横浜市教育委員会が通知表の記載ミスを防ぐため、配布に先立って成績や出席日数などの確認を児童生徒や保護者に求めていた問題で、市教委は5日、従来の方針を撤回し、今後は事前確認を行わないことを明らかにした。
市教委によると、10月末に事前確認の実施が問題化した後、市民や実施を知らされていなかった市の教育委員らが「学校の責任放棄だ」などと反発。「(事前確認の)判断は間違っていた」などとして一転して撤回を決めた。山田巧市教育長は5日の市会常任委員会で、「批判を重く受け止め、真摯(しんし)に反省する」と謝罪した。
また、既に行われた事前確認の状況も公表され、市立小中学校全492校のうち415校で実施した結果、成績や出席日数など計928件の誤りが判明。一方、残りの小中学校計77校は実施していなかった。
10月30日付の「キース・アウト」で私は、
通知票のミスが防ぎきれない以上、「児童生徒・保護者の事前確認」を必ず行うことは悪いことではない
と書き、
しかしそのためにかかる時間的・労力的コストはどこまで計算されたか。
とも記した。
したがってこの「事前確認」が撤回されることに異論はないのだが、その理由が
「学校の責任放棄」
となると釈然としない。なぜ「事前確認」は学校の責任放棄なのだろう。
学校がきちんとやっておけば「事前確認」などいらないのに、きちんとやらないことの確認を親に押し付けるのだから責任放棄だというなら、世の中のあらゆる監査業務は責任放棄になってしまう。それぞれがきちんとやっておけば、監査などいらないはずだ。
また、そもそも通知票の正確を期する「事前確認」に市民が「反発」するというのも理解できない。正確な通知票は市民の利益のはずだ。それに事前確認のために苦労するのは教師であって市民ではない・・・と、ここまで書いてハタと思いつくことがある。それは
こんなつまらないことに時間やエネルギーを取られるのはかなわん
という親側の事情だ。ありていに言ってしまえば、
そんなことは学校がやればいいので、オレたちに面倒を持ち込むなという抗議である。
もう何でもいい。学校にお任せするからオレたちには面倒を持ち込むな。ただしオレたちの気に入るようにやるんだぞ、
そんな親はいくらでもいる。
そうした「“親”市民」と、「事前に知らされなかったことで傷ついた教育委員」がともに反対の狼煙を上げ、“学校が怠けようとしている”ことを理由に「事前確認」をつぶしてしまった、そんな話だ・・・そう考えるのは穿ちすぎだろうか。
市教委によると、10月末に事前確認の実施が問題化した後、市民や実施を知らされていなかった市の教育委員らが「学校の責任放棄だ」などと反発。「(事前確認の)判断は間違っていた」などとして一転して撤回を決めた。山田巧市教育長は5日の市会常任委員会で、「批判を重く受け止め、真摯(しんし)に反省する」と謝罪した。
また、既に行われた事前確認の状況も公表され、市立小中学校全492校のうち415校で実施した結果、成績や出席日数など計928件の誤りが判明。一方、残りの小中学校計77校は実施していなかった。
10月30日付の「キース・アウト」で私は、
通知票のミスが防ぎきれない以上、「児童生徒・保護者の事前確認」を必ず行うことは悪いことではない
と書き、
しかしそのためにかかる時間的・労力的コストはどこまで計算されたか。
とも記した。
したがってこの「事前確認」が撤回されることに異論はないのだが、その理由が
「学校の責任放棄」
となると釈然としない。なぜ「事前確認」は学校の責任放棄なのだろう。
学校がきちんとやっておけば「事前確認」などいらないのに、きちんとやらないことの確認を親に押し付けるのだから責任放棄だというなら、世の中のあらゆる監査業務は責任放棄になってしまう。それぞれがきちんとやっておけば、監査などいらないはずだ。
また、そもそも通知票の正確を期する「事前確認」に市民が「反発」するというのも理解できない。正確な通知票は市民の利益のはずだ。それに事前確認のために苦労するのは教師であって市民ではない・・・と、ここまで書いてハタと思いつくことがある。それは
こんなつまらないことに時間やエネルギーを取られるのはかなわん
という親側の事情だ。ありていに言ってしまえば、
そんなことは学校がやればいいので、オレたちに面倒を持ち込むなという抗議である。
もう何でもいい。学校にお任せするからオレたちには面倒を持ち込むな。ただしオレたちの気に入るようにやるんだぞ、
そんな親はいくらでもいる。
そうした「“親”市民」と、「事前に知らされなかったことで傷ついた教育委員」がともに反対の狼煙を上げ、“学校が怠けようとしている”ことを理由に「事前確認」をつぶしてしまった、そんな話だ・・・そう考えるのは穿ちすぎだろうか。