マヤの心象風景
風は香ばしかった。
明るい密林の
緑を渡る風
マヤは自然と共に生きた.
蒔き、刈り入れる日々.
おとなしい、心やさしい人々.争うことはなかった.
自然に神々を見て暮らした.
夜、満天に星は降った。神々の星を見守った.
世界は廻り来ると知った.
右目で神を見て.左目で科学した
数学システムを作り、天体を測定した.
一年を365,22日とした.
数万年の暦を作り人類の時間を計った.
廻り来ることを信じ過去を記録し、
未来を予告しようとした.
神々の領域に入ろうとした.人々もまた永遠であろうとした.
神に食事を与え、神と共に住み、
神を人類のため動かそうとした
祭りは盛大だった.
芸術家、科学者、祭礼者の作品の桧舞台
すべてが極彩色.
建物、着飾った行列、
歌、踊り、祈祷、幻覚 神への貢ぎ物は、
花の香り、食べ物の味覚、人の精神/心
種族の争いゆえか、大自然の推移ゆえか
神の化身で模られ五色の
荘厳な建物の祭礼都市を人々は捨てた.
今、マヤの末裔は
変わらない原始の生活と
昔の信仰をしている.