乃南アサ 31 | ||
夜離れ |
(注:以下の文章は嘘です)
乃南アサさんの得意とする、爽やかな読後感が残る作品集だ。
まずは「4℃の恋」。タイトルとは裏腹に、恋人への思いが熱く熱く燃え上がる。一方で、病床に伏せる義父を思う彼女の親孝行ぶり。じーん。
「祝辞」。結婚を前にした女性の親友が、失語症に陥る。親友を気遣い、恋人と共に世話を焼く彼女。その甲斐もあって回復に向かう。まさに劇的。これを劇的と言わずして何と言おうか。挙式当日、親友の祝辞には感謝の思いが綴られる。じーん。
「青い夜の底で」。トップアイドルとファンとの距離は、かくも遠いものなのか。それはかなわぬ恋なのか。じーん。
「髪」。かなり頑固な癖毛を自認している僕だが、所詮は男なので深刻に考えてはいない。しかし、女性にとってはそうはいかないのだろう。髪のコンプレックスに悩む女性が、勇気をもって一歩を踏み出す。じーん。
「枕香」。多忙な彼になかなか会えない彼女。イライラが募る。会いたい思いが募る。ようやく会えた二人は、お互いの思いを改めて確認する。じーん。
表題作「夜離れ」。夜の世界に身を投じた女性は、普通の幸せが欲しかった。揺れ動いた末にたどり着いた場所は…。じーん。
(ここから本当)
…まあ、ギャグとして読む分には楽しめるかも。「祝辞」なんて完全にギャグだ。ネタといい、全体的に安っぽい。あなたの嫌らしさはこんなものではないはずだ、乃南さん。