森 博嗣 03

笑わない数学者

MATHEMATICAL GOODBYE

2000/06/24

 シリーズ3作目。この辺りから森作品にはまっていったと記憶している。

 犀川と萌絵は、偉大な数学者である天王寺翔蔵博士の屋敷、「三ツ星館」を訪れる。そこで開かれたパーティーの席上、博士は屋敷の庭に立つ巨大なオリオン像を消してみせた。一夜明けて、再び現れたオリオン像。のみならず、二つの死体が発見された…。

 オリオン像が消えるトリックよりも、天王寺翔蔵博士が出題したビリヤードの玉の問題の方がずっと気になってしまった。読了してからもしばらく考えていた。以下、問題文をそのまま抜粋。

「五つのビリヤードの玉を、真珠のネックレスのように、リングにつなげてみるとしよう。玉には、それぞれナンバが書かれている。さて、この五つの玉のうち、幾つ取ってもいいが、隣どうし連続したものしか取れないとしよう。一つでも、二つでも、五つ全部でもいい。しかし、離れているものは取れない。この条件で取った玉のナンバを足し合わせて、1から21までのすべての数ができるようにしたい。さあ、どのナンバの玉を、どのように並べて、ネックレスを作ればいいかな?」

1 2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15

解答はこちら(JavaScriptで別ウィンドウが開きます。30秒後に閉じます)。

 大幅に脱線してしまったが…オリオン像が消えるトリックを、なあんだと思った方は多いだろう。僕もそう思ったから。しかし、この手のトリックは書いた者勝ちである。まさしく、コロンブスの卵。こういう、馬鹿馬鹿しくなるような大仕掛けは結構好きだな。

 さっぱり感想になっていないが、僕的には大好きな作品だ。失礼しました…。



森博嗣著作リストに戻る