岡嶋二人 12


ちょっと探偵してみませんか


2000/05/30

 本作は、25編のショートショートを収録した短編集である。25編すべてが推理パズルになっているので、パズル集とでも言うべきかもしれない。

 犯人当てあり、トリック当てあり、暗号ありと実に多彩な内容が楽しい。一編当たりのページ数は10pにも満たないので、25編すべてを足しても220p程度なのだが、読み応え、もとい解き応えは十分だ。ちなみに、僕のの成績は〇勝△敗の負け越しであった…。

 本作に収録されている短編、もとい問題のうちの何問かは、どこかで見た覚えがあった。どこで見たんだっけ、と思って巻末の初出一覧を開いて納得した。本作には、僕が中学時代に購読していたパズルの専門誌「パズラー」(現在はクロスワードに特化しているようだが…)に掲載された問題が含まれていたのだ。

 驚いたことに、僕は中学時代に岡嶋作品に触れていたのだった。こうして現在読書をするようになり、岡嶋作品を読むようになったのも、何かの巡り合わせだろうか。そういえば、何となく本作には懐かしい臭いが漂っていたような。

 小中学生の頃の僕は、パズル大好き少年だったのだが、久しぶりに童心に帰って楽しませてもらった。大長編が持てはやされる昨今だが、たまには趣向を変えて、気軽に楽しめるこんな作品を読んでみるのも一興ではないだろうか。絶対楽しいよ、これ。

 岡嶋二人再結成という奇跡が起きない限り、続編が出ないであろうことが残念。本作を世に出してくれたお二人に、心からの感謝の意を表したい。いやあ、満腹だ。



2006/03/10追記

 最近エラリー・クイーンの国名シリーズを読み始めたが、読者への挑戦状はやっぱり敷居が高い。本作はそんな僕にも優しい作品集だったと改めて思う。



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