学校に上がったら



 学校に上がったら、ず休ませないことを前提とします。

 37.0度前後の微熱だったら休ませる必要などまったくありません。具合が悪かったら遅刻や早退でしのげばいいのです。
 普通の教員だったら、授業を1時間も出席すれば欠席扱いにはしませ。中には「とにかくオレの顔を見たら欠席にしない」というような教員もいます(私はそうです)。
 1学期間欠席しなければそのことを大いに誉めます。通知票の評定よりも先にそちらを喜び、子どもと子どもの健康に感謝します。そうやって誉められた子は、2学期に欠席することはとても難しくなります。そうやって1年間皆勤した子どもは、翌年も休むことができず、4年皆勤したら中学卒業まで欠席しないことは保障されたも同然です。少しぐらい苦しいことがあっても、子どもは頑張って登校します。

 逆に、日ごろか少し熱っぽいと言っては休み、下痢気味だと言っては休み、あるいは父親が休みが取れたのでディズニーランドに行ってくるといっては休むような子どもは、容易に頑張れません。同じように、水泳がイヤだといっては休み、マラソンが辛いからといっては休み、遊ぶ相手がいないからといっては休みます。ディズニーランドに行くのに休めた学校へ、辛いことがあるのに行かなければならない理由が、子どもには分からないのです(私にも分かりません)。
 
 ここで、「欠席しない習慣づけをされた子どもがイジメにあっても休めず、その結果自殺にでも追い込まれたらどうするのか」と言ってはいけません。それは別問題です。
 1年間に自殺する未成年は、イジメを原因とするものも含めて、すべてで600人程度です。しかし不登校は13万人もいます。子どもの自殺は最悪ですが、頻度としたら不登校の方が圧倒的に多いのです。リスク回避の上からは、まず不登校を警戒すべきです(ちなみに交通事故を含む不慮の事故で死ぬ15歳未満の子どもも1万人ほどいますから、こちらもまた警戒しなければなりません)。
 
 学校に上がってもうひとつしなければならないことは、順調に軌道に乗るまで、親が子どもの勉強を見てやる、ということです。学校はなんと言っても国語や算数といった「勉強」をしている時間が一番長いのです。勉強が分からなくなると学校はとても苦しい場所になってしまいます。ですから放っておいてもある程度授業が分かるくらいになるまでは、子どもの学習を支援しておかなければなりません。