キース・アウト
(キースの逸脱)

2013年11月

by   キース・T・沢木

サルは木から落ちてもサルだが、選挙に落ちた議員は議員ではない。
政治的な理想や政治的野心を持つ者は、したがってどのような手段を使っても当選しておかなければならない。
落ちてしまえば、理想も何もあったものではない。

ニュースは商品である。
どんなすばらしい思想や理念も、人々の目に届かなければ何の意味もない。
ましてメディアが大衆に受け入れられない情報を流し続ければ、伝達の手段そのものを失ってしまう。

かくして商店が人々の喜ぶものだけを店先に並べるように、 メディアはさまざまな商品を並べ始めた。
甘いもの・優しいもの・受け入れやすいもの本物そっくりのまがい物のダイヤ
人々の妬みや個人的な怒りを一身に集めてくれる生贄
そこに問題が生まれれば、今度はそれをまた売ればいいだけのことだ。


















2013.11.03

残業代だけで513万円 県教育局職員、1485時間の時間外勤務


[埼玉新聞 11月 2日]


 県教育局の職員が2012年度に最長1485時間の時間外勤務をし、513万円の時間外手当を支給されていたことが1日、県議会の決算特別委員会で報告された。513万円の時間外勤務手当は同局の12年度の最高額。菅原文仁議員(刷新の会)の質問で明らかになった。同局は「改善に努める」としている。

 1485時間、513万円になった職員は人事業務担当。同局総務課によると、県教育長が1994年に出した「総労働時間の短縮に関するもの」という通知では、所属長に対して職員の時間外勤務が月60時間(年間720時間)を超えないよう配慮することを求めている。

 人事業務担当の職員は12年度に1人増員されたものの、時間外勤務が最長、時間外手当支給額が最高となる職員が出てしまった。教員については、給与月額の4%を残業分とみなした「教職調整額」が一律支給されており、時間外勤務手当はない。

 11年度に県職員の長時間の時間外勤務や高額の時間外勤務手当が問題になった。知事部局の職員で12年度の時間外勤務の最長は945時間(時間外勤務手当支給額329万円)。時間外勤務手当の支給最高額は588万円(時間数820時間)だった。



 何が問題かというと、
@ 県教委が、
所属長に対して職員の時間外勤務が月60時間(年間720時間)を超えないよう配慮することを求めていたにも関わらず、最長1485時間の時間外勤務をし、513万円の時間外手当を支給されていたということ。
 また、
A
教員については、給与月額の4%を残業分とみなした「教職調整額」が一律支給されており、時間外勤務手当はないにもかかわらず、教員でなかったばかりに531万円もの時間外手当を受けていたという点である。

 ちなみに教員の平均給与は43歳で37万円ほど(地方公務員給与実態調査)、その4%の12か月分となると17万7600円である。同じ県教委職員でも、教員の身分のまま県教委に入った職員は年17万7600円、一般の公務員の身分の者は最大513万円。同じ仕事をしていてこれだけの差が出るとやはり問題だろう。

 しかし
そもそも年1500時間もの超過勤務で17万7600円が安すぎないか?
 一般公務員は時給換算で3450円ほど。教員は時給120円。何かやりきれなくなる。

 ちなみに「部活手当」の名で知られる「教員特殊勤務手当」は4時間やって2400円(本県の場合)。時給換算で600円。
 調整手当よりはるかに良いが、いまどき高校生だってこんな仕事はしないだろう。

 国も地方公共団体も教育改革を最重要課題とするが、
“人”を大切にしない世界で“人”を育てることに問題はないのだろうか。