福岡・田川郡の中学授業妨害:「学校や先生に裏切られた」卒業生代表が答辞


 ◇町議会、調査特別委を設置

 福岡県田川郡内の町立中学校で、一部生徒が授業を妨害し、校長と教頭が休職・自宅療養に追い込まれた問題で、地元の町議会は19日、「全町的な問題で看過できない」として調査特別委員会(6人)を設置した。また、14日の卒業式の答辞で生徒代表が「学校や先生、教育委員会、PTAに裏切られた」と述べていたことも同議会の質疑で分かった。

 町議会で町教育長がこの問題について「心配、不安を与え申し訳ない」と謝罪した。これが発端となって緊急質疑があり、議員の1人が卒業式での答辞に言及した。見解を問われた教育長は「確かに(そのような)答辞があった。深く反省し、教員を刷新するとともに学校や教委の連携を最重点課題として徹底したい」と述べた。

 議員側は動議を出し「事実関係や原因を究明し、健全化に取り組むべきだ」と全会一致で特別委設置を決めた。

 町教委によると、一部生徒はいずれも、校舎2階の美術指導室で「個別指導」を受けていた。昨秋から中庭で大声を出すなどの授業妨害が顕著になり、来校した保護者につばをかけ、校舎廊下から放尿するなど行為がエスカレート。校長は2月上旬から病休し、教頭は同下旬から自宅療養になった。

 生徒のうち2人は、校長室で暴れてロッカーや茶わんを損壊したとして暴力行為等処罰法違反容疑で県警に今月14日逮捕された。【林田雅浩】

毎日新聞 2008年3月20日 西部朝刊