英教育専門誌、タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は2日、今年の「世界大学ランキング」を発表、東京大が23位(昨年27位)と昨年から4つ順位を上げてアジア首位の座を守った。上位200校に入った日本の大学は5校で昨年と同数だった。
同誌は、ランクインした日本の5校のうち4校が昨年より順位を上げていることに触れ「日本の大学の国際的地位を高めようとする政府の取り組みの成果が上がっていることを示している」と分析した。
研究論文の引用頻度や教員スタッフ1人当たりの学生数など、13の要素を基に順位を付けた。米カリフォルニア工科大が3年連続でトップ。2位は英オックスフォード大と米ハーバード大が同順位で続いた。米スタンフォード大が4位となるなど、上位10校は全て米英の大学だった。
東大以外の日本の4校は、京都大が52位(同54位)、東京工業大が125位(同128位)、大阪大が144位(同147位)、東北大が150位(同137位)。
アジアでは26位にシンガポール国立大、43位に香港大、44位に韓国のソウル大、45位に中国の北京大が入った。特に東アジアで順位を上げる大学が目立つ一方、欧州の大学の多くが苦戦しており、同誌は「欧米からアジアへの勢力シフトの傾向は続いている」とした。(ロンドン=共同)
「THE世界大学ランキング」は毎年この時期に発表されるが、そのたびに「キース・アウト」で取り上げるようにしている。なぜならこれがマスコミに取り上げられるとき、常にロクでもない扱いを受けるからだ。
例えば昨年、東京大学の秋入学が話題になった際、あの大NHKですらTHEの世界大学ランキングの10位までを示し、あとは「・・・」で結んで27位に「東大」と書いたフリップを使って、いかに日本の大学のレベルが低いかを示した。
フリップを見た人は1位から10位までが英米の大学であることを確認できるが、11位以下は分からない。ただしソルボンヌ大学だのボン大学だの有名大学は世界中にあるから、そこにフランスやイタリア、ドイツ、スペイン、ポルトガル、オーストリア、オランダといったヨーロッパの歴史ある国々、あるいは新興いちじるしい中国・韓国の大学も入っているかもしれない、その上での『東大』なのだ、如何にレベルの低いことか、そんなふうに思うかもしれない。
しかし違う。昨年も一昨年も、そのずっと以前も、東大より上位には英米の大学、あるいはカナダといった英語圏の大学がずらっと並んでいるのだ。英語圏でないのはアインシュタインの出身校、チューリッヒ工科大ただひとつである(そのチューリッヒ工科大学も卒論指導・修論指導は英語で行う)。
東大は(英語以外の)母国語で授業を受け、卒論・修士論文の書ける大学の中で、断トツのトップなのである。
*同じような母国語中心の大学は、36位 カロリンスカ大学(スウェーデン語)、37位ローザンヌ工科大学(フランス語)、44位ソウル大学(韓国語)、45位北京大学(中国語)ということになる。
東大23位、アジア首位守る
時事通信の見出しは確かに間違いではない。しかし正確さで言えばアジアに限らない。.
