居心地の良い部屋を与えない



 心にヤスリをかけられ、傷ついた子たちは家庭で癒されなければなりません。細かく傷をつけられ、繰り返し癒されることによって心は強くなります。
 しかしそれは家庭の温かさによってなされるべきものであって、居心地の良い部屋によってなされるべきものではありません。これから外に出て、心にヤスリをかけてもらってきなさい、傷ついてらしゃいと送り出すのに、背後に蜜のように甘い居心地の良い部屋があったのでは出て行きようがないのです。

 子どもの部屋にテレビを置いてはいけませんし、ゲーム機も置いてはいけません。ゲーム機などそもそもなくてよいのです。コンピュータは親の横で触るものです。居間から外に出してはいけません。
 携帯電話を小中学生に持たせるのは愚の骨頂です。マンガもそれほど与える必要はありません。子ども部屋なんて本来退屈なものであっていいのです。退屈に飽きた子が居間に出てきて退屈紛れに家族に学校の話をする、それくらいでなくてはなりません。
 子ども部屋は最初からそのようにしておきます。テレビやゲーム機・携帯電話などは、一度渡してしまったら親子関係の破滅を覚悟しないかぎり、二度と取り上げることはできないと考えておいた方がいいものです。