最近、よく耳にする言葉に「貸し渋り」「貸し剥がし」があります。貸し渋りは
金融機関が融資を渋って貸してくれない、あるいは金利を極端に高くしたり借り換
えを拒否することです。貸し剥がしは期限前弁済を求めてくることです。
今後も金融機関の融資姿勢はさらに厳しくなることが予想され、企業はどう対処
すればよいのかが問われています。
日常的にこれだけは準備しておこう
1.最低3ケ月先までの資金繰り表の作成
日繰り表 毎日の資金の動きを予測
月別資金繰り表 1ケ月単位の資金の動きを予測
2.月次試算表の作成
遅くとも翌月末までに作成
年1回の決算時のみ作成などは論外で融資申し込み資格はない
リスケジュールで対抗しよう
金融機関と債務者(会社)は対等な関係にあります。借入をしているからといって弱気になることはありませ
ん。貸し渋りが見えてきたらリスケジュールを考えてみましょう。
金融機関はリスケジュール(借入金返済計画の変更)は望みません。したがって、リスケジュールを申し込み
した途端に締め付けが始まる可能性があります。リスケジュールを申し込む前(4、5ケ月前)にリスクを分散
しておくことが必要です。
1.メインバンク以外に手形割引枠の拡大を図る
2.新しく取引金融機関を開拓しておく
定期積立金の開始、信用度の高い手形の割引依頼、支払手形口座の確保、
入金用口座の移動(売上入金用口座の分散)
金融機関が貸したい企業になる条件
1.常に最低3ケ月先までの資金繰り表を作成しておく
2.月次試算表は遅くとも翌月末までに作成しておく
3.自己資本比率は最低でも10%は確保するように努力
4.会社の資産、負債の一覧表(科目内訳)を毎月作成しておく
以上の準備を常日頃よりしておけば、貸し渋り、貸し剥がしにあっても、対抗が可能
となります。