森 博嗣 22

魔剣天翔

Cockpit on Knife Edge

2000/10/09

 早いもので、「瀬在丸紅子」シリーズも5作目。ここまでシリーズを重ねると、どうも馴染めなかったキャラクターたちも、まあこういうものかと思えてくる。

 航空ショーでアクロバット飛行中のパイロットが、射殺された。パイロットは二人乗りの航空機の後部座席に座っていた。しかし、撃たれたのは背中から。果たして殺害犯人は、一緒に搭乗していた女性なのか?

 いきなり余談だが、以前テレビで放映していたあるパイロットのことを思い出した。その名はロック岩崎。航空自衛隊に所属していた彼は、昇進してフライトから離れることを嫌い、アクロバット機のパイロットに転身した。「エンジェル・マヌーヴァ」の西崎勇輝と、同じくらいの年齢だったかな。

 今回は、これまで地味だった保呂草の暗躍ぶりが注目される。彼にはある目的があった。いよいよ本領発揮だろうか? そして、小鳥遊練無の存在が一躍クローズアップされる。練無に対する好感度が倍くらいになったかも。その理由は…書かない方がいいだろう。瀬在丸紅子は相変わらずよくわからん…。今現在、シリーズのベスト1かな。

 検死の結果、撃たれたパイロットの喉から発見されたある物体。その物体が意味するものは? そして、最後の謎の答えは? こういう遊び心は、僕は好きだね。最後の謎の答えは、こちら(JavaScriptで別ウィンドウが開きます。30秒後に閉じます)。

 2000年9月17日の森さんの日記によれば、「犀川&萌絵」シリーズも当初はキャラクターが飛びすぎとか色々言われたそうである。シリーズが進むと、今度は普通になってつまらないと言われたとか。僕も含めて、読者とは勝手なものである。

 なお、短編集が間に入るので、シリーズ次回作は2001年5月になるとのこと。



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