「ほんと、おれがおまえのおやじならよかったのにな!」
とクリスは腹立たしげに言った。
「もしおれがおまえのおやじだったら、あんな作品をいっぱい作れるなにかを与えてくれた神さまみたいに、こう言ってやるんだ。
”これこそ、わたしたちがおまえに望むことだよ、息子や。その才能を失わないようにしなさい”ってね。
だけど子どもってのは、
誰かが見守っててやらないと、なんでも失ってしまうもんだし、
おまえの両親が無関心過ぎて見守っててやれないってのなら、
たぶんおれがそうすべきなんだろうな」
スティーブン・キング『スタンド・バイ・ミー』