「欧米を除くすべて(アジア・アフリカ・南アメリカ・オセアニア、ついでに南極)の中で首位」
そう書いてもまったく間違っていない。あるいはこう言ってもいい。
「英語以外の母国語で授業を受け、卒業論文・修士論文を書ける大学としてはダントツの1位。23位の東大の下はカロリンスカ大学(36位:スウェーデン)のみ」
そこまで書けば東大の優秀さは自ずと際立ってくるはずだ。
諸外国のマスコミがどうだか知らない。しかし日本のマスコミは常に自国の教育の質を極端に低く見積もる。
こうした傾向を私は「マスコミの自虐教育観」と呼んでいる。
同誌は、ランクインした日本の5校のうち4校が昨年より順位を上げていることに触れ「日本の大学の国際的地位を高めようとする政府の取り組みの成果が上がっていることを示している」と分析した。
研究論文の引用頻度や教員スタッフ1人当たりの学生数など、13の要素を基に順位を付けた。米カリフォルニア工科大が3年連続でトップ。2位は英オックスフォード大と米ハーバード大が同順位で続いた。米スタンフォード大が4位となるなど、上位10校は全て米英の大学だった。
東大以外の日本の4校は、京都大が52位(同54位)、東京工業大が125位(同128位)、大阪大が144位(同147位)、東北大が150位(同137位)。
アジアでは26位にシンガポール国立大、43位に香港大、44位に韓国のソウル大、45位に中国の北京大が入った。特に東アジアで順位を上げる大学が目立つ一方、欧州の大学の多くが苦戦しており、同誌は「欧米からアジアへの勢力シフトの傾向は続いている」とした。(ロンドン=共同)
「THE世界大学ランキング」は毎年この時期に発表されるが、そのたびに「キース・アウト」で取り上げるようにしている。なぜならこれがマスコミに取り上げられるとき、常にロクでもない扱いを受けるからだ。
例えば昨年、東京大学の秋入学が話題になった際、あの大NHKですらTHEの世界大学ランキングの10位までを示し、あとは「・・・」で結んで27位に「東大」と書いたフリップを使って、いかに日本の大学のレベルが低いかを示した。
フリップを見た人は1位から10位までが英米の大学であることを確認できるが、11位以下は分からない。ただしソルボンヌ大学だのボン大学だの有名大学は世界中にあるから、そこにフランスやイタリア、ドイツ、スペイン、ポルトガル、オーストリア、オランダといったヨーロッパの歴史ある国々、あるいは新興いちじるしい中国・韓国の大学も入っているかもしれない、その上での『東大』なのだ、如何にレベルの低いことか、そんなふうに思うかもしれない。
しかし違う。昨年も一昨年も、そのずっと以前も、東大より上位には英米の大学、あるいはカナダといった英語圏の大学がずらっと並んでいるのだ。英語圏でないのはアインシュタインの出身校、チューリッヒ工科大ただひとつである(そのチューリッヒ工科大学も卒論指導・修論指導は英語で行う)。
東大は(英語以外の)母国語で授業を受け、卒論・修士論文の書ける大学の中で、断トツのトップなのである。
*同じような母国語中心の大学は、36位 カロリンスカ大学(スウェーデン語)、37位ローザンヌ工科大学(フランス語)、44位ソウル大学(韓国語)、45位北京大学(中国語)ということになる。
東大23位、アジア首位守る
時事通信の見出しは確かに間違いではない。しかし正確さで言えばアジアに限らない。.
「欧米を除くすべて(アジア・アフリカ・南アメリカ・オセアニア、ついでに南極)の中で首位」
そう書いてもまったく間違っていない。あるいはこう言ってもいい。
「英語以外の母国語で授業を受け、卒業論文・修士論文を書ける大学としてはダントツの1位。23位の東大の下はカロリンスカ大学(36位:スウェーデン)のみ」
そこまで書けば東大の優秀さは自ずと際立ってくるはずだ。
諸外国のマスコミがどうだか知らない。しかし日本のマスコミは常に自国の教育の質を極端に低く見積もる。
こうした傾向を私は「マスコミの自虐教育観」と呼んでいる。
*ちなみに、「2013 THE世界大学ランキング」の「東大以上」は次の22大学である。 1 カリフォルニア工科大学(アメリカ) 2 ハーバード大学(アメリカ) 3 オックスフォード大学(イギリス) 4 スタンフォード大学(アメリカ) 5 マサチューセッツ工科大学(アメリカ) 6 プリンストン大学(アメリカ) 7 ケンブリッジ大学(イギリス) 8 カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ) 9 シカゴ大学(アメリカ) 10 インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス) 11 エール大学(アメリカ) 12 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(アメリカ) 13 コロンビア大学(アメリカ) 14 チューリッヒ工科大(スイス)注:ドイツ語中心 15 ジョンズ・ホプキンス大学(アメリカ) 16 ペンシルベニア大学(アメリカ) 17 デューク大学(アメリカ) 18 ミシガン大学(アメリカ) 19 コーネル大学(アメリカ) 20 トロント大学(カナダ) 21 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(イギリス) 22 ノースウェスタン大学(アメリカ) 23 東京大学(日本) |