倉知 淳 12 | ||
シュークリーム・パニック |
Wクリーム |
2ヵ月連続刊行の短編集第2弾。前作よりも「らしい」といえば「らしい」。というよりふざけている。これを商品として売るなんて倉知淳でなければ許されない。
表題作なのか??? シチュエーションはクローズド・サークル。体質改善セミナーに集まったメタボ男性たち。2泊3日の合宿中、食事は不可。お茶のみ飲むことが許される。そんな中、講師の男が隠していたシュークリームが盗まれ…。状況からして脱力してしまうが、ロジックを駆使した推理の結末がこれかよっ!!! というか、この長さ必要かよっ!!!
本作中ではまともなミステリー(?)か。ネットセキュリティとサイバー犯罪者のいたちごっこを見るにつけ、最強のセキュリティとは実はアナログじゃないかと思う、今日この頃である。なるほど、これなら気づくまい。気づくわけねえだろっ!!! というか、今時セキュリティコードが4桁の数字なんて、そっちの方に突っ込みたい。
実際にこういう通報をしたとして、警察は動いてくれるだろうか…。それにしても、何ともそそられないシチュエーション。私には価値がわかりません。名探偵とあろう者が、こんな事件じゃやる気が出ないんじゃないか? 序盤で真面目に読む気がなくなった上に、結末がこれかよっ!!! というか、この長さ必要かよっ!!!
ちっとも意外じゃない、持ち味発揮しまくりの作品集だが、待った甲斐があるかどうかは定かではない。年に1冊くらい短編集を出さないと許さん。