シンディー
・ワーク
《小学校教師の10月》 |
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音楽会 |
運動会が終わると同時に音楽会の練習はスタートする。
私の今の勤務校は特に力を入れているので、各学年かなり大掛かりなものになる。
1年生はオペレッタ「おむすびころりん」。全曲演奏し終わると15分にもなる大曲。
歌あり踊りあり随所にセリフを散りばめて、限りなくたくさんの子が目立つようにつくった。
1年生は素直なので何かとやりやすいのだが、欠点は集中力のなさ。自分の番などすぐに忘れてしまう。しかしお爺さんもねずみも一人や二人ではないので、何とかやりとげることができた。
4年生の乱れ太鼓は圧巻だった。
私の町は太鼓の町として有名なので、小学校だというのに28基もの大小太鼓がある。これを打つのが低学年の児童の夢なのだ。
今年は4年生の担任の内二人が太鼓の打ち手に加わって演奏したが(残りの一人は指揮)、本当に気持ち良さそうだった。
昨年は4年生の担任だった私も本当に懐かしい。その時の私の担当は鉦(かね)。小さな癖に音が高く、全体のリズムをつくってしまう楽器。つまり私が速くなれば全体も速くなり、私が遅ければ一斉に遅くなってしまうので、緊張感は極限まで達していた。その緊張感の中で、私は泣いた。2年間教えてきた子どもたちが、見事な大漁節を踊り始めたときだった。
今年は1年生の担任だから私の出番はないなァと思っていたら思わぬところに活躍の場が生まれた。職員合奏である。
今年の演奏は「明日があるさ」の替え歌と「となりのトトロ」の合奏。
私は「明日があるさ」の中のコントで端役をやり、「となりのトトロ」ではメイの役で心行くまで躍らせてもらった。
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読書の秋 |
秋の読書週間が始まる。
小学校はどこも読書指導に力を入れているから、これも年々大掛かりな行事となってきている。
そのラインアップを紹介すると、次のようだ。
- 校長講話による読書の奨励
- 図書委員会による寸劇と新しい本の紹介
- 同じく図書委員会による昼休みの紙芝居
- PTA役員による読み聞かせ
- 児童の作る感想カードの掲示
- 職員による本の紹介(ポスターによる)と読み聞かせ
読み聞かせというもの、子どもたちはなぜああも好きなのだろう? 決して自分で読むのを面倒くさがっているわけではない。とにかく読んでもらうことに目を輝かせることができるのだ。
それに反応して、私の朗読にも力が入る。シンディー七色の声である。もともと声優志望だった私にはもっとも夢心地の時である。