守り隊

 2005年暮れに相次いで起こった少女誘拐殺人事件に恐怖して、全国に作られた小学生の登下校を守る組織。
「○○小学校子どもを守り隊」「△△小学校見守り隊」「防犯パトロール」等の呼び名がある。

 主として老人と主婦によって組織され、朝夕、小学生に付き添ったり辻々で見守ったりするのが主な仕事。学校への出入り業者によって組織される場合も、郵便局や宅配業者がステッカーを貼って町々を走るといった形で協力する場合も少なくない。

 ただしこれによって、
子どもたちは道草をしながら家に帰る豊かな時間を失った

 見守り隊にしても、
全国で年間に2~3件あるかないかの誘拐事件のために延々とパトロールし続ける空しさに苦しめられている
 怪しめば怪しそうな人が山ほどいる都会ならまだしも、田舎の村では「怪しい」どころか
とりあえず「人」がいないのだ。しかし「自分たちが回っているからこそ、不審者が出ないのだ」と言い聞かせてがんばってくれている(その考えはもちろん正しいかもしれない)。


 一方「守り隊」を組織せずに「集団登下校」で不審者対策を行った学校は不幸だった。

 昔のように子どもそれぞれが我慢をする時代ではない。
 


 しかし「子どもを守る」ということが絶対的正義である以上、
子どもは安全だという保障のない限りはやめられない(もちろん、そんな保障はできっこないから100年経ってもやめられない)。

 集団登下校はしばしばイジメなどのトラブルの温床となっている。
 したがって今もっとも心配されているのは、
「集団登校」が「集団不登校」になるのではないか
 という深刻問題なのである。


2007.12.28