455d4 BW8192 o4 a4 g4 a4 g8 e8 d2
B o4 BW8111f4    BW7619e4 BW7455d2    BW7619e4    BW8111f4 BW8192    a4 g4 a4 g8 e8 d2
C o4 BW8192c4 o3 BW7537a4 BW7537a2    BW7537a4    BW7537a4 BW8192    a4 g4 a4 g8 e8 d2
D o3 BW8111f4    BW7619e4 BW8111f2 o2 BW7537a4 o3 BW8111f4 BW8192    a4 g4 a4 g8 e8 d2
一箇所だけ現れる Dis は経過音と考え、 ピッチベンドは前の D のままにしておいたが、 Dis-Fis-A-C の減七の和音と考えることもできそうだ。 (だから E の上の短三和音に解決する。)

現れる音は次の通り。
######################
DAEHFis 
 FCGDA
Am から D7 へは、この図の上で大きくとぶように見えるかもしれないが、 Dm から G7 へとぶのを完全五度あげただけだから、普通である。

D と A はそれぞれ二種類登場するので、 純正律で歌うなら、それらを歌いわけなければならない。 D はこの曲の最高音であるが、 最初に現れるときだけがほかよりもシントニックコンマだけ高い。 また、最初と最後の部分に登場する D と A の音高を決めねばならない。 特に、D は曲の最初と最後の音なので重要である。

2011-08-20 (6) 23:26:09 +0900


すのもの Sunomono