記事タイトル:壊れシャルト修復工事第一審敗訴 


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お名前: 塔間潤    URL
ますます気になる社長さんの思惑…。
社長さんは一体何処まで知っていたのか!?
お見合い相手の彼が好きな人って…もしかして…。
K○Y○S○Iなのか…!??
[2000/01/16 04:39:05]

お名前: シャルト   
 バタン
ドアの閉まる音だけが、
まだ部屋の中が暗いペンションに響いた。
「電気はつくかな?・・・・あ、よかった。」
暗かったペンションの中に、ぱっと電気がついた。

彼はにぎっていたわたしの手をはなすと、
「ずっと座りっぱなしだったから。疲れたんじゃない?」
彼はそう言っておくの部屋に入っていこうとした。
 グーーーッ
ペンションの中にわたしのお腹の虫の音が響いた。
わたしにとっては居心地の悪い間、
「・・・・・・・・・。」
そして沈黙・・・・
その音が彼を引きとめ、
「フフ・・・・。おなかがへっているの?なんか探そうか?
多分カンヅメぐらいならあると思うんだけど・・・・。」
わたしは顔を真っ赤にして、小さくうなずいた。

 キコキコ、ペコッ
「はいどうぞ。」
彼は開けたカンヅメをわたしの前にすっと差し出した。
「あ、どうもありがとう。」
わたしはそれを受け取り何気なく彼の顔を見てみると、
彼はわたしの顔をじーっと見ていた。
「あの・・・・。」
「あっ、ごめん。見られてたら食べにくいよね。」
彼は少し照れたようにして、
自分が食べる分を開け始めた。

「・・・・・・・・。」
二人ともしゃべらず黙々と食べ始めた。
その沈黙を破ったのは、彼の方だった。
「あの・・・・、きみはなぜ僕とお見合いしたかわかる?」
突然のことで、わたしは彼の言った事がよく聞き取れなかった
「ん・・・・、何も言わず聞いてほしいんだ。
僕には実際、今までに何度かこんな話はあったんだ。」
何も言えないわたしを彼はじっと見て話を続けた。
「でね、今まで多くを断ってきたんだ。
理由はあったんだよ。」
彼は、少し言葉を考えるようにして続けた。
「・・・・実は、僕は女性を愛せなかったんだ。
つまり、男性を愛していたんだ。」
わたしは、叫びたいぐらいの驚きに襲われた。
「きみが驚くのも無理はないよ。
そんなことを前に出したら縁談なんてまとまるわけないから・・・・。
親がそのことに気づいてから僕はお見合いの連続だったよ。
たくさんあたればいつかはまとまるだろうってさ。
でもいつもうまくいかなかったよ、
いや・・うまくいかせなかったのかな・・・・。
そして、きみが最後だったんだよ、
きみがだめだったらもう勘当するぞってさ、
悪かったねこんなところに連れて来ちゃって。」
うつむいて話していた彼から小さなしずくが
ぽたぽたとたれていた。

しばらくの沈黙。
彼のすすり泣く音だけが部屋の中に音として存在していた。
「あの・・・・。
なんて言ったらいいかわからないけど、
わたしはそんなにあなたを嫌いじゃないと思う。」
わたしは、彼の背後に回りそう言って、
小さくなった彼を抱きしめた。

KIYOSHIから少しずつ離れていく自分の心
わたしは自分のしていることが正しいのかはわからなかった
ただ、目の前の彼をほうってはおけなかった
[2000/01/15 02:11:52]

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