東京都○○市のゲートボール場で25日深夜、ホームレスの無職、Aさん(55)が暴行を受け死亡した事件で、逮捕された同市立中学2年の少年らが「(Aさんに)謝らせたかった」などと供述していることが、28日分かった。「他(の少年)がやるので悪いとは思ったが、殴ってしまった。死ぬとは思わなかった」と供述する少年もおり、警視庁少年事件課は集団で襲ったことで特異な心理状態になり、暴行がエスカレートしたとみている。一方、少年らが事件前に2回にわたってAさんを襲っていたことも分かった。
これまでの少年(逮捕3人、児童相談所通告1人)らの供述などによると、4人のうち3人が24日午後、図書館で騒いでいたためAさんから注意を受け、トラブルになった。この際、少年の一人がAさんに殴られたという。
翌25日午後3時ごろ、そのうちの一人が偶然、Aさんを見つけ、後を付けてゲートボール場にいることを突き止めた。少年は、他の2人らに電話などで連絡し、同6時ごろと7時ごろの2回、数人でゲートボール場に押し掛け、Aさんと小競り合いになった。
その後、少年らはいったん塾に行くなどしたが、さらに仲間に加勢を頼んで、同9時過ぎに寝ていたAさんを起こして連れ出し襲った。その際、他に2人のホームレスが寝ていたが、少年らは「おじさんたちは寝ていていいよ」と声をかけたという。
調べに対し、少年らは「なかなか謝らないので暴行した」などと、涙を流しながら供述しているという。
同課は28日、逮捕した少年3人を傷害致死容疑で東京地検八王子支部に送検した。児童相談所に通告された少年は、同相談所が保護している。
[毎日新聞 2002年1月28日]
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